食洗器、乾燥機能付き洗濯機、ロボット掃除機、自動調理鍋…。次々と新しく便利な家電が発売されるものの、「自分でやれば済むから」「もったいない」「まだまだ不要」と買うのを躊躇する家庭もあるでしょう。

一方で家事がストレスの源となったり、夫婦げんかの火種になるなど、家事に翻弄される子持ち家庭も多いもの。買うか、買わないか悩む方に、便利家電への考え方を4つほどご紹介します。

先延ばしが奪う、子どもとの時間とママとしての自信

便利家電を購入するのに、「2人目を産んでから」「もっと大変になってから」と先延ばしにする家庭も多いのではないでしょうか。筆者も2人目の産後に食洗器を、3人目の産後に乾燥機能付き洗濯機を購入しました。しかしいずれも、「もっと早く、1人目妊娠中から買えば良かった」と後悔しています。

そうすれば毎日食器洗いに使う30分を、子どもとの時間に使えたでしょう。家事の最中に何度も「ママ」と呼ぶ我が子にイライラし、そんな自分を「ママ失格」と責めたり落ち込む機会を減らすこともできたでしょう。

子どもと一緒に家事をやることもありますが、できない家事も多いですし、子どもの気分次第なので難しいものです。いずれ買うなら早めに買った方が、時間も自信も失う機会を減らせ、何より子どももママとの時間が増えて嬉しいでしょう。

心理的ストレスが軽減できるかどうかも大切な検討材料

便利家電の購入を検討する際、見逃しがちなのが心理的ストレスです。現代では家事がストレス源となったり、夫婦げんかの原因になっている家庭も少なくないと思います。

「私ばかり家事をしてイライラする」女性もいれば、「家事を手伝わなきゃいけないけど疲れ過ぎてしんどい」男性もいるでしょう。筆者の家庭では洗濯物を干すのは夫の仕事ですが、飲み会のある日は干さないことがストレスとなっていました。また、「雨続きだと園や学校用品が乾かない」というストレスもありますよね。

家事が家族の仲を悪化させるのでは、本末転倒ではないでしょうか。逆に家電を購入するだけで、家族仲が良くなることもあります。我が家では乾燥機能付き洗濯機を夫が気に入り、それまで「やらされ家事」だったのが、自らやるようになりました。こういった心理面もしっかり見据え、購入を検討しましょう。

「機械なんて」という思考を転換しよう

便利家電に否定的な人たちには、機械を一種の「悪」と捉えたり、「機械なんて」と言う人もいます。しかし「機械なんて」という考えは、発明・製造し、販売する会社の方々に大変失礼な考え方ではないでしょうか。彼らは「この家電が人々の生活を豊かにするように」と願って機械を作っていることでしょう。

今後はAI(人工知能)の時代です。まだ食洗器を使用することを怠惰とか無駄遣いとか、良くないことのように捉える人がいますが、現代では洗濯板で洗濯物を洗う人はほとんどいません。同じように、いずれ食洗器も当たり前のものとなるでしょう。

今以上に、生活が機械であふれる世の中になることでしょう。機械を悪と決めつけず、興味を持ち、試してみる、面白がってみる、といった視点も必要ではないでしょうか。

5年先、10年先を考えて購入する

家電が壊れ、新たな家電を購入する際には、5年先、10年先のライフスタイルを考えて購入しましょう。今はまだ女性に家事をする余力があっても、5年後にはフルタイムで働いているということも大いにあり得ます。家族が増えたり、子どもの入園、入学ということもあるので、先を考えて購入しましょう。

便利家電は家事の負担を減らすだけでなく、子どもとの時間や精神的な余裕も作ってくれることでしょう。総合的に判断してみてくださいね。

宮野 茉莉子