沖電気工業、通期売上高は前年比・計画比とも減少 ATMの海外市場低迷が継続

2018年5月8日に行われた、沖電気工業株式会社2018年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:沖電気工業株式会社 代表取締役社長 鎌上信也 氏

2017年度3月期決算説明会

鎌上信也氏:本日はお忙しい中、沖電気工業株式会社2017年度決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

決算内容のご説明につきましては、本日(2018年5月8日)15時15分に東証で開示いたしました、2017年度通期決算概要の資料に沿って進めさせていただきます。

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2017年度決算数値につきましては、残念ながら目標には届かず、業績目標と実績との乖離につきましては、本日適時開示をさせていただきました。

グループ全体で、最後まで目標値に近づくべく鋭意努力してまいりましたが、結果的に及ばず、ステークホルダーのみなさまにはたいへん申し訳なく思っております。

2017年度の振り返り

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その反省も踏まえながら、2017年度の活動について、資料の3ページからご説明申し上げます。まず2017年度を振り返り、その活動の成果と課題について整理したいと思います。

成果につきましては、スライドにありますとおり、各事業分野で新しいビジネスに向けた取り組みや構造改革を推進してまいりました。

とくに、戦略分野でありますEMS事業では、沖電線の完全子会社化を通じて事業規模の拡大を実現し、ファクトリーオートメーションなどの新たに成長が期待できる領域への、案件獲得に向けての礎を築くことができたと考えております。

最終的には当期利益を確保し、配当も実施してまいります。しかしながら、全体としては期初に挙げた数値目標に届かなかったことが、大きな反省点でございます。

目標未達の主要因は海外ATMビジネスであり、この立て直しとキャッシュレス化の流れの中で、メカトロシステム事業部門のビジネスモデルの再構築が、大きな課題として残りました。

決算の概要

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続きまして、通期決算の概要でございます。資料4ページをご覧ください。

2017年度通期の業績は、売上高が4,380億円、前年比で136億円の減収、計画比170億円の未達となりました。営業利益が77億円、前年比52億円の増益、計画比53億円の未達となりました。

前年度の貸倒引当金計上による一過性の要因がなくなり、改善はいたしましたが、先ほどご説明したとおり、海外ATMの不振が大きな要因でございます。また、営業外では、前年度は48億円の損失であった為替差額が2億円の差益となった結果、経常利益は85億円となりました。

特別損益につきましては、前年度に連結子会社株式の売却益による特別利益を126億円計上いたしましたが、当年度は大きな収支の差異がないこともあり、最終の当期純利益は59億円となりました。

期中の平均為替レートにつきましては、USドル・ユーロとも記載のとおりでございます。これによる前年比の為替影響は、それぞれ売上高で79億円、営業利益で23億円の増加要因となっております。

期末の配当につきましては、計画通り30円の実施を予定しております。

セグメント情報(売上高)

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続きまして5ページ、セグメントごとの売上高でございます。

情報通信の売上高は1,727億円となり、前年比で47億円、計画比で103億円の減少でございます。一部官公庁向けが好調な一方で、ネットワーク関連の案件など、合わせて60億円ほどが2018年度へ期ずれした影響がございました。

メカトロシステムは、売上高が935億円、前年比で74億円、計画比で115億円の減少でございます。ATMについては、中国市場やブラジル市場の低迷が継続し、他の新興国全般での競争激化などの影響がございました。

プリンターは、売上高が1,089億円、前年比で35億円の減少、計画比で29億円の増加でございます。今年度は構造改革を推進する位置付けの中で、売上高は概ね計画通りとなりました。

EMSは、売上高が477億円、前年比で45億円の増加、計画比で13億円の減少でございます。半導体関連機器向けのプリント基盤を始め、総じて順調でございました。

その他についての売上減は、前年度末に行いました電子部品製造販売子会社の売却による影響と、今年度4Qより連結対象となりました、沖電線の影響を反映しております。

セグメント情報(営業利益)

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続きまして6ページ、セグメントごとの営業損益でございます。

情報通信の営業利益は135億円となり、前年比で9億円の増加で計画通りでございます。売上高は計画に届きませんでしたが、費用の減少等がありまして、これをカバーしております。

メカトロシステムは51億円の営業損失となり、前年比で67億円の改善、計画比で61億円の悪化でございます。先ほどもご説明したとおり、前年度の貸倒引当の影響はなくなりましたが、海外市場でのATMが不振であること、とくにブラジルの赤字圧縮が遅れていることが、最も大きな要因でございます。

プリンターの営業利益は27億円となり、計画比17億円、前年比でも17億円の増加でございます。構造改革の進展に加えて、為替の影響もございました。

EMSの営業利益は22億円となり、引き続き増収増益でございます。

その他の営業利益は20億円で、変動理由は、先ほど売上高のページでご説明したとおりでございます。

FY2017 営業利益の変動要因(前年対比)

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資料の7ページでございます。営業利益について、前年度と今年度を比較した階段チャートでございます。数字は、5億円単位でまとめております。

前年度の貸倒引当金の計上による一過性の損失の影響は解消されましたが、おもにメカトロシステム事業の物量減の影響が大きく、物量変動等による影響で75億円の減少のほか、価格下落の影響が25億円の減少要因となりました。

これに対しまして、ユーロに対する円安の効果などで25億円改善し、プリンターの構造改革などによる固定費の削減で20億円の改善。この結果、前年対比では52億円の増益となる77億円となりました。

B/Sの概要

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続いて、8ページにお進みください。バランスシートの概要をご説明いたします。

総資産は、前期末から111億円増加の3,718億円でございました。沖電線を連結子会社にしたことから、固定資産を中心に増加となりました。

自己資本は、33億円増加の1,002億円となりましたが、自己資本比率では26.9パーセント、D/Eレシオで0.8倍ということで、前年とほぼ同じ水準で、財務上の健全性は変わりございません。

キャッシュフローの概要

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続きまして、9ページはキャッシュフローでございます。

営業キャッシュフローは156億円となり、運転資本の大幅な改善を図りました前年比では減少しておりますが、健全な水準を維持できていると認識しております。

投資キャッシュフローは、105億円の支出となりました。前期は連結子会社の株式譲渡による収入が142億円ありましたが、今年度は通常ベースのキャッシュフローとなっております。

結果、フリー・キャッシュフローは51億円になりました。これにより、借入金の一部を圧縮した結果、最終現金および現金同等物は455億円となりました。

2018年度の方針

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続きまして、2018年度の方針についてご説明いたします。11ページをご覧ください。

冒頭に申し上げましたとおり、2017年度はATMの海外ビジネスを除いては、概ね計画どおりに進みました。しかしながら、そのマイナス部分の影響が大きく、沖全体の数値が引きずられることになりました。

このため、2018年度は、なんとしても沖全体を持続的な成長の軌道へ回帰する方針で取り組んでまいります。

まず、メカトロの海外ATM事業については、抜本的な構造改革を行います。前年度のメカトロの赤字の原因について、最大の要因はブラジルでございます。ブラジル子会社の今期の赤字額は、40億円超となりました。前年度対比での改善を目指し、ブラジル銀行向けのATMの出荷などがございましたが、あとが続かず前年度並みの決算となりました。

また、インドほか新興国向けのグローバルビジネスでも、競争が一段と激化する中で販売台数を確保するという方針に切り替え、価格戦略を一部見直したことによる先行投資を負担した結果、赤字額は10億円超というかたちになり、セグメント全体の数値の下押さえの原因となりました。

中国におきましては向上の低い創業が続いており、実質的にはブレークイーブンなのですが、わずかに水面下というような状況でございます。国内での利益は安定しておりますが、海外の赤字を埋め切るには至っていないというのが現状でございます。

以上を踏まえまして、収益力の改善についての諸施策は、現在取りまとめ中でございますが、その詳細につきましては今月(2018年5月)31日に各事業部門ごとの説明会を予定しております。その場で事業責任者から詳細を説明する予定でございますが、本日の時点でお伝えできる内容を、私からお話ししたいと思います。

ブラジルについては、ATM市場が活性化するには今しばらく時間を要するものと判断しております。既存のビジネスの絞り込みを図り、これに合わせた、徹底した構造改革を行う予定でございます。また、中国についてはさらなる要因の適正化を図ってまいります。

一方、キャッシュレス化が加速いたしております国内ビジネスにおいても、サービス事業の成長を加速するなどの施策を通じ、収益の安定化と嵩上げを図ってまいります。さらに全体として人員リソースの最適な配置を行うことで、メカトロシステム事業としては2018年度総利益イーブンを目指してまいります。

その他の3つのセグメントの進捗につきましては、概ね中計画に沿ったものでございますが、それをさらに加速してまいります。

情報通信につきましては、昨年度数多くのIoTビジネス利用の共創ビジネスを立ち上げましたが、それを拡大フェーズに移行してまいります。

プリンター事業につきましては、インダストリー市場に向けた体制固めが一段落し、その成果を出していく段階にございます。

EMS事業につきましては、順調に成長を続けておりまして、1,000億円事業に向けたペースを加速をしていきたいと考えております。

これを前提として、株主還元については引き続き安定配当を行っていきたいと考えております。

売上高・利益計画の概要

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続きまして、2018年度の計画数値についてご説明いたします。12ページにお進みください。

通期の売上高は、好調な数値のセグメントをしっかり取り組み、4,500億円の計画値といたしました。営業利益は140億円、経常利益130億円でございます。メカトロシステムの構造改革を中心に、特別損失の発生を約50億円を計画値に織り込んでおりました結果、当期純利益を50億円としました。

今期については構造改革のタイミングもあり、最近の事業環境の変化とともに当社の収益がここ数年、下期偏重型になっております。財務健全性を維持しながら安定的に配当を継続するため、配当の実施は期末の1回とさせていただく予定でございます。

今期の年間配当は、前年の同額の1株あたり50円を維持していく予定でございます。

為替レートの前提につきましては、ドルが110円、ユーロが130円でございます。

セグメント情報

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次に、資料13ページで主要セグメントの計画値についてご説明いたします。

情報通信事業の売上高は、前年比123億円増加の1,850億円でございます。営業利益は、前年比5億円増加の140億円の計画です。2017年度からの期ずれ・一部官庁向けの売上増に加えて、共創ビジネスの実績拡大を目指してまいります。

メカトロシステムの売上高は、前年比105億円減少の830億円でございます。営業利益は、前年比50億円改善のイーブンで計画しております。戦略の見直しと合わせまして構造改革を実施し、収益構造の最適化を図ってまいります。

プリンター事業の売上高は、前年比39億円減少の1,050億円です。引き続き、収益率の改善を目指してまいります。営業利益は35億円を計画しております。

EMS事業の売上高は、前年比155億円増加の710億円でございます。沖電線連結のシナジーを最大限発揮し、さらなる成長を目指してまいります。営業利益は、45億円の計画でございます。なお、EMSセグメントは従来(セグメントの)「その他」に含めておりました子会社の一部について、セグメントを見直した結果、今期よりEMS事業に含めております。

営業利益の変動要因

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続きまして、14ページは階段チャートでの比較でございます。物流増加および機種構成の改善により75億円改善するほか、記載の通りの変動を見込んでおりまして、投資の増加を見込んだ結果全体では、140億円となる計画でございます。

フリー・キャッシュ・フロー

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続きまして、フリー・キャッシュフローにつきましては、ほぼ前年並みの60億円の収入を計画いたします。今後の成長やそれを支える投資を行いながら、安定したフリー・キャッシュフローとする計画としております。

設備投資、研究開発投資

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設備投資につきましては、EMS事業の生産能力の引き上げを図るための投資を増やしております。またプリンターにつきましては、インダストリー市場向けの新商品の開発投資を増やしております。研究開発費につきましては、情報通信のIoT関連、共創ビジネスを強化するための投資に、大きく配分する計画としております。

以上ご説明いたしました通り、中期計画の2019年につきましては、その一部の戦略の見直しが必要がでてきておりますが、経営目標であります営業利益率6パーセント・自己資本比率30パーセント以上につきましては、引き続きこれにこだわり、達成に向けて取り組んでいく所存でございます。

以上で、ご説明を終わります。本日は、ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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