パニック障害という病気について詳しい方はご存じかもしれませんが、「待つ」という行為は、「その場から逃げられない」という意味での「閉所」を意味しており、パニック発作を起こしてしまう方がいます。

例えば、しらたまママさんのケースでいえば、お店や施設の順番待ちの行列がダメ。特に、高速道路の渋滞なんてもってのほかです。そして病院の待ち時間なども、やっぱり苦手。

そして一番、周囲に理解を得にくいのが、「スーパーでのレジ待ち」なんです。

いままで、何度、スーパーでのレジ待ちのときに発作が起きて苦しい思いをしたことでしょう。最初のうちは、「こんな近所のスーパーのレジ待ち程度で発作が起こるなんて…。」と落ち込みもありました。他の苦手な場所は、「なるべく行かない」という方法がとれますが、しらたまママさんは一児の母であり主婦。生活用品を揃えるために必要なスーパーだけは、そういうわけにもいきません。

行きたくない。でも、生活のためには行かないわけにはいかない…。

そこで、しらたまママさんが編み出したのが、ス―パーでの滞在時間をなるべく短くする工夫。たとえば、買い物に行くときは、人が少ない時間帯を選びます。これは、曜日と時間帯を変えて、何度か通って、スーパーの混み具合をチェックすることで把握。しらたまママさんがよく利用するスーパーだと、平日の開店直後が一番狙い目。品揃えがいまいち悪いところが少々気になるけれど、とにかく人が少ないのが助かる!

そして品物を選んだあとは、ついに最難関のレジ待ち。ここをいかに短く済ませるかがポイントなのですが、ここにもしらたまママさん流の方法があって、少しでも早く通過できるようにとベテランそうな人のところへ行ったり、カゴの中身が少なそうな人の列に並びます。

地味で小さなことかもしれないけれど、「当り前の日常」を手に入れるための、しらたまママさんなりの工夫。どうか発作が起こりませんようにと祈りつつ、今日もスーパーでのお買い物をささっと済ませるのでした。

「パニック障害」という病気について今以上に正しい知識が広まり、偏見がなくなればと自身の経験を、わかりやすく語ってくださるしらたまママさん、そんな彼女のリアルな日常や思いについて、今後もお届けしていきます。

ご注意:本記事はパニック障害と診断された方の体験記であり、パニック障害の症状等を医学的に説明するものではないことをご理解頂けますと幸いです。

【マンガ記事】しらたまママのパニック奮闘記

パニック障害歴20年のベテランで新米ママのしらたまママさんは、パニック障害という病気を抱えながら、出産を経験し、今も育児の真っ最中。病気によって起こる辛いことも、それを乗り越えて楽しく生きようとすることも、全部含めた、しらたまママさんのパニック障害のリアルをお届けしていきます。

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