ヨシムラFHD、通期売上高は前年比123.4% 中小企業支援プラットフォームが貢献

2018年4月20日に行われた、株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス2018年2月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス 代表取締役CEO 吉村元久 氏

会社概要

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吉村元久氏:おはようございます。ヨシムラ・フード・ホールディングスの吉村です。本日はお忙しい中、みなさまにお集まりいただきまして、ありがとうございます。

(決算説明会への参加が)初めての方もいらっしゃると思いますので、お手元の資料に沿って、はじめに簡単なビジネスモデルの話をさせていただきまして、その後に2018年2月期の決算説明を詳しくご説明したいと思います。

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食品業界に特化した中小企業の支援が、私どものビジネスです。支援とは言っても、コンサルティング会社が行うような提案だけではなく、実際に株を引き受けて連結対象にし、同じ船に乗って成長していくというモデルです。

具体的には、後継者がいない会社さんから株を引き受ける。親会社がビジネスの選択と集中の中で、子会社を売却するときの受け皿になる。

また、ビジネスが立ちいかなくなって、スポンサーを探してる会社等々の受け皿になるということもやっています。そのような意味では、私の知る限り同業他社はいませんし、少なくとも、上場企業には私たちと同じビジネスをしている会社はなく、非常にユニークなビジネスをしていると自負しています。

ここに書いていますように、2008年(3月)、11期目になりますが、特徴的なところは、(私が代表取締役CEOに就任しており)代表取締役は2人。(代表取締役COOの)北堀さんは、今日ここには来ていないのですが。食品業界で50年近くの経験があって、食品会社の経営としても30年近く携わってきたというところで、彼は日々のオペレーションを担当しています。

私は、非日常的な業務……今回のような投資家に対する説明会、金融機関との話し合い等々(を行っています)。非日常的な業務を行っているという意味では、(両者間で)線引きをしているということが(当社の)特徴的かと思います。

また、株主としては私の次に、JT(日本たばこ産業)が入っているということも、特徴的な点だと思います。

当社の歩み

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こちらは、当社の歩みです。

2008年に設立してから、食品の会社を引き受けてきました。2012年には、その以前に引き受けた5社を、いかに1社1社ではなかなか生き残りにくい状況の中、どのようにグループとして生き残っていくかということを、いろいろ試行錯誤しています。

2012年に、現在のような仕組み……後ほどご説明しますけれども、中小企業としてのプラットフォームを始めました。私からすれば、2008年から2012年とそれ以降では、少し(仕組みの)レベルが変わっていると考えています。

今の体制になってから、毎年、1社〜3社を引き受けてきまして、2年前の2016年にマザーズに上場し、昨年(2017年)東証第一部に市場変更をしたという状況です。

この中で、前回説明会を行ってから(グループに)入った会社が2社あります。その1つは、昨年の12月に、JSTT SINGAPORE。この会社はシンガポールで工場を持っていて、お寿司やおにぎりなどの和食を製造しています。シンガポールで(業界)第2位のスーパーマーケットチェーンのコールド・ストレージで、製造したお寿司等々を販売している会社です。

もう1つは、株式会社おむすびころりん本舗。(2018年)3月1日にグループに入りましたが、こちらは安曇野市にあるフリーズドライの会社です。主な商品は、フルーツや野菜などのフリーズドライで、それ以外には「野沢菜ふりかけ」。こちらは、長野県のお土産として有名で、誰もが知っているかなと思っています。

以上のように、今期(2018年2月期)までに14社が、グループ下にあるという状況です。

中⼩企業⽀援プラットフォーム

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8ページです。先ほど「2012年に体制を作った」と申し上げましたけれども、これが、私どもが中小企業を引き受けた後に支援をする体制になります。

ここに書いていますように、グループ会社を「機能別に統括」することで「相互補完・相互成⻑」を図る仕組みです。

この仕組みの基本的な背景は、私たちが中小企業に対して持っている考え方ですけれども。生き残っている中小企業は、機能別に見て強いところもあるし、弱いところもある。

例えば、一般的に多いのは、この図における黄色の部分で言うと、製造部門では真面目にコツコツ美味しいものを作っているんだけれども、営業が弱いとか。製造が強いんだけれども、商品開発が弱いということです。

生き残っている会社は、良いところはあるんだけれども、弱いところは本来の実力を発揮できないと考えています。そのような点で、その会社の弱いところをサポートして、強いところは、他のグループ会社にも活かしていくという仕組みになります。

(スライドの)右に書いていますように、「会社の壁を越えて、機能ごとに横断的な組織を構築する」ということで、営業・製造・仕入れ物流等々、各社・各機能の統括責任者は、ホールディングカンパニー(ヨシムラ・フード・ホールディングス)にいます。

営業の統括責任者は、グループ全体の営業を取りまとめていまして、どの会社の営業マンがどのようなルートを使って、どのような商品をどこに売ってるかということを、把握しています。与えられたリソース・営業マン・販売網を、いかに効率的に使うかを統括する。

ですから、新しい会社が入ってきたときに、その販路を活かして既存の会社の商品を、どこに売れるかということも考えており、無駄のない営業活動を行える仕組みになっています。

商品開発では、通常は売上高が10億円~20億円程度の食品の加工会社には、専属で優秀な商品開発の人間がほとんどおらず、営業マンが兼任でやっているケースが、多くあります。

とくに地方の会社になりますと、なかなか優秀な人が雇えないという点があります。(その点)私どもグループでは(売上高が)約200億円あって、東京に本社がありますので、優秀な人間を外部から雇ってきまして、その人間が各社の商品開発担当を取りまとめています。

商品開発のPDCAを回すことも行っているという意味で、各社にそれぞれ強いところ・弱いところがあって、それ(強いところ)を弱いところに、いかにサポートするかという仕組みを、今まで、このようなかたちで行ってきました。

簡単ではありますけれども、ビジネスモデルの説明に関しては以上です。

2018年2⽉期 決算ハイライト

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続いて、2018年2月期の決算の説明をいたします。

まず、ハイライトです。全体として、売上高・利益は前期を上回っているのですが、昨年(2017年)に(業績見通しを)下方修正したところが、1つのポイントかと思っています。

損益に関しましては、後ほどで詳しくご説明します。売上高に関しては(前期比)23.4パーセント増。利益は、経常ベースで(前期比)4.6パーセント増えています。

損益計算書

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11ページ目は、損益計算書です。

まとめとしましては、上の段に書いていますように、売上高は増収となったものの、利益はM&Aの取得費用8,300万円の計上に伴い、微増にとどまりました。

私どものビジネスは、非常に難しいところがあります。先ほどご説明したように、基本的にグループの会社は、中小企業の支援プラットフォームとして、少しずつ売上利益等を伸ばしていくモデルとなっています。

1つのビジネスのドライバーとして、後継者がいない会社さん等々を引き受けて、その会社の売上利益(拡大)を取り組んでいくということがありますが、日本の会計基準の範囲ですと、やはりM&Aの取得費用(がかかります)。

これは、M&Aの仲介の手数料、それからデューデリジェンス費用。また、(M&Aの取得費用の)8,300万円には入っていませんが、取得した後は、システムの入れ替えや、会計上でさまざまな手直しする部分で臨時的に人を雇うなど、費用は嵩みます。そのような意味では、取得した段階で、一時的な費用が膨らむという点がポイントです。

ですから、同じ会社を引き受けるうえで、それぞれ、期初・期中・期末で買うのでは、期間損益に与える影響は大きく変わってきます。

例えば、売上が10億円・利益が1億円の会社を期初に買えば、12ヶ月分ですから、10億円の売上・1億円の利益は、その期(の損益)に取り込めます。しかし、期中に買った場合、当社の決算において、その半分、5億円の売上・5,000万円の利益しか取り込めません。極端な話、最終月に買った場合、ほとんどの売上と利益の取り込みは(その期に計上)できない状況になります。

ですから、1年という区切りで考えますと、非常に(損益の見通しが)難しいところがあって。例えば、非常に大きな会社が子会社を買うということであれば、そこに与える手数料や売上・利益の取り込みが、(株主)本体に与えるインパクトは小さいと思います。

けれども、私どもはまだまだ小さい会社で、発展途上の段階です。今期のように8,300万円や1億円に近いコストがかかってしまうと、とくに今期の場合は期末に(M&Aが)集中しましたので、期間損益に与える影響が大きく出て、今回のような結果になったと考えています。

ですから、経常利益は(前期比で)4.6パーセントしか伸びていません。こちらについては次のページで、もう少し詳しくご説明をしたいと思います。

業績⾒通しおよび実績

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当初の(業績)見通として、売上高は190億8,800万円、営業利益は5億7,600万円、経常利益は6億700万円ということでスタートしました。

2018年2月期の第2四半期は非常に好調で、2億9,500万円の見通しが(実績では)3億8,900万円と、ほぼ1億円上振れし、見通しとの差異が30パーセントを超えております。東証の規定として、上方修正をしなければいけないということで、2017年の10月に業績修正をしました。この時点では、当初の下期の見込みは据え置いて、上期の上振れ部分をそのまま通期の見通しに上乗せして、修正見通しを出しました。

ただ、この段階ではM&Aの取得や、M&Aの会社の取り込みを入れていませんので、純粋に既存の会社の売上・利益を積み上げた数値となっています。

この段階で7億200万円の経常利益を見込んでいたのですが、その後、下期ににM&Aの取得費用が8,300万円発生して、主力の楽陽⾷品で原材料が上がり、売上は伸びましたが、利益が大幅にダウンしたということがありました。結局、下方修正をせざるを得なくなったという状況です。

ただ、ここで見ていただけると分かるかと思いますが、M&Aの取得費用を除く(当初の)営業利益の見込みは5億7,600万円。実際の着地は5億8,300万円でしたので、全体としては当初の見込みどおりでした。

そのような部分が、私が先ほど申し上げたように、非常に難しいところです。全体としてはほぼ見込みどおりでしたが、取得費用を一時費用として認識するということで、会計基準が変わりましたので、そちらが(修正見通しに対して業績が下回った)一番大きな要因です。

もう1つは、前半に業績がよく上方修正をして、一方で、下期(に業績)が悪く、下方修正したというところで、マーケットに対してはミスリーディングな数字の発表になったと、非常に反省をしています。

売上⾼の状況(セグメント別)

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売上高に関しては、利益と異なり、M&Aの取得費用等々は関係ありませんので、それほど、(見通しに対する)振れが発生しません。

こちらは、何社がグループに入ってきて、どの段階から売上が連結に取り込めるか、というところがポイントになります。ですから、前期(2017年2月期)の場合には、期中に3社が入ってきたのと、今期(2018年2月期)の場合には期末に2社が入ってきたところが、1つのポイントになります。

ここで見ていただいてわかるように、既存の会社に関しては、⽩⽯興産を除いて、基本的に増収になっています。そのような点では、中小企業の支援のプラットフォームとして、既存の会社は、売上が確実に伸びていまして、ここは非常にがんばっているところかと思います。

ご存じの方もいるかと思いますけれども、中小企業の食品会社はなかなか厳しい状況です。前期比で増収し続けるのは非常に難しいのですが、(当社のグループ会社は)がんばっているのかなと思っています。

今期に関して言うと、前期に(グループ)入った榮川酒造とエスケーフーズが大きく寄与し、そこがプラスになっている状況です。

費⽤の状況

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こちらのページは、費用の状況です。

ポイントとしては、少し物流費が上がってきています。売上高が増えているという要因もあるのですが、やはり物流費自体は、少しずつ値上げのプレッシャーがかかっていると認識しています。

貸借対照表

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貸借対照表については、それほど大きなポイントはありません。JSTT SINGAPORE等の取得によって、のれんが増加しており、あとはM&Aにおける資金調達を行っていますので、借入金が増加しています。

2019年2⽉期通期業績⾒通し

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最後に、今期(2019年2月期)の見通しです。

(スライドの)上に書いてますように、JSTT SINGAPOREとおむすびころりん本舗が、今期はよりフルに寄与していくところが、売上高上昇に繋がっています。

ポイントとしましては、M&A(による成長)。今期に入るであろう会社、それに伴う費用に関しては、まったく含まれていません。そこが、私たちのビジネスとして本質的に非常に難しいところです。日本の会計基準によって、1年間を区切って利益を出すとなると、(業績の見通しが)非常に難しくなります。

これが、もう少し私たちがグループとして成長して……より継続的に、毎年複数社が入ってきて、だいたいの規模が分かり、その経験が積み重なっていけば、入ってくるであろう会社の売上・利益や、それに伴うコストも見込みとして出せるかもしれません。

ですが、現時点においては、なかなか(見通しを)出せるような状況ではなく、頭の中では、ある程度「複数社を買って、このぐらいコストがかかるだろう」という考えはあるのですが。実際には、これは相手のある話ですから、(グループ入りするか)どうかも100パーセントではありません。

(グループ入りは)決まっているんだけれども、最後のところで、さまざまな手続き上、クローズが伸びるというケースもよくあります。先ほども申し上げましたように、タイミングがずれれば、期間損益に与える影響が大きくなるという点で、それを見越して見込みに入れることは、なかなか難しい状況です。そのような事情については、ぜひ再認識していただきたいと思います。

以上を含めてお話ししますと、既存の会社の売上・利益の見込みを合計して、今期の見込みは、(売上高は)前期比116.2パーセントの232億7,800万円。経常利益に関しては、(前期比)104.7パーセントの5億8,000万円を見込んでいます。

ただ、ここには、おむすびころりん本舗の取得費用の4,300万円が含まれていますので、一時的にかかった費用が、(今期の)上半期に計上されることになります。

(スライドの)一番下に書いていますように、前期の上期に調子がよくて上方修正して、下期に失速して下方修正したという苦い経験を踏まえ、既存のグループの会社については保守的に業績を見込んでいます。

簡単ではありますけれども、私どものビジネスモデルと、2018年2月期の決算に関するご説明をさせていただきました。

どうも、ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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