3. 「老後資金」を効率よく準備していくためには
もし、前述の「サラリーマンの夫と専業主婦」の夫婦世帯が、平均的な年金額のみを老後の収入とする場合、ゆとりある生活を過ごすためには毎月16万円程度のマイナスとなり、貯蓄を取り崩す状況となりますね。
前述した貯蓄額の中央値で考えると、1000万円(貯蓄額の中央値)÷16万円(毎月の赤字額)=62.5カ月となり、約5年で貯蓄が枯渇する計算となってしまいます。
老後の生活費は、ひとそれぞれです。しかしそれをふまえたとしても、少し不安となる結果ではないでしょうか。
4. 資産運用は「時間を味方につける」
ここまでの話をふまえると、年金だけで悠々自適なセカンドライフを過ごすことは難しいと感じた方が多いのではないでしょうか。
お金の心配をせずに暮らしていくために、はたらき盛りの若いころから、効率よく老後資金の準備を進めていきたいものですね。
しかし短期的に大きなお金を投資して、一度にリターンを得るような投資の仕方はおすすめしません。
できれば、「長期的に、毎月少しずつ」積立投資していく方法がよいでしょう。このように投資することでリスクを分散しながらリターンを安定させることが可能となります。
老後の不安を解消するための「お金の準備」は、できるだけ早めのスタートをお勧めします。
資産運用のポイントは「時間」を味方につけることといえるでしょう。
資産運用のはじめの一歩がなかなか踏み出せないという方は、「お金のプロ」への相談を検討してみてはいかがでしょうか。最近では無料のオンラインセミナーや相談会も開催されています。
充実したセカンドライフに向けたお金の準備を「いまから」はじめてみませんか。
参考資料
- 内閣府「令和3年版高齢社会白書(概要版)第1節 高齢化の状況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」
- 厚生労働省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和2年12月)
- 生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
- 齊藤 慧(LIMO) 70代の貯蓄はどのくらい?年金はいくらもらえる?
- 吉田 奈都子(LIMO) 定年後の70代世帯「約2割が貯金ゼロ!?」~老後の「格差」を考える~
吉田 奈都子