リオン、2Qで過去最高の売上高・利益 高価格帯補聴器がけん引

2018年11月16日に行われた、リオン株式会社2019年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:リオン株式会社 代表取締役社長 清水健一 氏
リオン株式会社 常務取締役 太内武彦 氏

2019年3月期第2四半期決算のポイント

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太内武彦氏:本日はみなさま、たいへんお忙しいところ決算説明会にご参加を賜りまして、ありがとうございます。私からは、今年度上期の実績の概要をご説明させていただきたいと思います。

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まず、この上期の決算のポイントでございます。お陰さまで、増収増益を達成することができました。上期に限って見ますと、最高の売上あるいは利益を計上することができたということでございます。

その大きな背景でございますが、昨年度に引き続きまして、微粒子計が好調であることが1つ言えると思います。それから、補聴器につきましては、去年(2017年)の8月に高価格帯の補聴器を発売させていただきましたが、これがお陰さまで好評をいただいているということで、この2つが牽引していることがポイントかと思います。

決算ハイライト

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次のページには、この上期の実績の数字が一番左に並んでおります。真ん中が昨年の上期の数字。それから一番右が、今年(2018年)の4月に上期の業績予想ということで発表させていただいた数字。3つ並べてございます。

前年との比較で申し上げますと、一番上のところでございますが、4.4パーセント増収になっていると(いうことです)。営業利益・経常利益、それからいわゆる最終利益のところは前年を5、6パーセント上回るレベルになっている状況でございます。

一番右が、今年の4月に発表させていただきました、当初の決算予想との比較でございます。売上高が103パーセントということで、3パーセント上回るという状況でございますが、営業利益・経常利益、それからいわゆる最終利益については、当初の業績見通しどおりの数字になっているのが、大まかな推移になるかと思います。

営業利益の推移

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昨年度(2017年)の上期の営業利益は、10億円でございました。それがこの(2018年)上期には10億5,000万円というレベルになっているわけですけれども、それがどういうかたちでこの5,000万円(分が)上乗せになったかを、事業部単位で分析している……「分析」って(言うほど)大げさなものではございませんが、図示したものがこれでございます。

左側の医療機器事業部でございますが、売上高が2億1,000万円上振れている一方で、費用(が増えています)。この費用は、売上原価と販管費を足したものとお考えいただきたいと思うのですが、この費用が1億1,000万円増えているということです。医療機器事業部としては1億円、営業利益の嵩上げに貢献しているかたちになるかと思います。

一方、環境機器事業でございます。売上高が1億9,000万円伸びたのですが、一方で費用が2億4,000万円増えているということです。ここに書いてございますが、その主だったものといたしましては、今後開発ならびに販売を予定しております新製品の研究開発に伴う費用が、先行的に出ているとお考えいただければよろしいかと思います。

こういったことで、医療機器事業部・環境機器事業部のプラス・マイナスを合計しますと、この上期で10億5,000万円ということで、(前年同期から)営業利益が5,000万円上積みになっていることになるかと思います。

事業別の概況|医療機器事業

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もう少し、事業部の内容を見てまいります。

医療機器事業部は、補聴器と医用検査機器から成り立っております。この右側に書いてございますが、補聴器については、売上が4.9パーセント増えているという状況です。これは先ほど申し上げましたが、去年(2017年)の8月に発売させていただいた高価格帯(製品の「リオネットシリーズ」)が、引き続き好調だということ。それから、今年(2018年)の8月にさらに新製品を加えています。そういったことがあって、増収に寄与しているということになるかと思います。

医用検査機器でございます。売上が0.7パーセントのダウンでございますが、昨年度は大型の聴力検査室の販売があったということで、若干減ってるわけですけれども、ほぼ昨年並みというレベルになるのかと思います。

左側の図でございますが、下の売上の(グラフの)ところが今申し上げたとおりでございますが、(一方で、折れ線グラフが示す)医療機器事業部の営業利益といたしましては9,800万円ほど増えているのが、医療機器事業部の状況でございます。

事業別の概況|環境機器事業

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次に、環境機器事業でございます。

音響・振動計測器と微粒子計測器からなっております。まず音響・振動計測器の売上でございますが、前年に比べて3.6パーセント減っているということでございます。昨年度、実は大口の案件があったということで、前年と比較しますと減少しているかたちになりますが、決して低いレベルではないと考えております。

それから、微粒子計測器でございますが、(前年同期比)14.9パーセントと大幅な売上増になっている状況でございます。冒頭に申し上げましたとおり、微粒子計は好調でございまして、とくに半導体関連が引き続き好調だと言えるかと思います。

先ほども申し上げましたが、新製品の開発費用……いわゆる先行投資的なものがありますので。その結果が左側の折れ線グラフのところでございますが、営業利益としては前年よりもマイナスしていると(いうことです)。ただ、その前の年、あるいは(さらに)その前の年と比較すると、レベルとしては高い水準にあると言えるのではないかと思います。

連結貸借対照表

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次に、連結貸借対照表でございます。

第1四半期の決算説明会でもご説明申し上げたかと思いますけども、第1四半期の(2018年)6月末の段階で、銀行からの借入金は完済しております。そういう意味で、有利子負債として残っておりますのは、リースの債務だけでございます。

リース債務は4,000万円ぐらいだと思いますけれども、有利子負債という意味ではそこまで圧縮されてきて(いて)、銀行からの借入は0になっているという状況でございます。

こういったことを受けて、純資産が増えているということです。自己資本比率は今年の3月末との比較でございますが、70.4パーセントであったものが、(9月末時点では)72.9パーセントに上がっているという状況でございます。

連結損益計算書

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次のページは、冒頭で申し上げたところでございますので、割愛をさせていただきます。

連結キャッシュ・フロー計算書

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次に、キャッシュ・フローについてご説明を申し上げます。

今年(2018年)の3月末の現金および現金同等物が、38億8,000万円ほどでございました。それが、この9月末では41億1,000万円ということで、2億3,000万円ほどキャッシュが増えている状況でございますが、その要因でございます。

まず、営業活動に伴うC/Fということで、9億7,000万円ほどキャッシュインになっているという状況でございます。一方、キャッシュアウトの要因といたしまして、投資活動に伴うC/Fが4億3,000万円ほどございます。これは、新たに設備・建物等を建てることにかかっており、このぐらいの投資は毎年ございますので、例年並みの投資とお考えいただければよろしいかと思います。

それから、財務活動に伴うC/Fという意味では、3億円のキャッシュアウトになっております。その最たるものは、配当金(の支払が)2億4,000万円。それから、6月末で完済したわけですけども、先ほど申し上げました借入金。これが5、6,000万円ぐらいございましたので、それがキャッシュアウトになっているという状況でございます。

その結果、キャッシュインとキャッシュアウトの差額が2億3,000万円ほどございますが、それが積み上がって、ここの9月末では41億1,000万円というレベルになっている状況でございます。

非常に駆け足でしたが、上期の実績についてご説明申し上げました。

通期予想サマリー

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清水健一氏:それでは私から、通期の業績見通しと今後の事業環境についてご説明させていただきます。

通期予想ということで、決算短信で発表させていただいたものを変更しておりません。今ご説明がありましたように、この上半期で見ますと、期初の決算短信の予想で(見てみると)、上半期で売上高が3億円ほどオーバーしております。

ですが、コストが若干膨らんだもので、そこが打ち消されております。営業利益・経常利益は、上期ではほぼ最初の予想のレベルに着地したということでございます。下期につきましても、当初とそれほど大きく違わないだろうという予想でございます。

現在のところ、期初予想値の206億円という数値を変えておりませんが、上期の貯金がありますから、そういう意味では209億円……ほぼ210億円が見えてきたような予想をしております。

ですが、下期が予想どおりの利益水準になるとすれば、通期はこのまま営業利益で27億円というところは、あまり変わらないだろうと予想しております。内訳としては、医療機器で10億円、環境機器で17億円という利益配分になろうかと思います。

そういうことが実現できた場合には、これは前期に比べて増収増益(であり)、過去最高益を今期も更新するという見込みでございます。

環境機器事業が業績を牽引

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こういった好調な状況を牽引しておりますのは、環境機器事業でございます。

2つの製品群……音響・振動計測器と、微粒子計測器が引っ張っているということでございます。ただ、一昨年から去年(2017年3月期から2018年3月期)の伸びに比べますと、伸びることは伸びるにしても、若干伸び方は穏やかになるということで、このグラフのようなかたちです。

これは営業利益を表していますが、ほぼ倍近く伸びたものが、安定的にこのあとも伸びていくだろうということでございます。今期が終わると、17億円程度の営業利益を見込んでいるということでございます。

【微粒子計測器】半導体が成長ドライバーに

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インフラ関係・半導体といったものの需要がまだまだ続くということで、まず微粒子計測器からご説明いたします。

今は半導体が、市場では少しブレーキがかかったという分析もありますが、当社にきている注文には、まったくそういう傾向がございません。非常に今は好調な状態で、受注を続けております。

そう申しますのは、他社に先駆けて発売しました、この30ナノメートルの微粒子を測定できるというこの機械(液中パーティクルカウンタの「KS-19F」)が、今は市場から非常に求められているということで、現場でのニーズが未だに続いている状況でございます。社内でも生産設備を若干増強して、生産を続けているところでございます。

その画面の右下にありますように、今後も半導体製造装置の需要は伸びていくだろうと期待しております。当社も、この30ナノメートルの粒計よりもさらに小さな粒子を測れる新製品の開発を、続けているところでございます。

【微粒子計測器】ライフサイエンス分野に注力

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そしてもう1つ、この微粒子計測器の分野で、半導体以外に今当社が着目しておりますのは、微生物の分野です。生物粒子計数器を、この微粒子計測器の1つの別の用途のために開発しました。こちらは今、飲料関係・医療・製薬業界にアピールをしているところでございます。

先日もこの計数器に関するセミナーを開きましたところ、飲料・医療・製薬といった予想していた業界以外……例えば建築もしくは電気メーカーであったり、さまざまなところで、この微生物(の分野)でいろいろと困っているお客さまがいらっしゃることがわかりました。

従来であれば「培養法」と言いまして、シャーレの上で何日間か微生物の様子を見て、そこで繁殖していくかどうかというチェックの仕方しか、なかったわけです。

当社のこの機械を使いますと、リアルタイムで微生物の存在がわかるということで、これからの市場へ膨らんでいくだろうと考えております。

また同じように、微生物以外に再生医療市場……「ライフサイエンス」と言ってますが、いろいろなところへ、この当社製の微粒子計測器の市場を今後拡大していくことに、取り組んでございます。

【音響・振動計測器】国内インフラ投資で好調

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それから、もう1つの環境機器関係の製品には、音響・振動計測器という騒音系・振動系の分野がございます。

こちらは、現在東京オリンピック関連のインフラ投資が盛んでございまして、それに伴って「騒音・振動を監視しよう」ということで、お客さまからたくさんのご注文をいただいております。この2020年を1つのピークとして、こういった需要が国内で高まっている(ということです)。

それから、もう1つ注目していますのは、これは2027年の予定ですが、リニアモーターカーが開業いたします。そのリニアモーターカーの工事につきましても、やはり騒音・振動等、いろんな問題が出てきます。それに対して当社製品が活躍する場が、今後も予定されているという状況がございます。

【音響・振動計測器】海外市場で販売拡大

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国内はそういうことなのですが、音響・振動の関係につきましては、海外でもやはり市場が拡大していくと見ております。ただいま中国・上海に子会社を設けて、中国国内での振動・騒音……とくに環境だけではなく産業の分野で、いろいろな騒音計・振動計の需要がございます。

もう1つ当社が取り組んでおりますのが、ベトナムへの出資でございます。早ければ今年(2018年)中か来年(2019年)早々には、ハノイのノイバイ空港に、当社の航空機騒音監視装置が設置される予定でございます。

そういった、従来ベトナムにはなかった航空機騒音の監視というシステムを、これからほかの空港にも入れていくようなことも取り組んでございます。そういったことで、この環境計測関係は、順調に伸びているということでございます。

【補聴器】複雑化した市場で需要を喚起する

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一方、医療機器です。とくに補聴器関係になりますが、この左側の青い棒グラフ(をご覧ください)。これは、日本補聴器工業会から出ている、国内の補聴器出荷台数の推移です。2014年に比べまして、2015年は出荷台数が増えたんですが、その後少し足踏みをしております。

実際のこの足踏みの理由は、はっきりとは分析できておりません。補聴器を必要とされる高齢者の人口は増加を続けておりますので、人口の増加からすると、もう少し伸びても良さそうなものですが。

これは想定ですけれども、補聴器の「類似品」……補聴器工業会には加盟していない、補聴器とは呼べないもの、医療機器としての補聴器ではなく「集音器」という、単に音を大きくするだけの、耳に装着する機器。こういったものが、安価な商品として出回っている。本来であれば補聴器を使わなければならない方々が、そういう製品に流れていることが、1つ想定されます。

ですが、当社はそういう補聴器とこういった機械との差別化を、すごく重要に考えております。補聴器は、やはり医療機器として耳を守るものであり、ただ単に音を大きくすることによって、かえって耳を悪くしてしまうようなことがないように、お医者さまの管理のもと、補聴器は適正に調整して使うべきだと訴えているわけでございます。そのために耳鼻科のドクターと協力をしたり、業界で補聴器の啓蒙活動をしたり。そういったことが、若干功を奏してきているとは思います。

この現在進行中の2018年につきましては、第3四半期までの日本補聴器工業会からの出荷台数の速報によりますと、前年度を上回って4パーセントぐらいの伸びで出荷が増えているという報告があります。

ですから、このグラフ……もう1本右側(2018年)に、少し高いもの……このままの売れ行きが続けば、おそらく国内で58万台ぐらいの結果になろうかということで、現在盛り返しているところでございます。

そういった環境の中で、当社といたしましては戦略的な新規出店や新しい補聴器の専門店を(進めており)国内に400店舗(の出店を)もうすぐ達成する直前でございます。こういった補聴器を専門店で販売することによって、対面販売でお客さまへのサービスを高めて、最終的にユーザーを拡大をしていくことに取り組んでおります。

この8月にも、補聴器の新製品を発売いたしました。スマートフォンで調整する機能をつけたり、GPSで補聴器の在り処がわかるようにしたりとか、そういったことで、今後も補聴器(事業)の増収増益(への貢献)に取り組んでまいります。

【補聴器】新たな市場を創造し、飛躍を目指す

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その中で、当社が今「もしかしたら新しい市場ができるのではないか」と期待しておりますのが、「軟骨伝導補聴器」です。これは、従来の耳の中に入れるイヤホンが振動子に変わっています。

この写真では少し見にくいんですけれども、茄子のような格好をしたものが補聴器です。その隣にある、肌色の四角いもの。これはまだ実験器ですけれども、こういったものをイヤホンの代わりにつけることによって、耳の穴を塞がずに音を聴くことが可能になります。

従来の骨(伝)導とはまったく別の「軟骨導」というやり方で、耳の穴が塞がっているケースでも音を聴くことができます。現在は病院で販売と(なっております)。先生がこれを治療のために使うというケースのみ、今は販売しております。

これをさらに拡大して、一般のユーザーまで使えるように、もしくは世界中でこれが使えるように……ということができましたならば、大きな成果になろうかということで、これについては一般使用を目指して開発を続けているところでございます。

中期の数値目標

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最後になりますが、このあと中期の数値目標です。

営業利益で30億円を超える、売上高でも220億円ぐらいを目指していくということで、今申し上げたような取り組みをしております。このあとも、かたちとしては環境機器の利益率が高い状況が続く。医療機器は、一定の売上高を確保するベースをつくっていく。そういったかたちで、この目標を達成したいと考えております。

私からは以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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