将来お金に困りたくない、老後資金はしっかり準備して楽しい老後を過ごしたい。そんなふうに考えている人も多いのではないでしょうか。せっかく定年退職して、時間にゆとりができる老後。それまで時間に追われてできなかったことにチャレンジするのを楽しみにしている人もいるでしょう。

しかし、そうは思っていても老後のお金に困る人がいるのも事実です。そこで今回は、将来お金に困る人の特徴についてご紹介します。

おひとよしすぎる、お金に無頓着な人

たまに見かけるのが、お金に無頓着でおおらか、おひとよしですぐにお金を出してしまう人です。

後輩や部下とご飯に行ったときなどは奢るのもいいかもしれませんが、同僚と食事へ行って端数が出たときに「いいよ、出すよ」と進んで出してくれる人、仲間内に一人はいますよね。そういう人はきっとおおらかで、周囲から愛されているのでしょう。

しかし、人に愛されることとお金に愛されることはちょっと違います。もちろん人に好かれることも大事ですが、お金は大事にしてくれる人、執着してくれる人のところへ集まります。つまり、無頓着すぎるとお金のことに気が回らなくなってしまい、散財しやすくなってしまうということ。

清貧が美学である日本ではお金に執着心がないと言うと素敵なことのように思われますよね。しかし、お金に無頓着であるということはつまり、お金に関心がなく大事にしていないということにもなるのです。お金のことが好きで、大事にしようという気持ちがないと、お金を貯めようというマインドにはなりませんよね。

こういう人はまずお金を好きになりましょう。お金のことを仲間や家族だと思って愛してあげてください。そうすると、離れていくのが惜しくなり、大事に使うようになりますよ。

「お金がない」が口癖になっている人

つい「お金がない」と言うのが口癖になっている人、いませんか。よく芸能人でも「昔はよく、うちはお金がないと言われていた」などと昔話を披露している人がいますよね。同じように「うちはお金がない」と言われて育ってきた人もいるのではないでしょうか。

筆者もそうでしたが、お金がないと言っていると、「お金がない」と言っていることに安心してしまって、それ以上の行動に出ることがなくなりがち。子どもに「お金がない」と言い聞かせて、子どもがそれに頷けば満足してしまうのです。

「お金がない」と口にするのは簡単ですが、それはある意味では思考停止でその先のことを考えていません。「お金がないから節約しないと。そのためにはまず~をやろう」という具体的な行動に移すところまで考えが至らないことが多いでしょう。

そうしていると、いつまでたっても行動に出られず、「お金がない」という言葉だけが自分の中に残って貧しい気持ちになってしまいます。それにもかかわらず行動にも出られず、解決策も見当たらないまま無駄に時間を過ごすだけになってしまうんですよね。絶対にそれだけはやめましょう。

もし「お金がない」が口癖になっているという自覚がある人は、「お金がない」と言う代わりに「(お金がないから節約するために)~しよう」、「(お金がないからお金をふやすために)~したい」ということをぜひ、口にしてみてください。具体的な行動を口にすることで、その行動に移りやすくなるものです。

快楽に身を任せてしまい自分を律することができない人

こう聞くと、ギャンブルや博打に没頭している人?と思うかもしれませんが、そういうことではありません。もちろん、将来のためにお金をしっかり貯めようという人はギャンブルや博打をしないに越したことはないでしょう。

しかし、そんな大げさな話ではなく、日常生活の中で自分を律することができない人というのはいるものです。もっと簡単に言えば、理性よりも感情が勝ってしまう人ですね。そう言うと、ちょっと心当たりがあるのではないでしょうか。

たとえば、何かやらなければならないことがあるのに、「面倒くさい」という感情に流されてやめてしまう。そんな人はお金のことも「面倒くさいから」と後回しにしてしまい、いつまでたっても行動に出ることなく老後を迎えるというパターンに陥ってしまう可能性大。注意が必要です。

やり方はわかっていても行動に出られない人

最近は女性誌やファッション誌の一部でも貯金や投資に関する特集が組まれるなど、お金に関する話題が多いですよね。そうした記事などを見て、貯金のコツや投資のポイント、iDeCoやNISAなどの中身についてはよくわかっているという人も少なくないと思います。

そういう知識を持っていることは非常に大事で、貯金するにしても投資するにしても、うまくいっている人の真似をすることが一番手っ取り早く、確実です。しかし、実際にコツやポイントがわかっていてもそれを行動に移さない、その知識を活用して自分の貯金に活かさないという人が多いのも事実。

せっかく知識があっても、それを活用しないのであれば知識なんて何の役にも立ちません。それではあなたがその知識を吸収した時間が丸々無駄になってしまいます。知識は頭に入れるだけでは何の意味もなく、それを活かして行動することにこそ本当の意味があるのです。

いろいろなコツや注意点が頭に入っている人はいったんそれを紙に書き出してみて、1つずつ「自分にはできるかな」とか「自分ならこうできるかも」というアクションプランを立ててみましょう。知識をもとに実際の行動に移す、活かす、というプロセスが可視化されて、次第に頭の中だけで判断できるようになります。

まとめ

いかがでしたか。お金に困りたくないというのは万人共通の感覚だと思います。しかし、お金に困る人にはそれなりの理由があることも多く、お金の問題は自分との闘いであることもしばしばあるのです。もちろん外的要因で老後資金に悩まされる人もいますが、そうした場合の負担を減らすためにも、自分でできることを今のうちから始めておきましょう。

大塚 ちえ