シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は国内大手電機メーカーであるシャープです。

シャープの平均年間給与はいくらか

シャープ(提出会社)の2018年3月31日時点での平均年間給与は 753.8万円と700万円を超えています。また、従業員の平均年齢は44.6歳となっており40歳を上回っています。平均勤続年数は22.8年となっています。

シャープの従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年3月31日時点で1万3261名。単体で1万人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。

  • スマートホーム:3473名
  • スマートビジネスソリューション:1778名
  • IoTエレクトロデバイス:1999名
  • アドバンスディスプレイシステム:5001名
  • 全社(共通):1010名

また、連結の従業員数は4万7171名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。

  • スマートホーム:1万609名
  • スマートビジネスソリューション:1万893名
  • IoTエレクトロデバイス:6635名
  • アドバンスディスプレイシステム:1万7758名
  • 全社(共通):1276名

過去5年の業績動向

シャープ(連結)の業績推移についても見ておきましょう。

まず、売上高ですが、過去5年をみると4年減収が続きましたが、2018年3月期には増加しています。2014年3月期に2兆9271億円であった水準が、2018年3月期には売上高は2兆4272億円となっています。

また、経常利益については過去5年で見ると大きく動いています。2014年3月期には532億円の水準であったものが、2018年3月期には893億円にまで増加しています。ただ、その間の2015年3月期、2016年3月期には大きな経常損失となっています。

投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社株主に帰属する当期純利益は2015年3月期から2017年3月期まで大きな損失が続きましたが、2018年3月期には黒字に転換しました。2014年3月期には115億円あったものが、2018年3月期には702億円となっています。

今後の注目点

シャープでは次の100年における持続的成長を確実なものにするため、2017年5月26日に公表した中期経営計画に取り組み、「人に寄り添うIoT」と「8Kエコシステム」を実現する企業へトランスフォーメーションを進めています。

上記「人に寄り添うIoT」と「8Kエコシステム」をキーワードに以下の3つのテーマに関して取り組んできました。

  • ビジネスモデルの変革
  • グローバルでの事業拡大
  • 経営基盤の強化

また、今後は自社での研究開発のさらなる強化に加え、幅広いパートナーとの連携を加速し、事業ビジョンである「8KとAIoTで世界を変える」の具現化を図るとともに、中国やアセアンだけではなく、欧州や米州を含めたグローバルでの事業拡大を進めていく計画です。

まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。

【ご参考】有価証券報告書とは

日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。

LIMO編集部