老後資金を貯めなければ、と思っている人は多いと思います。これからのことを考えたら、年金はアテにならないかもしれない、自分でなんとかするしかないという危機感のようなものを感じている人もいるでしょう。

でも、老後資金は金額が大きく、貯められる期間が決まっているがゆえに、どう貯めたらいいか悩みますよね。そこで今回は、老後資金の目安と言われる3000万円を目標額として、今から老後資金を貯めていくためにやるべきことを考えてみたいと思います。

3000万円を貯める「手段」を考える

まずやりたいことは、3000万円をどういう方法で貯めるかという手段の検討です。お金を貯める方法というのはたくさんあります。誰もが思いつくのが預金だと思いますが、3000万円もの金額を貯めるのに預金だけではちょっとパワー不足なのも否めません。現状では金利がほとんどつかないので預金で貯める旨みもありませんよね。

老後資金の場合、預金のほかにもお金を貯める方法はあります。たとえば、自分でつくる年金と言われる個人型確定拠出年金のiDeCo。iDeCoは節税効果が高く税金として支払う分が浮くので、さらに貯金に充てられる金額が増えるということです。また、iDeCoでは運用商品の選択肢として預金もありますが、投資信託を利用することもできます。

投資信託なら、年間1%以上の利回りも十分期待できますよね。今は定期預金でも金利は0.01~0.1%ほどなので、単純計算で10~100倍が期待できるというわけです。そう考えると、節税もできてより高い利回りも期待できるので、この制度を活用しない手はありません。

ただし、積み立てられる金額に上限がありますので、自分がいくらまでiDeCoで積み立てられるのか調べてみましょう。iDeCo公式サイトの「カンタン加入診断」のほか、各金融機関が加入資格について簡単に診断できるツールを出していますので、ぜひそちらを利用してみてください。

また、その上限と貯められる金額を調べて、iDeCoで貯められる金額と3000万円との差額をどういう方法で貯めるかも検討しなければなりません。

たとえば、勤めている会社に企業年金の制度がない会社員の場合、月額2万3000円が積み立てられる金額の上限となっています。となると、年間27万6000円、30年間積み立てるとすると828万円となり、3000万円には遠く及びません。となると、残りの2172万円をどう貯めるか。これを考える必要があります。

節税効果という意味で言えば、「NISA」や「つみたてNISA」という手段でもいいでしょう(NISA:少額投資非課税制度)。どちらか一方を選ばなくてはいけないのですが、老後資金のような長期的な資産形成を目的としているのであれば、つみたてNISAのほうがいいでしょう。

非課税枠は年間40万円ですが、非課税期間は20年間なので、総額で800万円まで非課税枠が与えられることとなります。そうすると、あと1372万円をどういう手段で貯めようかと考えればいいことになります。残りはちょっとでも金利が高いネット銀行の普通預金で貯めようとか、会社の財形貯蓄を使おうとか、いろいろなアイデアがあると思います。

このように、まずは3000万円を分解して考えてみて、どういう方法で貯めるのが一番自分にとっておトクかと考えるのがいいでしょう。貯めやすい方法も人によって違いますので、自分が長く続けられて少しでもおトクな方法を模索してみてはいかがでしょうか。

3000万円貯めるためのロードマップをつくる