株式市場の振り返り-日経平均株価は続伸、一時はマイナス圏に沈む場面も

2018年3月9日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,469円(+101円、+0.5%) 続伸
  • TOPIX 1,715.4(+5.5、+0.3%) 続伸
  • 東証マザーズ総合指数 1,209.6(+3.4、+0.3%) 続伸

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,097、値下がり銘柄数:886、変わらず:86
  • 値上がり業種数:20、値下がり業種数:13
  • 年初来高値更新銘柄数:42、年初来安値更新銘柄数:17

東証1部の出来高は17億5,048万株、売買代金は3兆5,584億円(概算)となり、いずれも前日より大幅増加となりました。売買代金は1週間ぶりに3兆円を回復しています。

ただ、メジャーSQ算出に伴う嵩上げがあったことを割り引くと、概ね前日並み、もしくは、小幅増加程度の商いだったと推察されます。

そのような中、日経平均株価は寄り付きから高く推移し、米国と北朝鮮の首脳会談実現の見込みが発表された前場の半ばには、一時+516円高まで上昇しました。しかし、その後は急速に値を消して、後場の半ばには一時▲10円安のマイナス圏に転落する場面が見られています。

その後はやや戻して続伸で引けましたが、1日の値幅(高値と安値の差)が526円に達するなど、非常に荒い値動きだったようです。

なお、TOPIXも同じような値動きでしたが、終値の上昇率は日経平均株価を下回りました。これは、日経平均株価を構成する主力値嵩株の買いが強かったことを示唆しています。

東証マザーズ総合指数は小幅続伸、売買代金は4日ぶりに1,000億円を上回る

東証マザーズの出来高は6,010万株、売買代金は1,008億円となり、いずれも前日より増加しました。ただ、増加はしましたが、米朝首脳会談の実施見込みというニュースが新興市場に与えた影響は限定的だったようです。それでも売買代金は4日ぶりに1,000億円を上回りました。

また、総合指数は小幅上昇となる続伸でした。取引時間中には一時1,200ポイント割れ寸前まで下落する場面もありましたが、終値ではかろうじて維持しています。

ルネサスが一時+9%高に迫る急騰、ローソンは4日連続で昨年来安値を更新

個別銘柄では、前日に売られたコマツ(6301)と日立建機(6305)が大幅反発となり、ダイキン工業(6367)や信越化学工業(4063)も大きく値を上げました。

また、キーエンス(6861)が大幅高となり、DMG森精機(6141)や牧野フライス製作所(6135)が大幅上昇になるなど、設備投資関連株の一角が買われています。

その他では、半導体関連株が軒並み買われる中、ルネサスエレクトロニクス(6723)が一時+9%高に迫る急騰となったのが注目を集めました。

一方、トランプ大統領の輸入制限発動を受ける形で鉄鋼株が総じて売られ、神戸製鋼所(5406)は大幅安となりました。また、自動車株ではマツダ(7261)が大きく値を下げて昨年来安値を更新し、LIXILグループ(5938)は3日連続の安値更新となっています。

その他では、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)が取引時間中に高値を更新し(注:終値では下落)、ローソン(2651)が4日連続で安値を付ける“ファミマ買い、ローソン売り”の動きが止まらなかったことが目を引きました。

新興市場では、ナノキャリア(4571)が▲28%超安の暴落となりストップ安で引け、ジェイテックコーポレーション(3446)は急反落しました。一方、マネーフォワード(3994)やメドレックス(4586)が堅調に値を上げて高値更新となっています。

青山 諭志