シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は醬油メーカー大手であるキッコーマンです。

キッコーマンの平均年間給与はいくらか

キッコーマン(提出会社)の2018年3月31日時点での平均年間給与は 808.4万円と800万円を超えています。また、従業員の平均年齢は43.0歳となっており40歳を上回っています。平均勤続年数は14.8年となっています。

キッコーマンの従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年3月31日時点で445名。単体で400人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。

  • 海外 食料品製造・販売:6名
  • 全社(共通):439名

また、連結の従業員数は7105名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。

  • 国内 食料品製造・販売:2400名
  • 国内 その他:502名
  • 海外 食料品製造・販売:2002名
  • 海外 食料品卸売:1762名
  • 全社(共通):439名

過去5年の業績動向

キッコーマン(連結)の業績推移についても見ておきましょう。

まず、売上高ですが、過去5年をみると一時的に減収となった2017年3月期を除けば概ね増収傾向といえるでしょう。2014年3月期に3431億円であった水準が、2018年3月期には売上高は4306億円となっています。

また、経常利益については増益傾向が継続しています。2014年3月期には226億円の水準であったものが、2018年3月期には359億円にまで増加しています。

投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社株主に帰属する当期純利益は経常利益と同様に増加傾向で、2014年3月期には125億円あったものが、2018年3月期には238億円とほぼ倍増となっています。

今後の注目点

キッコーマングループは、中長期的な経営戦略としてグループの将来ビジョン「グローバルビジョン2030」を策定しています。2030年に向けて、同グループが「新しい価値創造への挑戦」を行うための、「目指す姿」と「2030年への挑戦」を定めたものです。

また、2020年度を最終年度とする中期経営計画においては、売上高5,000億円(平均成長率 5.8%)、営業利益450億円(営業利益率 9.0%)、ROE10%以上を目指していきます。増益傾向が続いてきた同社だけに、今後どの程度まで利益を伸ばせるのかに注目です。

まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。

【ご参考】有価証券報告書とは

日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。

LIMO編集部