日本空港ビルデング、TIATの連結子会社化により2Qは売上高・営業益が大幅増加

2018年11月13日に行われた、日本空港ビルデング株式会社2019年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:日本空港ビルデング株式会社 代表取締役社長執行役員兼COO 横田信秋 氏

1.2019年3月期第2四半期 連結決算総括①

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横田信秋氏:おはようございます。代表取締役社長の横田でございます。本日はご多忙のなか、弊社の2019年3月期第2四半期決算説明会に多数お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

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私から連結決算の総括、今期の連結業績予想、そして現在進めております中計の取り組み状況についてご説明したいと思います。

それでは2ページをご覧ください。はじめに、2019年3月期第2四半期の連結決算についてご説明いたします。

今期の事業環境といたしましては、国内線、国際線ともに旅客数の増加は続くものの、7月以降は自然災害等の影響で増加率が鈍化し、また、訪日外国人の旅行消費額に占める買物代が減少に転じる状況となりました。

日本政府観光局の訪日外国人数統計によりますと、4~6月の3ヶ月間での全国の訪日外国人数は、前年同期比で約14パーセント増加いたしましたが、7~9月の3ヶ月間では、約1パーセント増と大きく鈍化し、とくにこの9月には、5年8ヶ月ぶりに前年同月を下回りました。

また、訪日外国人の旅行消費額に占める買物代は、観光庁の訪日外国人消費動向調査によりますと、前年同期比約10パーセントの減少で、とくに7月以降は減少幅が増幅し、厳しい環境となりました。

羽田国内線旅客数は、自然災害の影響で9月に前年同月を下回ったことや、航空機材のエンジン点検による欠航の影響で、当初予想は下回ったものの、前年同期比で0.6パーセントの増加となりました。

国際線旅客数は、関西国際空港については台風被害による空港閉鎖の影響で当初予想を下回りましたけれども、羽田空港、成田空港、中部空港は、いずれも関西からの振り替えなどもあり、当初予想を上回る結果となりました。

具体的な各空港の旅客数の実績は、資料のとおりでございます。

1.2019年3月期第2四半期 連結決算総括②

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3ページをご覧ください。こうした事業環境のなか、今期は経営課題として3つのテーマを掲げて取り組んでまいりました。

まず、本年4月27日に、東京国際空港ターミナル株式会社(TIAT)を連結子会社化いたしまして、今年度上期の実績からTIATの業績を連結財務諸表に取り込んでおります。

TIATの連結子会社化による効果の具現化と影響の適正化を図るうえで、災害の発生など有事における協力と連携体制の強化や、お客さまへの一層のサービスレベルの向上に向けた一体的なCS活動を推進することに加えまして、ITシステム統合などによる業務効率の改善、意思決定の迅速化に取り組んでおります。

次に、環境変化への迅速な対応といたしましては、本年7月2日に100パーセント子会社の株式会社羽田未来総合研究所を設立いたしました。当社グループの強固な支持基盤の確立に向けて対応するほか、IT活用によるeコマースなどの取り組みを進めておりまして、今後の空港での小売業のあり方について、検討を進めております。

市中免税につきましては、主要顧客である中国人に人気の化粧品ブランドの充実や、広告宣伝活動を強化するなどの、さらなる改善を進めているところでございます。

1.2019年3月期第2四半期 連結決算総括③

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4ページをご覧ください。2019年3月期第2四半期の連結業績につきましては、TIATの連結子会社化によりまして、売上高、営業利益は大きく増加しました。また、連結子会社化にあたり発生する一過性の特別損益が発生いたしました。

商品売上におきましては、7月以降に免税店での商品売上の鈍化が見られましたが、増加傾向は続きました。その結果、表の赤枠に記載のとおり、売上高は1,374億円、営業利益は129億円、経常利益は117億円、当期純利益は282億円となりました。

なお、資料のTIAT連結に伴う影響額とは、今までの当社の連結財務諸表に対しまして、TIATの連結子会社化の影響がどれだけ生じているかをお示ししております。今期は連結子会社化の影響を除きましても、前年同期比で増収増益となっております。

売上高をセグメント別に前年実績と比較しますと、施設管理運営業ではTIATの連結子会社化による国際線の家賃収入や施設利用収入などが加わったことや、国内線有料待合室ラウンジ収入などの増加によりまして、売上高は406億円となり、123億円の増収でした。

物品販売業では、連結子会社化による影響に加えまして、空港免税店や市中免税店での商品売上増と、羽田空港の到着時免税店、中部空港での新規店舗開業などによりまして、売上高は865億円、166億円の増収でした。

飲食業では、羽田国際線での飲食店舗売上が増加したことなどによりまして、売上高は102億円、3億円の増収となり、売上高合計では1,374億円、293億円の増収となりました。

利益面では、営業利益での売上高の増収と、連結子会社化による営業利益の取り組みによりまして129億円、62億円の増益となりました。経常利益は、前期までのTIATの持分法投資利益がなくなったことと、TIATの支払利息が加わりまして、117億円となり、30億円の増益にとどまりました。当期純利益におきましては、連結子会社化に伴う一過性の特別損益により282億円で、220億円の増益となりました。

また、本年5月に発生しました当初予想との比較では、売上高は自然災害などの影響はあるものの、国際線の施設利用料による収入や、商品売上高が予想を上回りました。

とくに商品売上では、9月の関西国際空港の一時閉鎖で直営店舗の営業禁止による減収がありました。しかし、羽田、成田、中部の各空港での商品売上が、増便などの影響で増加して、9月単月の商品売上は前年実績、当初予想ともに上回る結果となりました。

利益面につきましては、商品売上などの増収に伴う増益に加えまして、上期に予定していました修繕費や業務委託費の一部での費用の発生時期が下期に変更になったことで、営業利益は上振れいたしました。

2.2019年3月期 連結業績予想①

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5ページをご覧ください。通期の業績予想についてご説明いたします。

下期の事業環境につきましては、海外経済の不確実性や、自然災害の影響によりまして、訪日外国人の需要が下振れるリスクを懸念しているものの、旅客数は増加するものと見込んでおります。

また、訪日外国人は中国人をはじめといたしまして、全体として買物代に減少傾向が見られますけれども、空港免税店では引き続き売上増を見込んでおります。

9月の訪日外国人は前年同月を下回りましたけれども、東アジア地域に限定されておりまして、東南アジアや欧米諸国からの訪日需要は増加していることから、引き続き訪日外国人数は増加するものと見ております。

商品、売上におきましても、足元の10月で前年同期比を上回っておりますし、新規店舗展開による増収効果や、より一層の営業施策の強化によりまして、さらなる増収を見込んでおります。

通期の旅客数の予測につきましては、資料のとおりでございます。なお、下期の旅客数予測では、9月の災害等の影響は限定的なものと想定しております。

2.2019年3月期 連結業績予想②

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6ページをご覧ください。次に、今期の経営課題に対する下期の方向性についてご説明いたします。

TIAT連結子会社化による効果の具現化と影響の適正化では、より一層、一体的な関係のもとで、国内線・国際線ともに、利用者利便のさらなる向上を目指します。運用面でのシステム統合などで、効率的な業務推進体制を構築してまいります。

環境変化への迅速な対応では、ハード、ソフト両面で2020年に向けた本格準備を進めていくとともに、今回の災害の影響から、外部環境リスクを考慮して、コスト水準と利益計画確保のバランスを重視しながら、停滞なく各種取り組みを進めてまいります。

市中免税店のさらなる改善につきましても、2020年度の計画数値達成に向けた営業施策の展開も進めてまいります。

2.2019年3月期 連結業績予想③

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7ページをご覧ください。通期の連結業績予想となります。

全体としては旅客数の伸びが続くことを見込み、さらなる売上増を見込みますが、羽田国際化対応の本格化や、第1ターミナルのリニューアル工事に着手したことで、費用負担が増加することを見込んでおります。

とくに、下期の費用面におきましては、上期から先送りになりました一部費用の発生があるほか、2020年に向けたさまざまな取り組みが本格化するなかで、旅客ターミナルの施設整備で新規工事案件の発生などによる修繕費の増加や、人財確保に伴う人件費の増加によりまして、当初計画を上回ることを見込んでおります。

次に、配当につきましてご説明したいと思います。

第2四半期末の予想配当金は、1株当たり21円と予想しておりましたが、上期業績は当初予想を上回りましたので、2円増配して1株当たり23円とさせていただきました。

また、期末配当につきましては、下期の旅客動向などで不透明なところもあることから、当初の予想配当金を据え置くことといたしました。年間配当金は前回予想から1株当たり2円増配をさせていただいて、前年と同額の44円とさせていただきたいと考えております。

年間の配当性向につきましては、TIATの連結子会社化に伴う一過性損益である負ののれん発生益などから、税効果考慮後の金額を除いて算出しまして、32.2パーセントとなります。

当初の配当基本方針である、安定的な配当を維持していくという考え方に基づきまして、配当性向につきましては極力30パーセント以上を確保したいと考えております。今後も、業績見通しなどの諸条件を総合的に勘案して決定することといたします。

2.2019年3月期 連結業績予想④

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8ページをご覧ください。ここでは、通期の連結業績予想につきまして、TIATの連結子会社化に伴う影響額を、当初予想と修正予想のそれぞれについてお示ししたものでございます。

2.2019年3月期 連結業績予想⑤

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9ページをご覧ください。ここでは、通期業績予想をセグメント別にお示ししております。

8ページと同様に、TIATの連結子会社化に伴う影響額も含めてお示ししております。なお、セグメント別の営業利益や、外国人旅客の国籍別購買動向などの情報につきましては、補足資料をご覧いただければと存じます。

3.中期経営計画の進捗①

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10ページをご覧ください。次に、当社の2016年度から2020年度までの5年間を経過期間とする、中計の進捗状況についてご説明いたします。当社の中期経営計画は、「To Be a World Best Airport 2020」と長期的な経営ビジョンを掲げまして、「羽田空港の“あるべき姿”の追求」「強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化」「収益基盤再構築・競争優位の確立」を戦略の三本の柱とする成長戦略を実現していきます。さらに、これを支える実践基盤である、組織・人材・ガバナンスの再編・強化を図っていくこととしています。

今期も引き続き、基本的な取り組みの方向性には変化はございません。資料には、今期の取り組みを記載いたしました。太字で下線を引いてある項目につきましては、11ページ以降の資料で個別にご説明いたします。それ以外の取り組みにつきまして、簡単にご説明いたします。

「強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化」として取り組んでいる、羽田空港の跡地第1ゾーンの開発事業についてです。当社も構成員として参画する、鹿島建設株式会社を代表企業とするSPC特別目的会社、羽田みらい開発株式会社が去る10月31日に起工式を行い、2020年の街開きを目指して、施設整備を開始いたしました。

「羽田空港の“あるべき姿”の追求」では、SKYTRAX社の実施する「Global Airport Rating」におきまして、今年も世界最高水準である「5スターエアポート」を獲得いたしました。これで5年連続して「5スター」という、高い評価をいただくことができました。これもひとえに、ご利用いただく方々をはじめ、関係者のみなさま方のご指導の賜物と、深く感謝申し上げる次第でございます。

「収益基盤再構築・競争優位の確立」を目指して取り組んでいる国内線のラウンジのリニューアルは、「POWER LOUNGE」と名称を変えまして、デザインやサービスの内容を一新し、利用されるみなさまに大変好評を得ているところでございます。

3.中期経営計画の進捗②

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11ページをご覧ください。次に、中期経営計画の取り組みを個別にご説明いたします。「強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化」として戦略的に取り組んでいる、市中免税事業の収益拡大策の進捗と、空港免税店における中国人旅客の購買動向について、ご説明いたします。

市中免税事業では、今期に入りましても引き続き、中国人を中心に購買客数が増加しました。昨年7月に導入して商品売上に大きく貢献した、消費税免税販売場の面積を広げたことと、国内外で広告宣伝を強化したことで、業績は堅調に推移いたしました。上期の業績は、売上高が前期比42.2パーセント増の52億円。営業利益も4億円の黒字となりました。

下期は、消費税免税販売場の導入効果が一巡することもあり、通期予想は当初予想比で6億円増の101億円を予想していますが、引き続きSNSでの動画の配信など、ターゲットニーズに沿った広告宣伝を強化するなど、営業施策に努め、さらなる売上増を目指してまいります。

次に、訪日外国人の消費動向調査におきまして、中国人の買い物代に減少傾向が見られている状況を踏まえまして、空港免税店の動向についてご説明いたします。資料では、羽田空港の国際線と成田空港の当社直営免税店での、レジ売りベースでの、中国人による商品売上高と、購買単価の推移をグラフにいたしました。いずれの空港でも、売上高につきましては、2016年度から2018年度にかけまして、緩やかな増加傾向が続いています。

また、購買単価の水準についても、高い水準を維持していることがご覧いただけるかと思います。こうした収益拡大は、訪日外国人が増加したことに加えまして、さまざまな営業施策によるものと見て取れることから、今後も引き続きマーケティングの強化を図ってまいりたいと考えています。

3.中期経営計画の進捗③

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12ページをご覧ください。続いて、「羽田空港の“あるべき姿”の追求」として取り組んでいる国際線の施設拡張工事は、2020年3月に向けまして、国内線側・国際線側ともに計画どおりに進捗しています。また、この工事の一環として進めていました第2ターミナルの北サテライトが、12月に供用を開始いたします。これにより、国内線の搭乗ゲートを整備することで利便性の維持・向上に努めています。

また10月より、第1ターミナルの到着階のリニューアル工事にも着手いたしました。これは中期経営計画で盛り込んでいました、2020年以降も見据えた、空港ターミナルの環境の向上や、ターミナル間のサービスレベルの均質化を目的としています。東京オリンピック・パラリンピック競技大会への確実な対応としての、バリアフリー対策・環境整備・バス待合室スペースの整備などを行います。

今期の投資計画では、TIAT部分を含め、640億円を計画していました。しかし、TIATの既存施設への投資や、廃棄物処理施設の増設工事などで実施時期の変更が生じたため、今期の通期での見込みを70億円減額し、570億円に下方修正いたしました。減額した70億円は、現中期経営計画中に実施いたしますので、中期経営計画における5年間の総投資額である1,750億円に変更はございません。

3.中期経営計画の進捗④

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13ページをご覧ください。次に、株式会社羽田未来総合研究所の取り組みをご説明いたします。羽田空港は国内線最大のハブ空港として、2010年の国際化以降、インバウンドの誘致・地域観光促進の期待が高まってまいりました。2020年の国際線の発着枠拡大によりまして、国内外へのハブ空港として、その役割がより一層大きくなっています。

株式会社羽田未来総合研究所は、この羽田空港の場を活用した新たな価値の創造を目指し、設立されました。当社グループが有する経営資源とノウハウをフルに活用し、地域の産品や芸術・文化、日本の優れた技術などの情報発信拠点として、あらゆるコンテンツのハブ機能を構築することで既存事業を強化し、新規事業の創造につなげていきたいと考えています。

3.中期経営計画の進捗⑤

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14ページをご覧ください。次に、「収益基盤再構築・競争優位の確立」として、大きな課題でありました空室の活用策について、ご説明いたします。かねてより準備を進めてまいりました、「THE HANEDA HOUSE」が12月中旬にグランドオープンを迎えます。「THE HANEDA HOUSE」は、空港での時間を有意義にお過ごしいただくことをコンセプトに、空港での過ごし方の新たな選択肢をご提案するものでございます。

具体的には、ゴルフスタジオやレンタルオフィス、またオーダーメイドスーツ、ヘッドスパ、マッサージフィットネスなど、空港ターミナルを利用するあらゆる人たちに、コト消費を楽しんでいただける施設をご用意いたします。

このように、航空会社への貸室増に加えまして、空港で提供するサービスの多様化に対応する空室活用により、羽田空港の魅力を高めるとともに、不動産事業における収益の最大化を図ってまいりたいと思います。

3.中期経営計画の進捗⑥

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15ページをご覧ください。次に、中期経営計画における収支計画・ガイドラインの考え方についてご説明いたします。まず、現在掲げています2020年度の収支計画・ガイドラインにつきましては、達成することを視野に、残りの計画期間の事業戦略を推進してまいります。

一方で、2019年度・2020年度の具体的な収支計画につきましては、訪日需要の拡大や、物品販売での堅調な売上増があるものの、自然災害の発生などによる訪日需要の減少リスクや、訪日外国人の消費動向など、事業環境の不確実性が高い状況にあります。

2019年度・2020年度の計画につきましては、これらの動向を見据えてさらなる精査を行いまして、来年の5月にご説明いたします。見直しにあたりましては、2018年度の売上高水準を上回る計画を目指してまいりたいと思います。

最後になります。最近のできごととして、9月の関空での浸水被害や、札幌千歳空港での地震災害など、空港ターミナルを管理・運営する上で根幹となる安全性に対しまして、ご心配をおかけするような事案が立て続けに起きました。

当社グループにおきましては、管理する羽田空港国内線・国際線ターミナルにおきまして、経営方針に「絶対安全の確立」を掲げています。日々「安全・安心」にご利用いただけるように、役職員一同、一丸となって、全社を挙げて取り組んでいますので、安心してご利用いただきたいと思います。

当社グループは、公共性の高い空港ターミナルを管理・運営する事業者として、安全・安心につきましては、何より優先して取り組むべき課題と強く認識しています。自然災害リスクでは、ハード面でのさらなる有効な対策も進めていますし、その他、船の事故を防止する対策も念頭に入れて、施設の見直しによる改修も進めています。

今後も、ますます日本の空の拠点として重要な役割を担う羽田空港におきまして、当社グループが空港ターミナルでの安全性の信頼を確立することは、広く日本の国益にもつながる、大事な要素であると考えています。当然のことながら、足元の業績動向をしっかりと把握しつつ、取り組んでいきたいと思います。安全対策への投資は、優先的に先行して行うことで、空港ターミナルの安全性・信頼性を高めつつ、当社グループの企業価値を最大限に上げていく所存でございます。

みなさま方には、ご理解とご支援をいただきたく、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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