2024年に新NISAが始まることもあり、多くの方が投資に興味をもっています。投資にはさまざまな商品がありますが、最もポピュラーなのはやはり株式投資ではないでしょうか?

株式投資は株の値上がりによる売却益のほかに、配当や株主優待といった多様な恩恵を受けられる金融商品です。

今回は株式投資の始め方や銘柄選びのコツ、おすすめの証券会社などについて解説します。わかりやすく説明しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事はCFPの監修を受けています。

この記事を読んでわかること
  • 株式投資とは何か
  • 株式投資のメリットとデメリット
  • 株式投資の始め方
  • 株式投資でおすすめの証券会社
INDEX
1.
株式投資とは?
1-1.
株式投資はいくらから始められる?
1-2.
株式投資と銀行借り入れの違いは?
2.
株式投資の3つのメリット
2-1.
1. 配当金(インカムゲイン)がもらえる
2-2.
2. 売却益(キャピタルゲイン)が期待できる
2-3.
3. 企業によっては株主優待がある
3.
株式投資の3つのデメリット
3-1.
1. 元本が保証されていない
3-2.
2. 企業の破産リスクがある
3-3.
3. 最初にまとまった資金が必要となる
4.
株式投資の3つのコツ(選び方)
4-1.
1. 身近な企業や業界の銘柄に注目する
4-2.
2. 株主優待や配当金から選ぶ
4-3.
3. 少額で購入できるものを検討する
5.
4つのステップでわかる株式投資の始め方
5-1.
ステップ1:証券口座を開設する
5-2.
ステップ2:証券口座に入金する
5-3.
ステップ3:株を買う
5-4.
ステップ4:定期的に株価をチェックする
5-5.
【コラム】スマホで株を買うにはどうすればいい?
6.
株式投資を始めるなら投資信託もおすすめ
6-1.
【コラム】投資信託の投資ではポイントが貯まることもある
7.
株式投資におすすめのネット証券5選
7-1.
1. SBI証券
7-2.
2. 楽天証券
7-3.
3. 松井証券
7-4.
4. マネックス証券
7-5.
5. auカブコム証券
8.
株式投資は証券口座があればすぐに始められる
9.
参考資料
img_arai
監修者
新井 智美CFP及び1級FP技能士
CFPの他、DC(確定拠出年金)プランナー 、住宅ローンアドバイザー や証券外務員資格を保有。トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談や資産運用などにまつわるセミナー講師他、金融メディアへの執筆および監修に携わっている

1株式投資とは?

株式投資とは、企業が発行する株式を購入し、株価が値上りした際の売却益などの利益を狙っていく投資方法です。

企業は、利益を得るために、人材の採用や設備投資などのお金を必要とします。

そこでお金を集めるために株式会社は株式を発行し、出資者を募るのです。

出資者には株主総会などでの議決権などが与えられますが、株式投資の主な目的は株価が上昇したときに売却をして利益を得ることです

また、業績や銘柄によっては、出資者には配当や株主優待を受け取る権利も用意されているため、これらも株式投資の大きな目的になります。

img_b67e323d50df455926bbd81bcec260f3125619

出所:MeChoice編集部作成

一方で、株式投資にはリスクもあります。

購入時点よりも株価が値下がりし、それによって初期投資額が一部失われてしまう可能性があるのです(元本割れ)。

img_0daa8a0c21450a88704e7740b36c42cf138352

出所:金融広報中央委員会「知るぽると」を元にMeChoice編集部作成

株式投資を始める上では元本割れの可能性を常に考慮する必要があります。

株式投資はいくらから始められる?

株式投資は単元株といわれる100株単位で行われるのが一般的です。

100株単位で投資をするので、株価の100倍の資金が必要になります。

たとえば、株価が5000円の企業の株式を購入する場合は、最低50万円必要となります(手数料を除く)。

このように株式投資を行うにはまとまったお金が必要になってしまいますが、最近は1株など単元未満株でも取引ができる証券会社が増えているので、少ない金額からも投資が可能です。

株式投資と銀行借り入れの違いは?

銀行借り入れの場合は当然ですが、銀行に期日までに利息を含めて返済する義務があります。

一方、株式を発行した企業は、株主に出資してもらったお金を返済する義務はありません。株式で調達資金が自己資本と呼ばれるのにはそうした背景があります。

企業からすれば、返済の期日を気にすることなく、お金を集められるのは大きなメリットです。

img_5aaa736e01f9edf1a14c0a0e016ad311154184

出所:MeChoice編集部作成

2株式投資の3つのメリット

株式投資にはさまざまなメリットがありますが、主だったものは以下の3つです。

株式投資の3つのメリット

それぞれのメリットについてわかりやすく紹介しますので、確認していきましょう。

1. 配当金(インカムゲイン)がもらえる

株式投資の最大のメリットは、キャピタルゲインだと思われている方が多いかもしれませんが、配当金も株式投資の大きなメリットになります。

株価が10倍以上になるテンバガーのような銘柄を見つけられれば、大きな利益を得られますが、そのような銘柄を見つけるのはなかなか難しいです。

また、利益を得るどころか、長期間にわたって含み損*1が発生してしまう可能性もあります。

*1…有価証券が購入時よりも値下がりしている状態。含み損がある時に売却すると損をする。

その点、配当金はキャピタルゲイン(売却益)に比べると地味かもしれませんが、安定的な収入です

銀行預金に比べはるかに高い配当を出す企業も多いので、株式投資の大きなメリットになるでしょう。

たとえば、商船三井における2021年度の配当は1株あたり400円。100株保有していれば4万円の配当金が得られた計算となります。

img_551580dd4251518fc5baff64aabf860f75206

出所:商船三井HP「配当方針・実績」

2. 売却益(キャピタルゲイン)が期待できる

キャピタルゲインは株式投資の最大のメリットです。株価が10倍以上になるテンバガーのような銘柄を見つければ莫大な利益を得られるでしょう。

たとえば、株価500円の企業の株式を1000株購入し、それが10倍となった場合の利益は以下の通りです。

(5000円×1000株)[値上がり後の時価評価額]-50万円(購入時の投資額)=500万円-50万円=450万円

このように大きな利益を得られる可能性があるのは、株式投資最大の醍醐味だといえるでしょう。

ただし、実際に売却した際には売却益の20.315%を税金として支払う必要があります。

3. 企業によっては株主優待がある

日本株の場合、インカムゲインやキャピタルゲインだけではなく、株主優待を実施している企業も多いです。

株主優待とは、株式を買ってくれた投資家に、自社の商品や割引券などをプレゼントするしくみで、以下はその一例となります。

株主優待例

企業名 優待内容
すかいらーくホールディングス (株)すかいらーくレストランツなどで利用できる株主優待カード2000円分(2000円カード×1枚)
※100株~299株保有の場合
キリンホールディングス 「キリンビール詰め合わせセット(合計4本)」などから選択
※100株以上1000株未満保有の場合
ライオン 自社製品の詰め合わせ

※いずれも2023年1月27日時点で確認できる最新情報をもとに作成

3株式投資の3つのデメリット

株式投資にはさまざまなメリットがありますが、デメリットもあります。主なデメリットは以下の3つです。

株式投資の3つのデメリット

株式投資のそれぞれのデメリットについてわかりやすく説明をします。

1. 元本が保証されていない

株式投資は元本が保証されていません。つまり初期投資額(元本)が株価の下落により失われてしまう可能性があるのです。これを元本割れといいます。

img_0daa8a0c21450a88704e7740b36c42cf138352

出所:金融広報中央委員会「知るぽると」を元にMeChoice編集部作成

預貯金のように元本が保証されていないのは、株式投資のデメリットといえるでしょう。

2. 企業の破産リスクがある

当然ですが企業には破産リスクがあります。

会社の破産は債務超過(資産よりも負債の方が多い状態)や支払い不能が原因となって起こりますが、この際、会社の清算が行われることがあります。

清算とは、企業の財産(機械など)の換金や、債権者への返済などを通じて行う、債権債務の整理を指す言葉です。

この清算を通じてそれでもプラスの財産が残れば、それらは株主に分配されます。しかし、破産する企業の多くは債務超過であるのが現実です。つまり、プラスの財産よりもマイナス分が大きく、株主へ分配される分が残ることはありません。

投資している企業が破産してしまった場合、保有している株式の価値がゼロとなると考えておくと良いでしょう。

3. 最初にまとまった資金が必要となる

株式投資は単元株と呼ばれる100株単位での取引が基本になります。つまり現在の株価の100倍の資金が最低限必要になるということです。

たとえば、株価が2000円の株式を購入する場合は、20万円が必要となります。

2000円× 100株= 20万円

まとまった資金がないと投資をしづらいのは株式投資のデメリットといえるでしょう。

ワンポイント
  • 証券会社によっては1株から購入できる単元未満株を取り扱っています。ただし、購入できる銘柄は単元株と比べて少なく、手数料は高い傾向にあります。また、取引にも一定の制限があります。

4株式投資の3つのコツ(選び方)

株式投資の銘柄は日本株だけではなく、米国株や中国株なども含めると無数に存在します。

無数にある銘柄から納得いく選定をするには自分なりの基準やポイントを持っておくことが必要です。

ここでは株式投資の主なアプローチ法を3つ紹介します。

  1. 身近な企業や業界の銘柄に注目する
  2. 株主優待や配当金から選ぶ
  3. 少額で購入できるものを検討する

それぞれのポイントについてわかりやすく紹介しますので、参考にしてください。

1. 身近な企業や業界の銘柄に注目する

投資初心者の方であれば、まずは身近な企業や業界の銘柄を検討してみましょう。

というのも、現在、日本国内の上場企業数は3870社にのぼり(2023年1月26日JPX調べ)、それらすべてを比較対象とするのは困難だからです。選定する企業数を絞り込む必要があります。

そこでまずは自分の普段利用しているサービスや店舗を運営している会社等に注目してみましょう。

日頃よく利用しているお店やサービスだからこそ、対象の業界や企業に興味が湧きやすく、また、普段利用している商品だからこそ、自分の感性を踏まえたオリジナルな企業分析も可能となります。

2. 株主優待や配当金から選ぶ

株主優待や配当の多さを基準に銘柄選定を行うのも良いでしょう。

配当とは投資家に分配される企業の利益のことです。通常は決算時に分配が行われますが、企業の業績などを理由に特別配当や記念配当といった配当が実施されることもあります。

配当に積極的な企業もあり、株を保有している間の安定収入となることもあります。

たとえば、商船三井では2021年度に1株あたり400円の配当を実施しており、100株保有しているだけでも4万円の利益が生まれています

img_551580dd4251518fc5baff64aabf860f75206

出所:商船三井HP「配当方針・実績」

なお、企業の業績や方針によっては配当が行われないケースもありますので、その点は注意が必要です。

株主優待とは、株式を買ってくれた投資家に、自社の商品や割引券などをプレゼントするしくみです。

以下のようにさまざまな優待が用意されているため、自分の好みにあった優待を目当てに株式を購入するのも良いでしょう。

企業名 優待内容
すかいらーくホールディングス (株)すかいらーくレストランツなどで利用できる株主優待カード2000円分(2000円カード×1枚)
※100株~299株保有の場合
キリンホールディングス 「キリンビール詰め合わせセット(合計4本)」などから選択
※100株以上1000株未満保有の場合
ライオン 自社製品の詰め合わせ

※いずれも2023年1月27日時点で確認できる最新情報をもとに作成

3. 少額で購入できるものを検討する

まとまった資金がない方であれば、少ない金額から購入できる銘柄を選ぶようにしましょう。なぜなら、投資では分散投資が重要だからです。

分散投資とは、さまざまな資産(株・国債・不動産など)や地域(日本・アメリカなど)に投資することで、リスク低減を図る投資のテクニックです。

大きな資金がないのに、株価の高い銘柄を単位株で購入してしまうと分散投資が難しくなってしまうでしょう。

投資資金が少ない方は単元未満株や投資信託を検討するようにしてください。

単元未満株とは1株など100株未満でも買える株式です。比較的少ない金額でも分散投資を実践できます。

また、投資信託とはたくさんの投資家から少しずつお金を集め、集まったお金をプロである運用会社が分散投資する金融商品になります。

img_1d4dcdcb829825b8fe5cff2b7a278143152246

出所:一般社団法人投資信託協会HPを元にMeChoice編集部作成

投資信託は月々100円から購入でき、すでに分散投資されたパッケージを購入することになるため、最も手軽な分散投資法といえます。

54つのステップでわかる株式投資の始め方

こちらの章では、株式投資の始め方を紹介します。株式投資を始めるためのステップは以下の4つです。

  1. 証券口座を開設する
  2. 証券口座に入金する
  3. 株を買う
  4. 定期的に株価をチェックする

以下、それぞれの項目を詳しく解説していきます。

ステップ1:証券口座を開設する

株式投資を行うためには、証券口座が必要です。証券口座の開設の流れは以下の通りです。

  • 証券会社のホームページから口座開設をクリックする
  • 名前や住所、電話番号などの個人情報を入力する
  • 金融資産や投資の経験などを入力する
  • 本人確認書類とマイナンバーを提出する
  • 証券会社の審査を待つ
  • 証券口座の開設完了

証券口座を開くためには、「印鑑」や「金融機関口座」に加え、以下のものが必要となります。

本人確認書類
  • 免許証
  • パスポート
  • 健康保険証
  • 各種年金手帳など
マイナンバー(個人番号)確認書類
  • マイナンバーカード
  • 通知カードなど

現在は多くのネット証券で、必要書類のオンライン提出が可能となっており、ネット上で口座開設を完結できます。

もし、オンラインでの必要書類提出が難しければ郵送でも可能ですが、この場合は口座開設までに時間がかかるので注意しましょう。

なお、証券会社は大きく分けると、店舗型証券とネット証券の2種類になります。

この中でおすすめなのはネット証券です。

ネット証券はオンラインで取引を完結できる上、手数料も安いことから、働く世代や忙しい主婦の方などにおすすめです。

ステップ2:証券口座に入金する

証券口座の開設ができたら口座に入金をしましょう。

証券口座への入金方法には、ATM入金や銀行振込などいくつかの種類がありますが、投資初心者におすすめなのは即時入金です

提携銀行とのネットバンキングを活用したこの入金方法には、以下のメリットがあります。

即時入金のメリット
  • 24時間ネットから入金可能
  • 入金後、即時証券口座へ反映
  • 振込手数料無料

投資においてはコストをどれだけ少なくするかが大切なので、入金方法については証券口座ごとに最も安い方法を選択することをおすすめします。

ステップ3:株を買う

証券口座に入金ができたらいよいよ株の購入が可能です。株式の購入は100株単位の単元株が基本になります。つまり株価の100倍の資金が必要になるのです。

株を購入する際には、銘柄を選定するだけではなく、以下の3つの項目についても検討する必要があります。

  • 預かり区分
  • 購入方法
  • 注文期間

それぞれの概要を表にまとめましたので、参考にしてください。

預かり区分

株式投資には主に3つの預かり区分があります。それぞれの特徴やメリットをまとめました。

種類 概要
一般口座 年間取引報告書の作成と確定申告が必要。
特定口座(源泉徴収なし) 確定申告が必要。年間取引報告書は証券会社が作成してくれる。
特定口座(源泉徴収あり) 証券会社が代わりに納税を行ってくれるため確定申告が原則不要。

年間取引報告書とは年間の取引を集計したものであり、一般口座の場合はこれを自力で作る必要があります。

また特定口座(源泉徴収なし)は年間取引報告書を証券会社が作成してくれるものの、確定申告は自分で行う必要があります。

この中で最もおすすめなのは特定口座(源泉徴収あり)です。

納税を証券会社が代行してくれるため、原則として確定申告を行う必要がありません。

img_aba28edfa8df95bcdd0983053008ccb7172119

出所:MeChoice編集部作成

なお、このほかにもNISA口座があります。

NISAは毎年一定額の投資から生まれる利益が、最大20年間非課税となる制度です。

このNISAを利用して金融商品の購入・運用を行う場合はNISA口座を利用する必要があります。

なおNISA口座も確定申告は原則不要です。

ワンポイント
  • 特定口座(源泉徴収なし)でも繰越控除を受ける際には確定申告が必要となります。繰越控除とは株式投資による赤字を翌年以降の黒字と相殺し、税負担を減らす方法です(最大3年間)。

購入方法

株式の主な購入方法には、成行注文、指値注文、逆指値注文の3つがあります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

注文方法 メリット・概要
成行注文 株の売買時に値段を指定しないで注文する方法。値段を気にせず購入・売却を行う時に使う。約定までのスピードが速い。
指値注文 株の売買時に値段を指定して注文する方法。買いでは上限値を(◯◯円までなら買いたい)、売りでは下限値(〇〇円までなら売りたい)を決める。希望通りの株価で購入できる。
逆指値注文 特定の銘柄が指定した金額を上回った場合、ないし下回った場合において、指定した金額で購入・売却する方法

それぞれ特徴のある注文方法になりますので、しっかり理解しておきましょう。

注文期間

注文期間にも以下のようにいくつかの種類があります。

注文方法 内容
当日中 当日に希望価格に到達したら約定する方法。翌日以降は約定させたくない時におすすめ
期間指定 期間を決めて注文する方法。決められた期間に約定させたい場合におすすめ

ご自身に合った注文方法を選ぶようにしましょう。

ステップ4:定期的に株価をチェックする

株の注文ができたら、定期的に株価をチェックするようにしましょう。

定期的に株価をチェックすることによって希望価格で売却できたり、さらに長く保有するなどの運用方針を決められます。

【コラム】スマホで株を買うにはどうすればいい?

最近は、多くのネット証券で専用アプリを準備しています。

また、スマホでインターネットサイトからも株式の購入が可能です。スマホによる株の購入方法のフローをまとめておきました。

  1. 証券会社のアプリ・サイトにログイン
  2. 購入する銘柄を決定
  3. 購入単位(数量)/預かり区分/購入方法/注文期間を決め、注文ボタンを押す

いかがでしょうか?

かなり簡単にスマートフォンからでも株式取引ができることを、ご理解いただけるのではないでしょうか?

スマートフォンであれば、外出先でも簡単に取引できますのでぜひマスターしましょう。

6株式投資を始めるなら投資信託もおすすめ

株式投資を始めるのであれば、まずは投資信託から始めてみるのも良いでしょう。投資信託とは資産運用のプロが世界中の株式などに分散投資してくれる金融商品です。

img_1d4dcdcb829825b8fe5cff2b7a278143152246

出所:一般社団法人投資信託協会HPを元にMeChoice編集部作成

実際の運用はファンドマネージャーが行ってくれるので、投資家は逐一マーケット状況を確認する必要はありません。

ただし、その分ランニングコストとして信託報酬と呼ばれる手数料がかかります。また、投資信託によっては、購入時の手数料や解約時に手数料がかかる場合もあります。

投資信託の主なメリットは以下の3つです。

  • 少額から始められる
  • 分散投資によるリスク減少
  • NISAやiDeCoによる節税メリットが受けられる

投資信託は月々100円から始められます。また証券会社によっては共通ポイントによる購入も可能です。たとえばSBI証券ではTポイントを投資信託の買付に利用できます(1ポイント=1円)。

投資信託は1つの商品でさまざまな地域や銘柄に投資できるため、手軽に分散投資が可能です。

NISAを利用すれば利益を非課税にできるほか、iDeCoなら利益の非課税に加え、所得税や住民税を圧縮できるというメリットも享受できます。

このように投資初心者にはハードルが低く、かつ国の非課税制度の対象にもなっているため、「株式投資はまだ難しいかな」と思った方は、まず投資信託を検討してみましょう。

【コラム】投資信託の投資ではポイントが貯まることもある

株式に投資する手段の1つに投資信託が挙げられます。

投資信託とは投資家の代わりに運用会社が分散投資を行ってくれる金融商品であり、その投資対象には株式も含まれています。

img_1d4dcdcb829825b8fe5cff2b7a278143152246

出所:一般社団法人投資信託協会HPを元にMeChoice編集部作成

投資信託は毎月の自動積立で購入することもでき、月々100円からの少額投資も可能です。

証券会社によっては、投資信託の積立をクレジットカードで行えます。

クレジットカードを利用することから、ポイントが貯まるので非常にお得です。

クレカの投信積立で貯まるポイント例

証券会社 ポイント還元率 利用できるクレジットカード 貯まるポイント
SBI証券 0.5~5.0% 三井住友カード Vポイント
楽天証券 0.2~1.0% 楽天カード 楽天ポイント
マネックス証券 1.1% マネックスカード マネックスポイント
auカブコム証券 1.0% auPAYカード Pontaポイント

また、証券会社によっては、投資信託の保有金額に応じてポイントが貯まるサービスも用意されています。

投資信託の保有で貯まるポイントの例

証券会社名 貯まるポイント 還元率
SBI証券 ・Tポイント
・Pontaポイント
・Vポイント
・JALマイル
・dポイント
最大0.25%
マネックス証券 ・マネックスポイント 最大0.08%
auカブコム証券 ・Pontaポイント 最大0.24%
松井証券 ・松井証券ポイント
・現金
(信託報酬の)最大0.85%

7株式投資におすすめのネット証券5選

株式投資を始めるにあたって、証券口座が必要です。証券会社はたくさんありますが、ズバリおすすめはネット証券です。

手数料が安く、オンラインで取引が完結できるため、忙しい働く世代の方でも気軽に投資ができます。

こちらの章では株式投資におすすめのネット証券を5社紹介します。

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • 松井証券
  • マネックス証券
  • auカブコム証券

それぞれの証券会社の特徴について説明をします。

1. SBI証券

SBI証券の基本スペックは以下の通りです。

項目 内容
国内株手数料 0円から
米国株手数料 約定代金の0.45%(税込0.495%)
IPO取扱銘柄数(2022年) 89
米国株の銘柄数 6000超
独自サービス 三井住友カードを使って投信積立を行うと最大還元率は5%
口座開設実績 1000万口座突破(SBI証券、SBIネオモバイル証券、SBIネオトレード証券、FOLIOの合計口座数)

※データはいずれも2023年2月1日確認のもの

SBI証券は、2023年中に国内株の手数料無料化を目指しており、コスト意識が高い人であれば注目必須の証券会社です。

また、国内株は0円から取引可能であり、IPO取り扱い銘柄数も非常に多いです。米国株の銘柄数に関しても申し分ありません。

また、投資信託の購入に三井住友カードを利用すれば、最大5%のポイント還元が受けられる点も魅力的です。

たまったVポイントは1ポイント1円で投資信託の買付に利用できるほか、景品との交換やキャッシュバックサービスにも使えます。

2. 楽天証券

楽天証券の基本スペックは以下の通りです。

項目 内容
国内株手数料 0円から
米国株手数料 約定代金の0.45%(税込0.495%)
IPO取扱銘柄数(2022年) 65
米国株の銘柄数 4960銘柄
独自サービス 楽天カードを使って投信積立を行うと最大還元率は1%
口座開設実績 800万口座

※データはいずれも2023年2月1日確認のもの

楽天証券は800万口座を超えている日本屈指の証券会社です。手数料は非常に低く、IPO銘柄も多いです。米国株の取扱い数も申し分ありません。

楽天カードを使って投信積立を行うと、楽天ポイントが貯まるのも大きなメリットとなっています。

また、楽天証券と楽天銀行を連携するマネーブリッジを利用すれば、楽天銀行の普通預金金利が0.1%になるのも魅力的。株の購入時には、証券口座の不足分が楽天銀行の普通預金残高から自動入金される自動入出金(スイープ)サービスも便利です。

3. 松井証券

松井証券の基本、スペックは以下の通りです。

項目 内容
国内株手数料 0円から
米国株手数料 約定代金の0.45%(税込0.495%)
IPO取扱銘柄数(2022年) 54
米国株の銘柄数 1648
独自サービス 投資信託保有額の最大0.85%が還元される「投資信託 毎月ポイント・現金還元サービス」
口座開設実績 139万2794口座(2022年3月末時点)

※データはいずれも2023年2月1日確認のもの

松井証券は25歳以下の日本株の取引手数料(現物・信用)が無料となっているのが大きな魅力です。

また、サポート体制については「HDI-Japan 主催 2022年度 問い合わせ窓口格付け(証券業界)」で、12年連続最高評価となる三つ星を獲得しています。

松井証券では「投資信託 毎月ポイント・現金還元サービス」を実施しており、信託報酬が0.3%を超える場合については、その一部を現金や松井証券ポイントとして還元しています。

還元率は最大0.85%。たまった松井証券ポイントはAmazonギフト券や3000種類以上の商品との交換等に利用できます。

4. マネックス証券

マネックス証券の基本スペックは以下の通りです。

項目 内容
国内株手数料 50円から
米国株手数料 約定代金の0.45%(税込0.495%)
IPO取扱銘柄数(2022年) 61
米国株の銘柄数 4491
独自サービス マネックスカードを使って投信積立を行うと最大還元率は1.1%
口座開設実績 219万4858口座(2022年12月時点)

※データはいずれも2023年2月1日確認のもの

マネックス証券は、米国株の取り扱い数が多く、多くの米国株ユーザに利用されている証券会社です。

また、マネックスカードを使って投資信託の自動積み立てを行うと、最大還元率は1.1%と非常に高いのも魅力的。たまったポイントは投資信託の買付や他社ポイントへの移行などに利用できます。

5. auカブコム証券

auカブコム証券の基本スペックは以下の通りです。

項目 内容
国内株手数料 0円
米国株手数料 約定代金の0.45%(税込0.495%)
IPO取扱銘柄数(2022年) 23
米国株の銘柄数 1803
独自サービス auPAYカードを使って投信積立を行うと最大還元率は1%
口座開設実績 150万8633口座(2022年度12月データ)

※データはいずれも2023年2月1日確認のもの

auカブコム証券は、auPAYカードを利用して投信積立を行うと、ポイント還元率1%でPontaポイントが貯まります。

Pontaポイントユーザーで投資信託の運用を考えている方であれば、検討してみることをおすすめします。

8株式投資は証券口座があればすぐに始められる

株式投資は証券口座があれば簡単に取引を始められます。証券会社によっては、最短当日から数日で取引を開始できるほか、オンラインで口座開設を完結できるので、案外気軽に始められることに驚く方も多いかもしれません。

株式投資には配当や株主優待といった魅力的なメリットがたくさんあるので、ぜひ今回の記事を参考にしていただき、株式投資を始めてみてはいかがでしょうか。

9参考資料

株式投資には、本文にあるように売却益や配当益、さらには株主優待を得られる魅力があります。どの銘柄を選んだら良いかわからないうちは、身近な企業の銘柄や応援したい企業の銘柄を選ぶことをおすすめします。また高配当の銘柄を選んでもいいでしょう。
株式投資では利益が出ることもあれば損失を被るときもあります。もし、株式投資で損失が発生した場合は、その損失をほかの所得と相殺する「損益通算」ができることも知っておきましょう。損益通算を行っても損失が残る場合は、その損失をその後3年間繰り越す「繰越控除」の制度も利用できます。
株式投資を始める際にはある程度の知識を身につけておくことも大切です。ローソク足の見方などを理解しておくことで購入や売却のタイミングを図ることもできます。

また、株式投資を行う証券会社をどこにするかも最終的な利益を左右するポイントです。運用にかかる費用をできるだけ少なく抑えたいなら、ネット証券での口座開設がおすすめです。
img_arai
新井智美
メリットとデメリットのまとめ
株式投資の3つのメリット
  • 配当金(インカムゲイン)がもらえる
  • 売却益(キャピタルゲイン)が期待できる
  • 企業によっては株主優待がある
株式投資の3つのデメリット
  • 元本が保証されていない
  • 企業の破産リスクがある
  • 最初にまとまった資金が必要となる