日本の平均年収は460万円です。単純に12カ月で割ると、ひと月38万3333円となります。
老後も同じくらいの収入があれば良いのですが、月38万円もの年金を受給する人は、ほんの一握りでしょう。
厚生労働省の資料によると、月額30万円以上の年金を受けとる人は、厚生年金受給権者全体の0.09%でした。
いまのシニア世代の平均年金月額は、国民年金が5万7584円、厚生年金(国民年金を含む)が14万6429円(2023年度末現在)。手厚いといわれる厚生年金でも、国民年金を合わせて月額15万円に満たない状況です。
では、厚生年金(基礎年金を含む)の月額が「10万円未満の人」と「20万円以上の人」ではどちらの割合が多いと覆いますか?確認していきましょう。
1. 日本の公的年金(国民年金・厚生年金)は2階建て構造
公的年金の支給日は基本的に2か月ごとの15日ですが、支給日が土日祝日にあたる場合は、その直前の平日に前倒しして支給されます。
日本の年金制度は、「基礎年金(国民年金)」をすべての国民が対象とし、その上に会社員や公務員が加入する「厚生年金」が重なる2階建ての構造となっています。
それぞれの制度の特徴を確認していきましょう。
1.1 国民年金(1階部分)の基本概要をおさらい
- 加入対象:日本に住む20歳以上から60歳未満の全ての人が原則加入
- 年金保険料:全員一律(※1)
- 老後の受給額:40年間欠かさず納めれば満額(※2)
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被保険者:第1号~第3号に分かれる(※3)
※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円
※3 第1号被保険者は農業者・自営業者・学生・無職の人など、第2号被保険者は厚生年金の加入者、第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者
1.2 厚生年金(2階部分)の基本概要をおさらい
- 加入対象:会社員や公務員、またパート・アルバイトで特定適用事業所(※4)に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
- 年金保険料:収入に応じて決まり(※5)、給与からの天引きで納付
- 老後の受給額:加入期間や納めた保険料により個人差あり
- 被保険者:第1号~第4号に分かれる(※6)
※4 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※5 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※6 第1号は、第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人、第2号は国家公務員共済組合の組合員、第3号は地方公務員共済組合の組合員、第4号は私立学校教職員共済制度の加入者
次章では、国民年金・厚生年金それぞれの平均年金月額を、厚生労働省の一次資料を参考に確認していきましょう。