投資で得た利益が非課税になると言われると、すぐに思いつくのが少額投資非課税制度の「NISA(ニーサ)」ではないでしょうか。しかし、そのほかにも「つみたてNISA」や個人型確定拠出年金の「iDeCo(イデコ)」というものもあります。

この3つ、投資の利益が非課税であるという点においてはよく似ていますが、実はまったく違う特徴をもっており、その人の投資スタンスや投資の目的によって使い分けができるのです。そこで今回は、iDeCoとNISAとつみたてNISAを比較してみました。

iDeCoとNISAとつみたてNISA、いつから始まった?

2014年に始まったのがNISA。その当時は年間の非課税枠の上限が100万円でしたが、2016年1月からは120万円となり、より使いやすくなりました。また特に、2014年のNISA枠が2019年1月からロールオーバーできるということで、より盛り上がりを見せています。

iDeCoの制度が新しくなり、対象者が拡大されたのは2017年1月。ここから、iDeCoという愛称が世間に広まり、「自分で準備できる老後資金」ということで多くの人が利用する制度となりました。

今の国民年金のしくみは、現役世代がおさめている保険料で今の高齢者を支えている形となり、現役世代の負担が重くなっています。さらに少子高齢社会が進むということも言われており、「年金がもらえないかも」と不安に感じる人も多い中で広く普及しました。

そして、つみたてNISAが始まったのは2018年1月。制度としては一番新しく、まだ広く認知されているというわけではありませんが、「つみたて」という言葉に惹かれて関心を持つ人が多いようです。

それぞれの制度の特徴は?

まず、NISAの特徴を簡単におさえておきましょう。iDeCoやつみたてNISAと大きく違うのは、「つみたて」の要素がないというところです。

iDeCoも年払いを選択すれば1回の支払いで年間の枠を使うことになりますが、もともとiDeCoは老後資金のための制度。あくまで将来のための積立という意味合いが強いですよね。一方NISAは、極端な話をしてしまえば、1回で上限まで使い切ることができてしまいます。

また、大きな特徴としては「株式」の投資もできるというところです。iDeCoは投資信託や定期預金、保険などが対象となっており、株の投資はできません。また、つみたてNISAも株式の運用はできません。となると、非課税枠を使って株式投資をしたいという人は、必然的にNISAを選ばざるを得なくなります。

iDeCoの最大の特徴としては、原則60歳まで引き出すことができないという点です。これはNISAにもつみたてNISAにもない特徴ですね。この特徴のおかげで、しっかりと老後資金を貯めることができます。

つみたてNISAでは、投資できる対象が国のお墨付きの金融商品のみに限られているのが特徴です。数多くの投資信託の中から、長期投資に適した商品が選抜されています。

また、非課税投資枠は新規投資額で年間40万円が上限で、月の最低積立額が100円からというネット証券もあります※。少額から始められて、ゆっくり資産を育てていきたいという人に向いた制度であると言えそうです。ただし、NISAとつみたてNISAの併用はできません。どちらか一方を選択する必要があります。

※ほかにも「1000円から」や「1万円から」という金融機関もあります。

まとめ

いかがでしたか。それぞれの制度に大きな特徴があることが分かったと思います。少額でとりあえず積み立てておきたい、という人はつみたてNISA、少額でも長くゆっくりと老後の資金を貯めたいという人はiDeCo、株式の投資をしたいという人はNISAが向いているようですね。自分がどういう投資をしたいか、どういう方針で投資していくかを決めて利用する制度を選びましょう。

 

>>楽天証券のiDeCoについて詳しくみる(初心者でも厳選ファンドから選びやすい)

>>SBI証券のiDeCoについて詳しくみる(品揃え抜群。選べるファンドが多い)

 

LIMO編集部