ファストリ、通期は過去最高業績に 海外UQは19年秋にインド・ベトナムへ初出店

2018年10月11日に行われた、株式会社ファーストリテイリング2018年8月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社ファーストリテイリング グループ上席執行役員 CFO 岡﨑健 氏

【連結】2018年8月期 実績

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岡﨑健氏:CFOの岡﨑でございます。私から、2018年8月期の業績および2019年8月期の業績見通しについて、ご説明をいたします。

スライドの3ページからまいります。

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2018年8月期の連結業績は、売上収益が2兆1,300億円、前期比14.4パーセント増。事業そのものの収益を示す事業利益が2,524億円、同37.2パーセント増。営業利益が2,362億円、同33.9パーセント増。親会社の所有者に帰属する当期利益が1,548億円、同29.8パーセント増と、過去最高の業績を達成することができました。

とくに、海外ユニクロ事業の大幅な増益が貢献いたしました。また、国内ユニクロ事業が期を通して好調な業績となったことによって、第3四半期決算で発表した直近予想を上回る、大幅な増益となりました。

【連結】2018年8月期 営業利益

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まず、連結の損益計算書です。

売上収益は、前期比2,681億円の増収となりました。全セグメントで増収し、とくに海外ユニクロ事業が1,881億円の大幅な増収となっております。

売上総利益率は、海外ユニクロ事業と国内ユニクロ事業で改善したことで、0.5ポイントの改善となっております。売上高販管費率も、1.5ポイント改善いたしました。

これにより、事業利益は2,524億円と、37.2パーセント増となりました。

その他収益・費用は、グローバルブランド事業はユニクロ店舗の減損損失などを計上したことから、162億円のマイナスとなっております。

これらの結果、営業利益は2,362億円、33.9パーセント増の増益となりました。

【連結】2018年8月期 親会社の所有者に帰属する当期利益

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次に、金融損益です。

ネットで64億円のプラスとなりました。これは、受取利息および支払利息をネットでプラス43億円、外貨建資産などの換算による為替差益を21億円計上したことによります。

この結果、税引前利益は2,426億円と25.5パーセント増、親会社株主に帰属する当期利益は1,548億円、29.8パーセント増となりました。

2018年8月期 セグメント別 実績(1)

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セグメント別の業績は、6ページのスライドのとおりです。

2018年8月期 セグメント別 実績(2)

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海外ユニクロ事業の売上収益は8,963億円と、国内ユニクロ事業を超えることができました。また、海外ユニクロの事業利益は1,206億円と、国内ユニクロを若干上回りました。

営業利益については、国内ユニクロに2億円およびませんでしたが、ほぼ同水準にまで拡大をしております。各セグメントの詳細については、次のスライドからご説明いたします。

【国内ユニクロ事業】2018年8月期 実績

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まず、国内ユニクロ事業の通期の業績です。

売上収益は8,647億円、前期比6.7パーセント増。営業利益は1,190億円で同24.1パーセント増と、第3四半期に発表した直近計画を上回る増収増益を達成いたしました。

第4四半期は、値引きの強化による営業利益の悪化を予想しておりましたが、(2018年)8月に猛暑となったことから、売上と粗利益率が計画を上振れした結果、下期の営業利益は計画を上回る、2桁の増益となりました。

【国内ユニクロ事業】売上収益の状況

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国内ユニクロ事業の売上です。

既存店売上高は期を通して好調で、前期比6.2パーセント増となりました。また、Eコマースの通期の売上は630億円、同29.4パーセント増と順調に拡大し、売上構成比は6.0パーセント

から7.3パーセントへと高まっております。

【国内ユニクロ事業】売上総利益率

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次に、通期の売上総利益率です。

48.4パーセントと、前期比で0.4ポイント改善いたしました。これは、直近の計画を若干上回る水準となっております。

社内の為替レートが円安傾向にあったため、原価率の上昇が続いておりますが、上期は冬物商品の販売が好調で、在庫処分による値引きロスが減少したことにより、原価率の上昇分を吸収し、粗利益率は前年同期比で0.8ポイント改善いたしました。

一方、下期の粗利益率は、前年同期比で0.2ポイント低下いたしました。これは、原価率の上昇が続いていることに加え、第4四半期に値引き販売を強化した影響によります。

ただし(2018年)8月の販売が好調だったことで、第3四半期に発表した直近の計画に対しては、若干上回っております。

【国内ユニクロ事業】販管費

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通期の経費比率は34.5パーセントと、前期比1.6ポイント改善しております。下期も、金額ベースで計画どおりの削減ができております。

まず、人件費です。売上比率は、前期比0.3ポイント改善いたしました。時給や賞与などで、従業員の待遇をさらに改善したことによる人件費増がありましたが、店舗作業の効率化やRFIDの電子タグ導入により、生産性が向上いたしました。

物流費は、同0.4ポイント低下いたしました。これは、店舗関連の物流費が削減できたことによります。サプライチェーン全体での商品の動きが、詳細に把握できるようになってきており、在庫の適正なコントロールができたこと、倉庫オペレーションの改善が進んだことによるものです。

ただし、Eコマース関連の物流費は、Eコマース販売の拡大にともない上昇しております。広告宣伝費は、同0.6ポイント改善いたしました。これは、チラシ・新聞広告・店内販促物の効率化によるものです。

【海外ユニクロ事業】2018年8月期 実績(1)

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ここからは、海外のユニクロ事業についてご説明をいたします。

海外ユニクロ事業の通期の売上収益は8,963億円、前期比26.6パーセント増。営業利益は1,188億円、同62.6パーセント(増)と、大幅な増収増益を達成いたしました。

海外ユニクロ事業は、すべての地域で営業利益率が改善しており、収益力が高まってきております。これは、各地域で販売計画の精度が向上したことにより値引率が低下し、粗利益率が改善したこと、経費コントロールによって経費比率が大幅に改善したことによります。

【海外ユニクロ事業】2018年8月期 実績(2)

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13ページのスライドで、ユニクロ事業の地域別の売上収益を示しております。

グレータチャイナの売上収益は、日本の約半分の規模にまで成長し、これに加えて東南アジアとオセアニアの成長が著しく、これらの地域の重要性が高まっております。

東南アジアは出店を加速するとともに、2019年秋にはベトナムに進出し、ますますの拡大を見込んでおります。

また、後ほど柳井(正氏)から話がありますように、2019年秋に進出するインドは、グレーターチャイナや東南アジアに匹敵するポテンシャルの高い市場であり、今後の成長が期待できると考えております。

【海外ユニクロ事業】エリア別(1)

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次に、各エリアの業績トレンドについてご説明いたします。

グレーターチャイナの通期の売上収益は4,398億円、前期比26.9パーセント増。営業利益は737億円、同47.1パーセント増と、大幅な増収増益を達成いたしました。営業利益率は16.7パーセントと、同2.3ポイント改善しております。

まず、中国大陸です。通期の営業利益は大幅な増益で、高成長を維持しております。ユニクロの「LifeWear」のコンセプトが浸透したこと、華東・華北・華南のエリアごとの商品構成が確立できたこと、気候に恵まれたことなどによって、期を通して既存店売上高は増収が継続いたしました。

下期は、「UT」や「感動パンツ」の販売が好調で、既存店売上高は2桁増収となっております。Eコマース販売も2桁増収と好調で、売上構成比は15パーセントに上昇しております。

また、販売計画精度の改善や購買プロジェクトなど、値引率や経費比率コントロールのための取り組みに成果が出始めており、収益力も大きく改善いたしました。

香港・台湾の通期の業績は、粗利益率の改善、経費コントロールにより、増益を達成しております。

【海外ユニクロ事業】エリア別(2)

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次に韓国も、期を通して好調な業績が続き、通期の営業利益は大幅な増益を達成いたしました。既存店売上高は、上期・下期ともに増収、値引率も大幅に改善しております。

東南アジア・オセアニア地区は、期を通して好調で、通期の営業利益は大幅な増益を達成いたしました。売上規模は約1,400億円、営業利益率は約15パーセントと、前期比で改善しております。

東南アジアでは、「UT」やショートパンツなどの夏物商品や、トラベル需要を捉えた冬物商品の販売が好調で、既存店売上高の2桁増収が下期も継続しております。

ユニクロのブランド認知度がさらに高まってきたこと、順調に店舗数を伸ばせたことにより、すべての国で好調な業績となっております。とくに、フィリピン・インドネシア・タイでの売上・利益の拡大が著しい状況です。

【海外ユニクロ事業】エリア別(3)

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次に、北米です。

米国は計画どおり赤字幅が改善し、2019年8月期の黒字化に向けて、経営改革が着実に進んできております。米国は、西海岸にも本部機能を設置したことにより、東西の地域に合わせた商品構成や売り場作りができたことで、既存店売上高は増収となりました。

Eコマース販売も順調に成長しており、売上構成比は20パーセント強へと高まりました。

欧州は増収で、営業利益は倍増いたしました。とくに、ロシア・フランス・英国の増益が寄与しております。

既存店売上高は欧州全体で増収し、合計22店舗を出店いたしました。

【ジーユー事業】2018年8月期 実績

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次に、ジーユー事業です。

売上収益は2,118億円、前期比6.4パーセント増。営業利益は117億円、同13.1パーセント減と増収減益となりました。

通期の既存店売上高は、減収となりました。これは、商品構成・数値計画に課題があったことによります。具体的には、上期は防寒衣料のアイテム数が少なかったことで、実需を取り込むことができませんでした。

また、下期はキャンペーン商品が計画を下回ったことに加え、品番数が大幅に増加してしまったことにより、売れ筋商品に欠品が発生いたしました。

【グローバルブランド事業】2018年8月期 実績

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最後に、グローバルブランド事業です。

売上収益は1,544億円、前期比9.5パーセント増。事業そのものの収益を示す事業利益は62億円と、セオリー事業の増益に支えられ、49.2パーセントの増益となっております。

ただし、業績の不振が続いているコントワー・デ・コトニエ事業で77億円、セオリー事業傘下のヘルムートラングブランドで16億円の減損損失を計上したことにより、営業利益では41億円の赤字となりました。

【連結】2018年8月期末 B/S

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ここからは、2018年8月期末のB/Sについてご説明いたします。

資産合計は1兆9,534億円と、前期末比で5,649億円増加。負債合計は1兆506億円と、4,242億円増加。資本合計は9,027億円と、1,407億円増加いたしました。

詳細については、次のスライドでご説明いたします。

【連結】B/Sのポイント(前期末比)

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資産の大半を占める流動資産が、前期末比で5,404億円増加した主な要因をご説明いたします。

まず、現金及び現金同等物は、前期末比で3,158億円増加いたしました。これは、2018年6月に2,500億円の社債を発行したことに伴う現金の増加及び、営業キャッシュ・フローの増加によるものです。

次に、棚卸資産が1,751億円増加しておりますが、これは国内ユニクロ事業・ジーユー事業において、在庫の計上タイミングの変更に伴う影響が合計で923億円含まれているためで、この影響額を除くと、実質的には828億円の増加となります。

内訳として、まず国内ユニクロ事業の棚卸資産の実質的な増加は329億円でした。やや過剰感はありますが、これは主に、通年で販売しているコア商品の在庫を多めに発注したことに加え、秋冬商品の発注を早めたことによります。

海外ユニクロ事業は、446億円増加いたしました。これは、店舗数の増加、冬物商品の早期立ち上げによります。

ジーユー事業は、春夏商品の販売不振により、33億円増加いたしました。

【連結】2018年8月期 キャッシュ・フロー

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次に、キャッシュ・フローです。

営業活動によるキャッシュ・フローが1,764億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが571億円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが1,982億円の収入となった結果、2018年8月末における現金及び現金同等物の期末残高は、9,996億円となりました。

【連結】2019年8月期予想 通期業績

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ここからは、2019年8月期の通期業績予想について、説明をしてまいります。

2019年8月期も、過去最高の業績を見込んでおります。売上収益は2兆3,000億円、前期比プラス8パーセントの増収。事業利益は2,750億円、前期比プラス8.9パーセントを見込んでおります。

その他収益・費用は、約50億円の費用を予想しておりますが、これは主に海外ユニクロ事業・グローバルブランド事業での店舗閉店に伴う除却損・閉店損などの発生を見込んでいるためです。この結果、営業利益は2,700億円、前期比プラス14.3パーセントとなる見込みです。

金融収益・費用は、期初の為替レート1ドル111円を前提とし、為替換算差損益は見込んでおりません。この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,650億円、前期比でプラス6.6パーセントを見込んでおります。

2019年8月期 各事業の通期業績予想(1)

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次に、セグメント別の通期の業績予想について、ご説明をいたします。

まず、海外ユニクロ事業ですが、通期で大幅な増収増益を見込んでおり、営業利益は国内ユニクロを大幅に上回る見込みです。通期の粗利益率はほぼ前年並み、経費比率は若干の改善を見込んでおります。

エリア別では、グレーターチャイナ、東南アジア・オセアニア地区が大幅な増収増益と、海外ユニクロの業績を牽引する見込みです。グレーターチャイナは年間約100店舗の出店を継続、東南アジア・オセアニア地区は年間約50店舗の出店と、出店ペースを加速する予定です。

韓国は、前年が天候に恵まれたことにより、大幅な増収増益とハードルが高いことから、今期は若干の増収増益を見込んでおります。

ヨーロッパは大幅な増収増益を見込み、2019年春にはデンマークに初出店する計画です。

また、米国は経営改革により収益が改善し、営業利益は黒字化をする見込みです。

2019年8月期 各事業の通期業績予想(2)

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次に、国内ユニクロ事業です。

国内ユニクロ事業は、通期で若干の増収増益を見込んでおります。ただし、売上と利益規模が大きな第1四半期は、前年が大幅増益となった反動に加え、今期の秋冬の原価率の高止まりによる粗利益率が低下し、さらにIT投資等の経費増が重なるため、第1四半期の営業利益の大きな減益を見込んでおります。

このため、上期全体でも若干の増収、営業利益は減益となる見込みです。一方で、下期は原価率の改善が見込まれているため、大幅増益を予想しており、国内ユニクロの通期では増収増益を確保できる見込みです。

通期の既存店売上高は約2パーセントの増収を見込んでおり、このうちEコマースは約30パーセントの増収を計画しています。

2019年8月期 各事業の通期業績予想(3)

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ジーユー事業は増収、大幅な増益を見込んでおります。

今期は商品構成の見直しを行い、トレンド商品については品番数を大幅に絞ることにより、マストレンド商品にフォーカスしていきます。また、防寒衣料などの実需商品の割合を増やすことで、売上の拡大を目指します。

さらに、有明プロジェクトを本格的に進め、サプライチェーン全体の見直しを行うことで、お客さまのニーズをいち早くキャッチ・分析し、商品企画や数量計画に反映できる体制を構築、素材調達や生産プロセスの見直しも進め、競争力のある低価格を目指します。

グローバルブランド事業は、セオリー事業・PLST事業の増益に支えられ、大幅な増益を見込んでおります。

2018年8月期 配当金予想

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最後に、配当金についてご説明させていただきます。

2018年8月期の期末配当金は、好調な業績の結果を踏まえ、200円から240円へと40円の増配を予定しております。この結果、2018年8月期の年間配当金は、1株当たり440円を見込んでおります。

2019年8月期の配当金につきましては、中間配当金を240円、期末配当金を240円、合わせて年間で480円、前期比で40円の増配を見込んでおります。

以上で、私からの説明を終わります。ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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