N・フィールド、2Qの売上高は計画対比で若干未達も、当期純利益は計画通り

2018年8月22日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、株式会社N・フィールド2018年12月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。質疑応答パートはこちら

スピーカー:株式会社N・フィールド 代表取締役社長 又吉弘章 氏
株式会社N・フィールド 執行役員 経営企画室室長 中西雄大 氏
株式会社N・フィールド 専務 久保明 氏

2018年12月期第2四半期決算説明会

中西雄大氏(以下、中西):こんにちは。暑い中、説明会にお越しいただきまして、ありがとうございます。それではまず、2018年12月期第2四半期決算についてご説明差し上げます。

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お配りした資料は、かなり文章量がありまして、ある程度読んでいただいているものとして作っております。内容については、これまで投資家の方にご質問いただいた内容を踏まえて、プラスアルファを加えております。とくに今回、「企業情報と取り組み」を少し分厚くしていまして、ここをメインにお話しさせていただこうと思っています。

外部環境については、今回は説明を控えさせていただきたいと思っております。これは主に厚生労働省が発表しています患者調査というデータを用いて作成していますけれども、データが少し古く、前回もお話しした内容になりますので、今回は控えさせていただきたいと思っています。

最新データについては、2017年のデータが今年(2018年)11月または12月に発表されると聞いていますので、次回はそれを踏まえてご説明差し上げたいと思っています。

「企業情報と取り組み」については、非常に細かいところまでご説明したいと思っています。創業の経緯や思い、ビジネスモデル……ビジネスモデルと言っても初期投資や回収期間、ランニング費用などになります。また、ご利用者さまの特性や主要KPIなども含みますが、当社で言いますとKPIは「稼働」になっています。あとは、採用と労働環境について説明差し上げたいと思っています。

01.会社概要と提供サービス

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ではさっそくですが、21ページからご覧いただきたいと思います。当社は平成15年2月6日に創業いたしまして、現在で16期目でございます。

事業としては大きく2つ、医療と福祉です。医療は売上の95パーセントを占めていまして、みなさんもご存知の訪問看護をしております。福祉については売上の5パーセントを占めていまして、住宅支援事業を展開している状況です。

(2018年)6月末の看護師数は913名。現場のメンバーは、看護師やPSW、OT、事務員、住宅支援などですが、約8割を看護師が占めています。

02.創業の経緯と経営陣

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続きまして、こちらが経営者です。創業当時、精神科の病院で看護師をしていた野口が創業し、現在で3代目となっています。

創業当時のお話をさせていただこうと思います。みなさんもご存知のとおり、2000年に介護保険法が施行されました。そのときの特徴は、看護ではなく介護メインの企業が増えました。定量的に言いますと、2000年の時点で、介護の事業所は2万件でしたが、2006年になりますと、その倍の4万件くらいになりました。

看護は少なかったのですが、その中で創業者の野口には「在宅医療が必要だ」という思いがあり、起業したということであります。

その背景として、精神科に行って病院で治療して、退院したとしても、また再入院されてしまうという状況がありました。せっかく退院して送り出したにもかかわらず、すぐに再入院になる。そこで、送り出した先、つまり在宅でも医療を提供すべきだという考えがあって、創業に至ったということです。

一方で、当社の名前でもあるのですが「看護師の働く場」ということで、フィールドを広げたいという思いもありました。一般的に病院と言いますと、一定のルールの中でルーチン業務をしていますので、医師の指示の下、なかなか自分で決断して、裁量権のある医療を提供するのは難しいものです。

看護師が利用者さまに対して、自分の決断のもと、裁量権を持って医療を提供できるフィールドを提供したいという思いがありまして、在宅医療の必要性とともに、看護師の働く場の拡大を目的として創業に至っています。

03.新規出店の申請プロセス

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続いて、こちらが1事業所を開設するにあたってのプロセスになります。当社は、厚生労働省の許認可ビジネスであり、1事業所を開設するのに3ヶ月くらいを要します。

詳細は省きますが、基本的には3ヶ月前に各都道府県・政令指定都市の担当窓口に申請予約をして、その後、申請書類を提出します。厚生労働省が定めた指定基準を各都道府県が解釈して、指定基準を設けていますので、これに照らし合わせて評価を受け、やっと運営がスタートできるわけです。

当社は精神科ですが、一般科も含めてお話しすると、2017年の時点で、全国の訪問看護ステーションの起業数はだいたい1,200件です。一方で、廃業は700件ほどありますので、純増としては500件と、なかなか厳しい事業環境です。運営にあたってはリスクや難しさがありますが、いくつかポイントがあります。

まず1つ目が、看護師の人員確保です。自分が事業を展開したい場所で、いかに看護師、とくに所長クラスの人材を採用できるかが大きなポイントです。また、看護師のマネジメントの難しさもあります。

一般的に看護師は職人気質なところがあります。一般の看護師として病院に入って、所長になって、部長になって、支店長になる……こういったキャリアアップを望むというよりも、スキルアップを望まれる方が多いのです。例えば、今まで内科の経験があり、外科も経験し、そして精神科(という方もいます)。精神科でも、いろんなケースを学んでスキルアップしたいという思いがあるようです。看護師はそういう傾向もありますが、会社としてはこういった看護師の方に、どういった教育を与えてあげられるかが、ある意味ではポイントになっています。

その次が、キャッシュマネジメントです。医療サービスを提供して、翌月にレセプト請求をし、その翌月にキャッシュインとなります。よって、その2ヶ月間はキャッシュを担保しなければいけません。こういったリスク、運営の難しさがあります。これは、少なからず参入障壁になっているのかなとも思っています。

04.ビジネスモデル

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こちらのページは、投資家の方にご質問を受けた場所でもあり、少し文章量が多くなっています。当社は「デューン」という屋号でやっており、モデルケースとしては、こちら(のスライドのとおり)です。

看護師が4名の場合、管理者が1名、看護師が3名、事務員が1名。月間の訪問件数を仮に400件とした場合、利用者さまの数はだいたい55名。売上高は270万円で、粗利が30パーセントを少し超えてきます。これがモデルケースです。

また基本的な情報としては、投資金額です。こちらは掲載しているとおりで、250万円程度となっています。これは労務費・賃貸家賃・設備費など全部を含めたお話です。おおむね、1年半から2年かけてそれを回収していきます。それとは別に、ランニング(コスト)としては、月180万円くらいとなります。

こちらをどう回収していくかについて。例えば、看護師3名、月間25日訪問したとして、1日3件程度。単価が9,000円ですので、これをかけると、だいたい180万円です。よって、看護師が1日に4件以上回りますと、利益にインパクトが出てくるということでございます。

事業所についてご説明します。開設する場所は、例えば病院や駅の近くに開設する必要はあまりありません。どちらかと言えば、看護師が通勤しやすい場所にいかに出店できるかがポイントになります。広さとしては60平米くらいで、その中に事務室と面談スペースがあるような、至ってシンプルな部屋です。

利用料金としては、毎月の初診料が1万4,550円。2回目の平均を取りますと、だいたい9,000円くらいになります。7割くらいが生活保護の方のため、全額国が負担している状況でございます。

こうしたビジネスモデルを、いかに効率化させるか。そのポイントは大きくわけて2つあります。それは、採用と稼働をいかに上げられるかです。採用については先ほど申し上げたとおり、一般看護師はもちろん、所長クラスが必要です。その看護師をいかに採用できるかがポイントになります。一般的に、マネジメント経験者の看護師は限られていますので、ここを採用するか、社内で教育して所長クラスまで上げていくか、といったところがポイントになります。

そして稼働です。これは後ほどご説明しますが、当社の中での主要KPIになっています。「稼働=精神科看護師1人当たりの月間の訪問件数」となっており、これを向上させることで、業績にインパクトを与えることができます。

次に、出店の考え方についてです。これまでの出店の考え方と、現在、そして来期についてで、少し考え方が違います。これまでで言いますと、47都道府県に一律に出店していました。まずは出店ありきで進めていたのです。日本全国、面を押さえることに注力していました。現在はスローダウンしています。

数値で表しますと、出店ベースで進めていた2016年は年間で56件出店していましたが、2017年が27件、今期の期初計画は25件ですので、数字上でもスローダウンしています。実は、47都道府県に出店したところ、訪問看護の医療サービスの品質が少しばらついてきたのです。

なぜばらついてきたかと言いますと、教育の基本方針として、現場のOJTに任せていたからです。現場の所長さんの教育レベルによって、ばらついてしまったのです。当社としても課題認識を持っており、教育の品質を一定以上に向上させたいと考えています。ここで人が育ってくれば、また出店スピードは回復できるものと考えています。

05.ターゲット市場セグメントと同業他社

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続きまして、当社が置かれている市場セグメントです。左が病院、右が在宅です。国の施策としても、左から右にという流れで動いています。また、上が精神医療、下が一般医療で、当社は精神医療と在宅のところです。

厚生労働省の施策としては、統合失調症などで入院されている方……全国で28万9,000人いると言われておりますが、その中の大部分、64パーセントを占めております長期入院患者を、2020年までに3.9万人削減すると発表しております。

ただし、受け皿がまったく足りていない状況です。厚生労働省が出している数値として、今現在、精神医療と一般医療を含めて、訪問看護の看護師の数がだいたい4万1,000人ぐらいいると言われています。それを2025年までに15万人にしないと、受け皿としては足りないという発表がありました。

あとは、当社は精神医療を手がけていますが、今後、利用者さまの高齢化の影響を受けまして、例えば精神科だけではなく、臓器不全などを発症する可能性もありますので、当社としてはここ(精神科)だけでなく、こちら(一般科)も見ていかなければならないだろうと考えております。

ただし、これを自前でやるのか、他の企業さまと協力するのかは検討の必要があるかと思います。

06.利用者の推移と特性 ①入院患者数

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続いてこちらが、先ほどお伝えした長期入院患者の分布です。多いところでいうと福岡・東京・大阪・北海道。当社が支店を出している場所が、分布としては多いということであります。基本的には、人口に比例してご利用者さまがいらっしゃるというふうに考えております。

(2018年)6月末の拠点数が189拠点ありまして、東が83、残りの106が西側にあるという状況であります。

06.利用者の推移と特性 ➁当社ご利用者様数

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続いてこちらが、当社だけのご利用者さまの推移です。今回支店別に掲載しております。現状、(2018年)6月末のご利用者さまの数が、1万876人。だいたい毎月2パーセント弱ぐらい増加している状況でございます。

(精神疾患の患者数は)全国におよそ400万人いると言われております。これは通院も入院も含めての数となっておりますが、ご自宅で引き込もっている方については加算されていないため、一説では100人に1人が(精神疾患を)発症しているとも言われております。

また、地域別にも傾向があり、東北でうつ病が多いと言われています。例えば沖縄でアルコール依存症が多いなど、地域によって症状が変わるということです。後は、厚生労働省が出している情報ではあるのですが、発症時期としてはだいたい10代から30代ぐらいが多く、男性に多いということです。

なお、遺伝の可能性というお話もありますが、基本的には生活環境に依存して発症しているという状況です。

06.利用者の推移と特性 ➂当社ご利用者様の年齢

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こちらが当社の中の平均年齢を取ったようなものですが、ここの数値を合わせると、6月末で1万876人になります。男性で言うと50.8歳、女性で言うと52.1歳ということで、比較的年齢層としては高いということです。

その理由としては、高齢化の影響を受けていることももちろんありますが、基本的には病院で入院されていた方が在宅に移行しているということで、年齢層としては高くなっているという状況です。

07.主要K.P.I.〔Key Performance Indicator〕

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こちらの表は、先ほど申し上げました、当社の中で重要視しているKPIのひとつ「稼動」です。KPIとしては、繰り返しになってしまいますが、「精神科看護師1人あたりの月間の訪問件数」となっております。

赤色のところが今期の実績、青が今期の計画、オレンジが前期になっております。

現状、(2018年)6月末で89件ということで、計画及び前年を上回っている状況であります。基本的には、この「稼働」は目安として社内で用いていますが、ノルマというわけではありません。役職別の目安としては、部長は60件、所長が80件、一般看護師が100件で設定しております。

この役職別の目安の件数を考慮して、全体の稼働計画、つまり売上げの計画に結びつけているということです。少し細かくなりますが、全国平均では89件でも、中には都市部で150件、もしくは180件を回られる方もいらっしゃいます。また、ご利用者さま1人に対する月間の訪問件数は、だいたい7.5件ぐらいになっています。1週間に訪問できる件数が最大3回で設定されていますので、だいたいこれぐらいの数になります。

1件あたりの医療サービスの時間としては、平均で40分程度です。これをいかに向上させられるかということで、施策の1つとしては、移動距離を減らす……つまり、あるお宅からその次のお宅までの間に、いかにご利用者さまを獲得できるかが、稼働上昇に向けた1つのポイントになると考えております。

その他のポイントとしては、当社は担当制ではなくチーム制です。1人の利用者さまに対して看護師をマンツーマンで付けているわけではなく、看護師複数名に対して利用者さまが一人という設定です。

08.採用状況

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ご覧の通り、看護師一人一人にかなり依存しているビジネスになっていまして、次に何が重要かというと、やはり人員の確保と定着。これが最重要かなと考えております。

看護師の平均年齢を取ってみますと、男性が38歳、女性が41歳ですので、いわゆる「子育て世代」の方が多くいらっしゃいます。

どういったパターンで入社してくるのかについては、大きく3種類あります。

その中の95パーセントぐらいを占めているのが採用エージェントです。エージェントとしてはマイナビやリクルートです。一人当たり、約70万円から80万円ぐらいをかけて採用しています。

当社のWebサイトから直接お問い合わせいただくパターンもありますし、当社の看護師がお友だちを連れてきて採用に至るケースもあります。この場合はインセンティブ制度を設けております。

一般的な看護師の特徴をここに掲載しておりますが、キャリアアップよりも(技術の)スピードアップを望まれる傾向があります。

「子育て世代」の女性看護師が多いということで、日勤を好む傾向にあります。男女比で言いますと、3対7で女性が多いです。これは一般病棟も当社の看護師の割合もまったく同じです。

また転職回数が多い傾向にあります。病院はたくさんありますので、看護師からすれば引く手あまたになっており、転職回数が多いようです。

一方、病院での働き方では、先ほどお伝えした通りルーティン業務が多く、3年から5年でほかの科へ移る傾向にあります。例えば、内科で3年、外科で3年のようなかたちです。3年から5年で違う科へ移っていく傾向がありますが、

当社の場合は、働き方も含めて、病院とは異なり裁量権があります。自分の医療サービスを提供するにあたり、自分の決断でサービスを変えていく、適切なものにしていく。これはやりがいでもありますが、一方で難しさでもあります。

最近の傾向としては、ご利用者さまに深く関わりたいという方もいます。例えば病院だと5分、10分接するだけかもしれませんが、そうではなくて、長時間、何年にもわたって深く関わりたいという方もいらっしゃいます。もちろん、先ほど申し上げたように、自分のライフスタイルを重視する方もいらっしゃいます。

当社の内定率としては、だいたい30パーセントぐらいですので、7割の方はお断りしている状況であります。一方で、内定を辞退される方もいらっしゃいます。

在宅に興味はあるけれど、精神科ではなく一般科、主にクリニックに就職される方もいらっしゃいます。また在宅に興味があっても、やはり病院で培ってきた経験がありますので、病院から在宅というのはハードルがあり、就職しないパターンもあります。

09.労働環境

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こちらは、看護師医療における給与を掲載しております。

今回は支店別、役職別です。青のレンジが一般的に開示されている看護師の給与になっております。

ここで大きく違うのは青のレンジで、こちらは夜勤手当を含んでおります。当社の場合は夜勤がありませんので、少し前提が違います。

赤が一般看護師で、緑が所長、黄色が部長になっています。この表を見ますと、都市部の東京と大阪で同一の給与です。地方部の北海道と福岡で言いますと、高水準の給与を提供しています。

例えば、10年目の看護師が8回、病院で夜勤をしたときの給与は、年収で480万円ぐらいです。当社の場合は、入社1年目の方であっても、夜勤なしで同水準の給与をお支払いしている状況です。

この給与体制は、創業者である野口の想いが入っております。提供する医療としては、全国一律でまったく一緒であれば、得られる診療方針もまったく一緒のため、対価としても一緒であろうということで、全国一律、同じ給与水準ということです。

あとはインセンティブ制度もあります。例えば、一般の正看護師が30分以上訪問看護をすると、1件あたり650円、訪問件数手当として給与に上乗せされます。これが2件、3件になると、650円が2倍、3倍になっていくということです。

また勤務形態が3種類あり、モデル給与としては年収450万円程度で、月収としては35万円という水準になっています。

10.職種別在籍年数と退職理由

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さらに、在職年数も掲載しております。

先ほど、3年から5年で科を移動するとお伝えしましたが、ターゲットを3年に設定しております。緑が部長。赤が所長。青が一般の在職年数です。

部長はようやく3年を超えてきたのですが、所長と一般看護師については、まだまだ3年に至っていません。ここは当社の中でも課題認識を持っており、3年に引き上げないといけないと考えております。

また退職に至るケースについては、ここに記載していますが、主に3種類の理由があるかなと考えています。

まずは、精神科に合うか合わないかです。内科や外科で経験を積まれてきた方が精神科というところに馴染まないケースがあります。定量的に判断できない部分もありますし、ご利用者さまにかなり深く寄り添いますので、まずは精神科に合うかどうかという問題があります。

次に、ステーションに合うか合わないかです。スタッフはだいたい1拠点が5~6名です。そこで仲違いをしてしまうと、蚊帳の外になってしまいます。複数名いますので、合わなければ違う派閥にいったり、違う科に移ったりもできると思うのですが、訪問看護ステーションでは難しいようです。

そして、先ほどお伝えしたとおり、キャリアアップやスキルアップというところです。教育が不十分であれば、退職に至るケースがあります。看護師は、企業が自分自身にどういった教育を提供してくれるのかを重要視している傾向にありますので、ここが不十分であれば退職に至ってしまいます。

それを踏まえて、現在、教育専任室というものを(2017年10月に)設立いたしました。精神科未経験であっても、6ヶ月で独り立ちできる教育制度を設けております。

詳しくご説明しますと、1ヶ月目で、まずは病院と在宅医療の違いを明確に理解してもらいます。1ヶ月目、2ヶ月目、3ヶ月目で精神科の訪問看護の基本的なことができるようになり、6ヶ月目で「こういったケースでは、こういった医療サービスが必要だし、別のケースであれば、また違った医療サービスが必要だ」といったように、専門性のある看護を実践していく流れになっております。

3ヶ月目と6ヶ月目で、新人のチェックリストを使いまして、上長からフィードバックを受け、教育を修正してスキルアップしていくということです。

昨年(2017年)10月からスタートしていまして、少しだけですが、成果が出てきたと捉えております。

11.教育専任室による教育制度改革

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こちらの表は、精神科未経験の方の1ヶ月目、2ヶ月目、3ヶ月目の訪問件数です。緑色が昨年度(2017年度)、赤が今期(2018年度)になっております。

2017年度は、3ヶ月目の訪問件数は83件でした。これが今期に入って93件ぐらいまでアップしておりますので、若干ではありますが、成果が出てきたと認識おります。

あとは、教育専任室です。マニュアルの整備もしておりますし、新人だけではなく所長研修であったり、部長研修であったり、こういったスキルアップ研修をしております。

2018年度経営ポリシーと計画

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ここからは、数字のお話をさせていただこうと思っております。

まず今期末の売上高については98億4,200万円、営業利益は7億円、営業利益率は7パーセントをターゲットにしています。

01.損益計算書〔前年対比〕

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こちらはWebで開示したものと一緒です。ご確認いただいた通りですが、売上としては45億3,200万円です。営業利益で言いますと2億1,500万円で、当期純利益は5,100万円になっております。

売上高についてはマイナス5,700万円でショートしておりますが、感触としてはほぼ計画どおりに着地したかなと考えております。一方利益については、少しプラスで追い返したかなと考えています。

現状の課題としては、やはり採用がスムーズではないと考えております。看護師数は(2018年)6月末時点で913名ですが、例えば、これを1,000名にするというのは別に難しくはありません。

しかし、例えば東京の新宿のこの拠点で看護師を採用したいとなった時にやっぱり苦戦してしまいます。繁忙拠点であったり、ピンポイントで採用するのが非常に難しい状況です。

とくに看護師数については、計画対比でマイナス56名ほどになっていますが、そのうちの40名ぐらいは大阪での未達で、大阪で苦戦している状況です。

また、エージェントへの支払い手数料の費用が少し上がっている部分もあります。

1月から6月の採用について、2017年度と比べたときに、だいたい同じ人数を採用しているのですが、2017年度は1億1,800万円ぐらいでした。今期は1億4,500万円ぐらいですので、3,000万円ぐらい支払い手数料がアップしている状況です。

当社の場合は一人当たり70万円から80万円ぐらいかけて採用しているのですが、ピンポイントで採用するときは、例えば120万円ぐらいまでアップすることもありますので、そのプラスアルファの部分が支払い手数料を押し上げているということです。

ただ、稼働は上昇しております。こちらも1月から6月の期間で比べてみますと、2017年度が84件であるのに対して、今期(2018年度)は89件ですので、プラス5件。これもあって利益を出しているということです。

では、現在は何に取り組んでいるかと言いますと、いろんな制度改革に取り組んでおります。とくに先ほど申し上げた社内教育や、品質のバラツキをいかに向上させるかなどに取り組んでいます。

もう1つ、プロモーションにかなり注力しております。注力と言っても、まだ成果は出ていないのですが、例えばWebサイトなど、いろんな販促物を一新しています。

せっかく精神科で訪問看護をやりたいと思って入られた方が、ちょっと思っていたのと違うと言ってやめられるパターンも結構あります。求職者であっても、企業側であっても、win-winにならないようなケースがあります。それは事前に正確な情報を求職者に与えてあげないといけませんので、プロモーションにも力を入れている状況でございます。

こういった教育をはじめとして、社内制度改革とプロモーションに注力することによって、在職年数は向上していくだろうと考えておりますし、離職率も低下するだろうと思います。それを踏まえて、労務費率や支払い手数料も下がっていくでしょう。

結果的には利益率、粗利のところは、営業利益も同様、回復してくるでしょう。

今日は以上になります。具体的なピンポイントのところは、ご質問の中でお話しさせていただこうと思っております。

質疑応答:看護師の離職について

質問者1:基本的なところなのですが、在籍年数はわかりましたが、御社の看護師さんの離職率はどのくらいで、他の病院や同業他社で働いている看護師さんと比べると、どのぐらい違いがあるでしょうか?

又吉弘章(以下、又吉):現在、当社の看護師の離職率は大体21パーセントぐらいです。一般の医療の病院などではだいたい15~16%なので、やはりまだまだ高いです。

ただし、先ほどお話にもあったように、看護師さんは各科を回るため、総合病院だったら当然やめずに、別の科に移れます。しかし、当社は精神科だけですので、他に移りようがなく、どうしても3~4年でやめてしまうケースがあります。

また、おそらくこの数字は、内科のクリニックなど、単体の科目のクリニックさんとほぼ同じだと思います。ただ、当社としては一般の病院と同じように15~16%パーセントにもっていきたいと考えております。

質問者1:続きまして、退職をさせないような施策をいろいろ取られているということですが、例えば最近はAIで、転職を考えている人を判別できるようになっています。そういう人たちをうまくリテンションできるような方法もあると思うのですが、なにか取り組みはされているのですか?

中西:中西でございます。今のところはAIで何かをすると言っても、働き方というよりは、当社の業務の中でAIを活用するところには目を向けています。検討はしていかなければいけないなとは考えております。

質疑応答:稼働件数、出店ペース、人材採用について

質問者2:ご説明ありがとうございます。29ページの稼働件数のところです。たしかに計画を上回っていることは確かだと思いますが、元々の目標が110、120といった水準に比べると、まだまだ足りないなと思います。現状、目標と現状の差で、どのあたりが埋まっていないからこういう数字である、ということを教えてください。

久保明氏(以下、久保):計画よりも稼動は良くなっているということは、繁忙店がまたさらに無理をして稼動が上がっているということではなく、去年(2017年)、一昨年(2016年)で、地方部を中心に60拠点を出しましたので、その稼働が上がってきているということです。

ただし、分母を看護師の数にしますと、毎月のように20~30人が入社してきて、10~15人が辞めていくかたちですので、どうしても分母が膨らんでいくと……当社では100という数字を意識しながらやっていますが、まだ難しいのかなというところです。

質問者2:2点目は、出店のペースについてです。出店のペースを落とされて、一方でターゲットを定めるという方向性がありますよね。中期的な目標として、来年や再来年に向けて数字を掲げていらっしゃると思いますが、今期以降はどのように考えていますか?

又吉:出店ペースは、今期は25店舗を計画しております。今まで12店ほど出店している状況です。この25店舗が、おそらく我々としてのターゲットで、来期を含めて運用しやすい出店ペースかなと考えております。

なぜそうなのかというと、現在は管理職の教育に専念していまして、まだまだ管理職不足というところです。この25店舗はあくまでものれんわけが多くなりますが、動き的には来期もおそらく25店舗前後になるかと考えております。

目標としては、2024年に300店舗を掲げていますが、このペースでいくと間に合いません。ただし、管理者を一生懸命育てますので、結果的には25店舗以上になると考えています。

質問者2:最後に、人員採用未達のところです。大阪や東京などの都市部以外では採用できていて、未達にならなかったということでよろしいでしょうか。

中西:ありがとうございます。未達の56名のうち、40名が大阪で、残りがほぼ東京ということです。ほかの地方部については、ほぼ充足しているといったところです。

質問者2:東京でしっかり採用できたというのも、ちょっと意外な感じもします。もともと稼働率が高いところですが、東京はうまくいっている、大阪はうまくいっていないのかなと思います。そこはいかがでしょうか?

又吉:当社でもいくつか要因をあげています。まず1つ目は、もともと大阪の外部要因ですが、大阪府下においては、人口対比で10万人あたりの看護師の数が、全国平均よりも低いです。よって、病院さんもたくさんある中で、当社以外の医療関係のところでも、看護師不足のようです。

もう1つは、当社に課題があるのですが……当初、大阪府下から始まって、その当時は創始者の想いとして、どうしても上場したいという目標がありました。よって、売上を上げるという流れの中で、月平均でだいたい150件から180件ほど回っていた時代があります。そうなると、大阪府ではあまりイメージがよくなかったわけです。

N・フィールドでは、看護師は大変な思いをするというイメージが、まだ若干残っているところがあります。良くも悪くも、そういう噂は一瞬にして広まります。そこで当社は、内部体制を整えながら、教育も変えていますというところを、社内のスタッフにアピールしつつ、社内スタッフから発信してもらって、会社が変わっていますよということを伝えています。

また先ほど言ったように、当社は大阪から始まっていますが、全国の平均勤続年数を見ると、大阪は長いのです。実際に大阪で離職されている方は、だいたい3、4年のようです。これは一般的な会社の社員の数字ですが、看護師さんも、3、4年で別の科に異動したくなるということで、これは必然的な流れなのかなと思っております。

質疑応答:作業療法士を拡充する理由について

質問者3:29ページ、稼働の上昇に向けた取り組みのポイントについてです。1番下に「作業療法士の拡充」というお話がありますが、これは具体的には、作業療法士の方の採用を強化するのでしょうか。それによって、収益の上げ方としてはどのような感じになるのでしょうか?

久保:作業療法士の採用に関しては、今年(2018年)から新たな取り組みというところで行っています。現状、この上半期で2名採用して、稼働しているところです。病院はもちろん、精神科でも精神保健福祉士の方がいる、作業療法士がいるというような仕組みを、丸ごと在宅でできないかということで、こうした取り組みをしています。

作業療法士は、基本的には診療報酬で、看護師と全く同額になります。よって、作業療法士としてきちんと報酬も取れるため、基本的な報酬は、当社の報酬……給与体型も看護師と同等というかたちで進めています。

また、精神科の訪問看護のところは、国のルールとして、1人の患者さんには週3回までという制限がございます。ですので、週1、2回というところであれば、もう1、2回行けますよね。もちろん回数もありますが、あくまでも医療サービスですし、主治医の方にも必要という判断をしていただかなければ、この回数を増やすこともできません。

そこで、看護師による精神療法が週に1、2回行われていたら、そこに作業療法としてもう1、2回、追加訪問ができないものかと考えています。もちろん、それが有効であることが大前提ですが、そういう部分で件数、売上アップに寄与するのではないかという狙いで始めています。

質問者3:ありがとうございます。では、作業療法士の数はどのくらいの規模になっていくものでしょうか?

久保:予算的には10名ほど採用したいなというところで、計画には織り込んでおります。ですので、採用の進捗としてはちょっと遅いのですが……この作業療法士さん、今は全国で4万人ほどしかいません。パイが少ないというところもありますし、まだまだ作業療法士さんは病院で働くものだという前提を突き崩せていないと考えています。

また当社では、精神保健福祉士は55名います。この3年ほどで55名になりましたが、最初のころは1名、2名は雇用できても、その後はなかなか続かなかったです。

しかし、認識の変化を経て55名まで増えてきたところです。もちろん、作業療法士の協会の方ともお話をさせていただき、働き方の1つという認識も持っていただきました。このあたりのPRを、当社としては積極的にやっていきたいなと思っております。

質疑応答:なぜ外国人投資家が注目しているのか

質問者4:株式保有者は外国人投資家が多いと思いますが、そもそもどういう投資家が多いと認識していますか? そして、どうして外国人投資家が御社に投資すると考えていますか?

久保:海外の投資家の方は、電話での取材が中心にはなりますけれども、定期的に日本に来られた時には、大阪に来ていただいたり、東京でお会いしたりします。大量保有が出たというところでは、どちらかと言うと中長期の目線で株式を持たれている方が多いのかなと思っております。

なぜ海外の比率がここまで高いのかということですが、当社が上場の時に、ロードショーというかたちで、投資家さんを回らせていただきました。どちらかと言うと、外資系の会社の投資家さんのほうが、訪問看護という業務に対する理解がありました。欧米のほうが精神医療は進んでいますので、その意味で非常に受け入れやすかったかもしれません。

あとは、お話をしていく中で、やはり海外の投資家さんから質問が来て、お答えして、しっかりした反応があるというところですね。また、すごく疑問を持たれるところは、同業他社がいないということです。同じような規模で事業をやろうとしているところもなければ、やっているところも実際にありません。まだまだ日本は入院している患者も多いため、(時間がたてば)外に出てくるはずだと思っています。そうした成長力という部分も評価をいただいているのかなと考えております。

質疑応答:病院のベッド数の減少について

質問者5:病院から外に出てくるはずだというところで、まだまだ統計なども出ていませんが、3万人から4万人を病院から出しますよという話に関して、御社の感触として、実際に毎年それぐらいの人数が出てきているというイメージはありますか?

又吉:数値的には、なかなか表現しづらいですね。これは体感と主観的な話になりますが、当社も精神科の病院の理事長だったりとお話をすると、やっぱりベッド数はかなり縮小しているというのが事実ですね。病院の経営もかなり苦しいということも事実です。そして病院が急性期対応に移っているのも事実です。

その中でも、慢性期の方々のパーセンテージがかなり出てきているというのは実感しております。毎月新規の依頼の数を見れば、かなり多いのがわかります。ただ、大阪と東京でスタッフ数の未達がありますので、ある意味では止めている状況です。それを含めれば、全体的には依頼が多くなってきているというのは、事実だと思います。

質疑応答:中長期で見たときの粗利率について

質問者5:もう1点、中長期で見たときの粗利率の変化を考えたいのですが、出店自体は今はスローダウンしてきて、いわゆる成熟した店舗が個性として増えていく中で、基本的にはだんだん粗利率が上がっていくと思います。

一方で、作業療法士や精神保健福祉士の採用もやらなければならないため、この粗利率はしばらく停滞して上がらないのか、それともどこかのタイミングで上がってくるのか。それをどう考えているか教えてください。

久保:基本的には、しばらくは横ばいの推移で見ておいたほうがいいのかなというのが率直な意見です。

繁忙期と言われるところにピンポイントで採用が進めば、当然粗利率は上がってくると思っていますが、苦戦しています。なかなか楽観的には捉えられないなというところでございます。

質疑応答:事業所の閉鎖について

質問者6:まさに採用、人材確保のところで、所長クラスや管理のできる人たちをということでしたが、事業所の閉鎖の理由が、所長クラスの方を常時カバーできないことでした。今のお話を聞いていて、例えば、大阪エリアで採用が厳しい中、今後も場合によってはこういったケースがあり得るのか、見通しをお聞かせください。

又吉:閉鎖したのは姫路ステーションです。これは立地的にもいろいろ問題がございまして、ある意味飛び地だったんです。

その中で、開設から2年ぐらい経って、利用者が21名。もともと赤字できている中で、当社は去年からいろいろ教育体制を作りました。

それまでは現場任せにしていた部分があって、所長もスタッフもなかなかレベルが高まらないという状況の中、なかなかそこに管理職やエリア部長が入れなかったというのは実際にありました。

そこで、教育専任室を立ち上げて、エリア部長を派遣したのですが、時すでに遅し。所長さんも疲弊して退職となりました。

その中で、最近は行政も厳しくなって、管理職が立たなければ1ヶ月以内に閉鎖なり中断なりをしてくださいという指示もございました。

今後の苦労を考えると、利用者のこともありますので、無理やり管理職を立てるというよりも、閉鎖するという方向で、結論を出させていただいたということです。

飛び地にどういった問題があるかと言いますと、大阪からも結構遠く……神戸にもステーションがあるのですが、看護婦さんは転勤も難しい状況で、どうしてもそこに異動ということはできませんでした。

ただ今後、閉鎖の可能性があるのかという点では、各飛び地のところは4~5人を確保していまして、管理職も去年からサポートを含めて教育体制を確立していますので、今のところはそうした可能性はないと判断しております。

記事提供:ログミーファイナンス

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