5. 老後は、退職金だけでほんとうに安心?

今回は、公務員と会社員の退職金について詳しく見てきました。公務員の方が会社員に比べて退職金は手厚いことも分かり、中には「老後不安だったけど安心した」という公務員の方もいるでしょう。

しかし、実は公務員の退職金は民間企業の退職金相場と均衡を保つため、5年に1回定期的に見直しが行われています。そう考えると、公務員だからと言って退職金だけをあてにして、老後の準備を何もしない状況は避けた方が賢明です。

また、退職金は老後資金だけでなく、住宅ローンの返済や家のリフォーム、旅行、子どもや孫への資金援助などに使われる方も多いです。今の時代は、退職金だけに頼る時代ではなく、「退職金+自助努力で作る老後資金」を意識して老後の準備に取りかかると良いでしょう。

とはいえ、超低金利時代と言われる現在では、銀行に預金しているだけでお金を大きく増やすことは難しいのも事実。そんな時代だからこそ、投資信託や保険、株式など資産運用を活用して「お金に働いてもらう」流れを作ってみては。具体的には公的年金の不足を補ってくれる私的年金と、十分な貯蓄を用意したいところです。

最近加入している方が増えているのが、積み立てながら自分で運用していくiDeco(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAです。iDecoの2021年7月時点の加入者は約210万人。2021年6月末のNISA口座数は1023万口座(一般NISAは761万口座、つみたてNISAは262万口座)です。

老後の準備に資産運用を活用するのは大切なポイントですが、これまで全く運用経験のない方がいきなり資産運用を始めるのは少しハードルが高いでしょう。

本やネットで学ぶのも良いですが、無料動画を見てみたり、オンラインセミナーへの参加を検討したりしてみましょう。なかなか始められなかった人は、資産運用への第一歩を踏み出すきっかけになるかもしれませんよ。

参考資料

鶴田 綾