寒い冬が過ぎ、日差しや空気が温かくなってくると、待ちに待った春の到来です。でも、いつからでしょうか、春の訪れが嬉しいと同時に、ほんの少し寂しく感じられるようになったのは。

きっと、またひとつ成長していく子供たちの後ろ姿に、少しずつ自立のための翼が生えてきているのが見えるからのかもしれません。今、あなたが親として、子どもに伝えたいことはなんですか?

親としてやってあげられること

2月、3月は入学や入園、卒業の準備で慌ただしくされている保護者の方も多いことでしょう。子供たちの成長を実感し、大きな喜びと共に、「うちの子、新しい環境でも大丈夫かな…?」とかすかな不安も感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

子供たちもきっと、大きな期待と同じくらい、不安と緊張を胸に抱えています。そして、私たち親がやってしまいがちなのが、「そんなことしてたら年長さんになれないよ」「これができないと、1年生になれないよ」なんて声かけ。

実はこれ、言ってはいけないNGワード。子供たちは新しい環境へと一歩を踏み出すことに、ますますプレッシャーを感じてしまうのです。

せっかくなら、「嬉しい!楽しい!」という気持ちで送りだしてあげたいもの。必要以上に不安をあおるようなことを言ったり、「これができなきゃいけない」なんてハードルを上げたりせずに、自信を持って新しいスタートを切れるようにバックアップしてあげましょう。

あれだけ待ち望んでいたのに…

特に、子供が幼稚園に入園するという方は、「ようやく子育ての第一関門を突破した」という気持ちでいっぱいになるのではないでしょうか。今まで朝から晩まで子供の面倒を見て、子供から目を離さずに過ごしてきたけれど、4月からは親子それぞれの時間を過ごせる…。筆者もそれが楽しみで、4月になるのを指折り数えて待っていました。

そしてついに初登園の日。筆者の予想に反して我が子はグズることなくあっさりと園バスに乗り込み、ニコニコと笑いながら手を振るのです。ちょっぴり拍子抜けしてしまいました。

離れている間も気が気じゃなかったことを覚えています。「ちゃんとおトイレできてるかな」「お友達と仲良くしてるかな」「泣いたりしていないかな」とアレコレ考えて、お迎えの時間よりもずいぶん早くバス停に行ってしまいました。
我が子はバスから降りるなりひとこと「あ~楽しかった!」

もちろん、こうあっさりと行かない子供も多いでしょう。泣いてママから離れない子、小学校の校門が見えてくると、足の裏に接着剤でも付いたかのように、立ちすくんで歩けなくなってしまう子…。

「ここまでして幼稚園に、学校に行かせるべき?」なんて自問自答しながら、泣きたい気持ちで子供を送りだした…という経験をした方も少なくないでしょうね。それでも時間は過ぎていきます。「あんなこともあったね」と桜の花を見ながら思い出す日がきっとくるでしょう。

大きな世界へと羽ばたきなさい