シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は国内映画興行大手である東宝です。

東宝の平均年間給与はいくらか

東宝(提出会社)の2018年2月28日時点での平均年間給与は 874.3万円と800万円を超えています。また、従業員の平均年齢は39.4歳となっており若干ですが40歳を下回っています。平均勤続年数は15.8年となっています。

東宝の従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年2月28日時点で385名。単体で300人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。

  • 映画事業:177名
  • 演劇事業:64名
  • 不動産事業:41名
  • その他:ー名
  • 全社(共通):103名

また、連結の従業員数は3207名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。

  • 映画事業:1444名
  • 演劇事業:102名
  • 不動産事業:1467名
  • その他:91名
  • 全社(共通):103名

過去5年の業績動向

東宝(連結)の業績推移についても見ておきましょう。

まず、売上高ですが、過去5年をみると増収傾向が続いています。2014年2月期に1976億円であった水準が、2018年2月期には売上高は2426億円となっています。

また、経常利益については、2018年3月期は減益となりましたが、概ね増益傾向となっています。2014年2月期には303億円の水準であったものが、2018年2月期には486億円にまで増加しています。

投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社株主に帰属する当期純利益は増加傾向で、2014年2月期には176億円あったものが、2018年2月期には335億円とほぼ倍増しています。

今後の注目点

東宝では2018年4月に新たな中期経営戦略「TOHO VISION 2021」を策定しています。

その基本方針は以下の3つです。

  • 映画・演劇・アニメなどのコンテンツビジネス、TOHOシネマズや帝国劇場・シアタークリエといったプラットフォーム、全国各地に展開する不動産事業、これら3つの領域を「主軸戦略」と定義し、グループの強みを生かして、さらなる事業の深耕・拡充を図る
  • ゴジラを軸としたキャラクタービジネス、日本のIP及び企画の海外展開、これら2つを成長分野と位置づけ、「ブレイクスルー戦略」として、積極投資を含め、重点的に取り組む
  • デジタル技術の革新等により大きく変化する経営環境を見越して、新規事業の開発・育成による裾野の拡大に努る

ゴジラがブレイクスルー戦略の一つのようです。今後も同社の中期経営計画の進捗には注目です。

まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。

【ご参考】有価証券報告書とは

日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。

LIMO編集部