株式市場の振り返り-日経平均株価は3日ぶり反落、SQ清算値確定直後から急落

2018年12月14日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,374円(▲441円、▲2.0%) 3日ぶり大幅反落
  • TOPIX 1,592.1(▲24.4、▲1.5%) 3日ぶり大幅反落
  • 東証マザーズ総合指数 942.0(▲18.6、▲1.9%) 3日ぶり大幅反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:252、値下がり銘柄数:1,826、変わらず:50
  • 値上がり業種数:1、値下がり業種数:32
  • 年初来高値更新銘柄数:8、年初来安値更新銘柄数:151

東証1部の出来高は18億7,153万株、売買代金は3兆1,637億円(概算)となり、いずれも前日より大幅増加となりました。特段大きなニュースはありませんでしたが、メジャーSQ値算出に伴う売買が下支え要因となり、売買代金は3兆円を超えました。ただ、メジャーSQ算出にしてはやや物足りない商いだったと見られます。

そのような中、日経平均株価は大幅反落となりました。寄り付き後しばらくは小幅安程度でしたが、SQ清算値が確定した前場の半ばから急落となり、同終盤には一時▲462円安まで下落する場面が見られました。

後場に入ってやや持ち直したものの、大引けにかけて再び下げ幅を広げ、結局は安値引けに近い水準で終わっています。

なお、TOPIXも同じような値動きで大幅反落となりましたが、下落率は日経平均株価より小幅に留まりました。これは、日経平均株価を構成する大型株への売りが優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ総合指数は3日ぶり大幅反落、売買代金は10日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,835万株、売買代金は853億円となり、いずれも前日より増加しました。前日より増えたものの、ソフトバンクの大型IPOを控えてか、模様眺めムードが強まって盛り上がりに欠けた商いとなりました。売買代金は10日連続で1,000億円割れとなっています。

また、総合指数も▲2%安に迫る大幅下落となり、3日ぶりの反落でした。終値は依然として1,000ポイントを大きく割り込んでおり、今後は個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。

東京エレクトロンとファナックが年初来安値更新、MUFGなど金融株も大きく売られる

個別銘柄では、主力大型株は総じて大きく売られましたが、とりわけ、東京エレクトロン(8035)が▲5%超安の急落となり、大幅安となったファナック(6954)とともに年初来安値を更新したのが目を引きました。

また、ソフトバンクグループ(9984)が▲5%安に迫る大幅下落となり、エーザイ(4523)が▲5%超安の急落となり、テルモ(4543)も大幅安になるなど、医薬品株の一角も下げがきつかったようです。

さらに、金融株も下落が目立ち、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が年初来安値更新となり、野村ホールディングス(8604)など証券株も大きく値を下げました。

その他では、不正融資問題の処理に追われるスルガ銀行(8358)が大幅下落で再び年初来安値を更新(約15年9カ月ぶりの安値水準)したのが注目を集めたようです。

一方、武田薬品工業(4502)がわずかながら上昇する逆行高となり、三菱地所(8802)も大幅高となる値動きとなりました。

また、ニトリホールディングス(9843)、三越伊勢丹ホールディングス(3099)など小売株の一角も堅調に推移した他、東京電力ホールディングス(9501)など電力株も値を上げています。

新興市場(東証マザーズ)では、メルカリ(4385)が一時▲8%超安の急落となり、終値でも大幅安となって年初来安値を更新しました。また、CYBERDYNE(7779)とキャリア(6198)も連日の安値更新となっています。

一方、サンバイオ(4592)が反発となり、農業総合研究所(3541)は連日の年初来高値更新となりました。

葛西 裕一