シスメックス、20年に売上高3,500億円を目指す ライフサイエンスなど次期コアビジネス育成

2018年1月9日に行われた、シスメックス株式会社の個人投資家向け説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:シスメックス株式会社 代表取締役会長兼社長 家次恒 氏

個人投資家向け説明会

家次恒氏(以下、家次):みなさま、あけましておめでとうございます。シスメックス株式会社、社長の家次恒です。

本日は私どもの会社の説明をいたします。

今日は、会社の概要・特徴・強み、それから、今後の成長戦略、株価と配当政策等についても説明いたします。

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事業内容

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会社の概要です。私どもは、検査の会社です。

現在の医療は、検査のデータがないと成り立ちません。私どもは、血液や尿を体から取り出す検査のための機械・分析に必要な試薬・ソフトウェアなどを、研究開発から製造、販売、そしてサービスアンドサポートまで、すべて一貫してやっている会社です。

みなさま方の血液の検査にも、私どもの機械が使われているのではないかと思います。

いずれにしても、「検査」でみなさまの健康を支えている会社です。

事業領域

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私どもの事業領域である検査というのは、大きく分けて2つあります。

まず病院に行くと、お医者様が問診で「どういう状況ですか?」と聞くと思います。そのあと、検査の指示が行われます。

臨床検査には2つあります。

1つは「検体検査」という、体から取り出して測るもの。例えば、血液や尿といったものです。

もう1つは「生体検査」と言い、ご自身が出向く検査です。わかりやすいのはレントゲンや、心電図やCT、MRIです。

我々(の事業領域)は検体検査で、いわゆる採血したものです。(採血が済めば)患者さんはお帰りくださいというものです。

そのようなデータによって、お医者さまは診断します。病名と治療方針を決め、それから治療に入ります。

治療後に、実際に治っているかどうかも、検査で判断します。検査をして、「このデータならもう完治しています」というかたちで、お医者さまは診断・治療し、完治というプロセスを踏むわけです。

したがって、治療や投薬の効果について、検査は不可欠であると思っています。我々は、その検体検査を担っています。

製品が活躍する場所(お客様)

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製品が活躍する場所についてです。

どういうところが私どものお客さまかについて、ご説明します。最終的には患者さんの役に立つということはすべてやっていますが、当然ながら(顧客の)1つは病院です。

シスメックスは大きな病院に最も強いですが、比較的中規模以上の病院にも強いです。

検査センターは、例えば、開業医さんなどから検査結果を集め、それを集中的に検査する会社です。検査専門の機関です。日本ではビー・エム・エルさんや、エスアールエルさんがあります。

クリニック・診療所もあります。どちらかというと、わりと簡単な検査をするところです。

それから、動物病院です。最近はペットクリニックなども随分流行っており、動物の検査は広がってきています。

動物でもペットだけでなく、例えば、水族館のイルカや、動物園の牛・馬などもあります。

主に人間のものが中心ですが、いろいろなところで私どもの製品が活躍しているということです。

プロフィール

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会社のプロフィールです。

私どもは、1968年の2月20日に設立しました。今年(2018年)の2月20日で、ちょうど創立50周年になります。

神戸で生まれ育った会社です。売上高は約2,500億円で、そのうちの80パーセント以上が海外の売上です。

従業員は、8,000名弱ぐらいです。

シスメックスという会社は、カタカナなので外資系と間違えられることもあたりするのですが、神戸で生まれた純然たる日本の会社です。

会社の名前は造語で、「SYS」tematical、「ME」dicsにプラスして、無限の可能性を意味する「X」から取りました。システム医療や管理医療などの言葉から取った造語です。

設立から30年ぐらいは東亞医用電子という名前で、30周年を機に、ブランド名だった「シスメックス」に名前を変えました。

上場市場は東証1一部で、本日(2018年1月9日)の株価は9,290円という状況です。

シスメックスの企業理念

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シスメックスの企業理念です。

非常に大事なところで、企業はきちんとした理念・モノの考え方を持って、経営すべきです。

これは創業者以来のモノの考え方です。

私どもの企業理念は、横文字・カタカナで恐縮ですが「Sysmex Way」です。

「Mission」「Value」「Mind」に分かれて別れています。こういう表現をしているのは、海外の人たちには、非常にわかりやすいからです。

昔、私どもの経営基本方針というのは「3つの安心」でした。

お客さまに「安心」して使ってもらえる。お取引先に信用していただける、「安心」して取引していただく。従業員が「安心」して働ける。

この3つの安心という基本理念を、2007年に少しグローバル化して、表現を変えました。

「Mission」というのは、企業の存立基盤です。企業の立っている意味、存在意義ですが、ヘルスケアの進化をデザインすることです。

「Value」というのは、経営姿勢です。私たちは、独創性あふれる新しい価値の創造と、人々への安心を追求し続けます。

「安心」も、シスメックスの大きなキーワードです。みなさまに安心をどう伝えられるか・、安心していただけるか、ということです。

「Mind」というのは、これは役職員の我々の姿勢です。情熱としなやかさをもって、自らの強みと最高のチームワークを発揮します、ということです。

これを6ヶ国ヵ国語ぐらいに訳して、それぞれの地域で、すべて社員に対して啓蒙啓発しています。我々は、こういう理念に基づいて経営をしています。

挑戦の始まり

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挑戦の歴史について、説明いたします。

「TOA」という、現在、本社がポートアイランドにあるマイクロフォンやスピーカーを作っている会社が(シスメックスの)母体です。

TOAは(もともとの社名が)「東亞特殊電機」で、兵庫区で生まれた会社でした。80年以上の歴史がある会社です。

(東亞特殊電機の)2代目の社長で(シスメックス)創業者の(になる)中谷太郎が、「これからは医療が大事になるだろう」と、1959年にアメリカを視察しました。

当時、東亞特殊電機は、売上が2億円ほどの中小企業でした。そこから(事業を)多角化しようという動きがあり、ちょうどその頃、国民皆保険制度が日本でできつつありました。それをやろうということで、小さな研究室を会社の中に作り、独自に研究開発をして、1963年に自動血球計数装置を実用化しました。

血球計数装置というのは、血液の中の白血球や赤血球、血小板の数を測る機械です。

その増減度によって、病気の種類がある程度わかります。

とくに白血球は、今は血液の分析装置が主流ですが、当初は白血球と赤血球の数を測るという機械でした。

従来はお医者さまが顕微鏡下で(白血球などの)数を数えていたものを、電気的に測るようにしました。生産性が非常に上がるとともに、正確性も上がったということです。

それを、1968年に作った東亞医用電子という会社から販売しました。

業績推移(上場以来)

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業績は、おかげさまで堅調に推移し、上場以来、増収増益です。

2017年の3月期は、最終的な純利益はプラス、増益になりましたが、残念ながら売上と経常利益、営業利益は若干マイナスでした。

これは基本的には、為替が円高が(要因に)ありました。一昨年はご承知のように、イギリスがEUから出る「ブレグジット」があり、それで急激な円高になりました。それまでは、ずっと増収増益を続けていた会社でした。

今期については、2,800億円ほどの売上を目標にしています。

売上の8割以上が海外で、血液を測るビジネスですから、マーケットの潜在力は人口です。

経済成長・、経済水準も関係しますが、人口が多いところはそれだけ、検査の数が多くなります。

日本は1億3,000万人、お隣の中国は13億人ですから、人口は圧倒的に海外の方が多い状況です。

主な事業拠点

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主な事業拠点です。

「神戸から世界へ」ということで、私どもの会社は神戸で生まれ育った会社です。したがいまして、主な施設は、すべて兵庫県内にあります。

本社はHAT神戸の近くにあります。研究開発は西神中央にあり、研究開発はそこで行なっています。

生産工場ですが、私どもの機械はすべてメイド・イン・ジャパン。もっというとメイド・イン・兵庫県です。

加古川には2つの機械工場があります。部品等を(製造)している会社は、他にも若干ありますが、基本的にすべてメイドイン兵庫県で機械が作られています。

試薬(の生産)は、兵庫県の小野と西神に2つ工場があります。

お客さまに対するサービス&サポートや研修、コールセンターについては、西神南のソリューションセンターが担っています。

このように、コーポレートの本部の組織は全部、神戸市を中心とした兵庫県に展開しています。

また、ポートアイランドには、ライフサイエンスなど新しい分野を中心にラボを持っています。

ポイント

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次に、シスメックスの強みです。

ポイントが3つ書いてあります。1つめは、安定した収益が得られるビジネスモデル。2つめは、顧客ニーズに応じた製品開発力。3つめは、グローバルな販売・サービス&サポート体制です。順にご説明いたします。

ビジネスの種類を例えると ポイント①

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まずポイント①の、ビジネスモデルです。みなさまは、年末に年賀状を刷ると思いますが、そのときに使うプリンターとインクの関係です。プリンターには必ず、専用のインクを使います。

血液検査でも尿の検査でも、私どもの機械にしか使えない試薬で検査をします。

なぜ専用の試薬にしているかというと、機械と試薬、両方とも我々シスメックスが開発することによって、なにか問題が起こるとすべてシスメックスの責任になるからです。我々が解決しなければならない。

我々の同業者によっては、機械だけ作っているところと、試薬だけ作っているところがあります。そうすると、もしデータに問題があったときに、それは機械が悪いのか、試薬が悪いのかわからないですよね。原因はどちらだ、という話になります。

シスメックスの場合は、両方作っていますから、(データに問題があったときに)「これはシスメックスの責任だから、シスメックスがきちんと解決する」ということをやっています。

検査には必ず機器と試薬、あとはソフトウェアが必要なのですが、そういうことです。

ビジネスモデル<収益構造> ポイント①

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ビジネスモデルについて、もう1つご説明します。最初の1年は保証期間中ですが、2年目からは保守契約というかたちで、サービスでもお金をいただく仕組みです。

したがって、私どもの機械を使っていただくと必ず試薬が消費され、なおかつサービス&サポートをします。また、保守契約の契約保守料が入ってきます。

全体の売上は、半分が試薬の売上です。機械は3割ぐらいです。もともと機械の会社だと思われているかもしれませんが、実は(売上の)大きなものは試薬です。そして約1割ぐらいが、サービス収入という状況です。

医療ですので、基本的には景気に左右されることはなく、安定的な収益が得られます。好不況に関わらず、病気になる方は常にいるので、景気と病気とはなんの関係もありません。

そういう意味で、安定的な収益が得られます。

お客様のニーズに応じた製品開発 ポイント②

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もう1つ(のポイント)は、お客さまのニーズに応じた製品開発です。私どもは、機械・試薬ともに作っていますが、それだけではなく、いかに検査を効率化するか(もポイントです)。

今、医療は、とくに病院の経営が大変です。医療のコストをどう下げるかも、日本の重要な政策の1つです。

日本の場合は皆保険制度ですから、国はかなり税金を投入している状況です。そのなかで、いかにトータルとしてコストを下げられるかというのは、非常に重要な問題です。

「シスメックスは、医療機器や試薬の会社だから、製品が高く売れたらいいのだろう」と思われがちですが、実はそうではありません。お客さまに対してどれだけ、トータルのコストを下げられるか。ひいては、医療費をどう抑制できるかということが、会社として非常に大事な目標の1つです。

昔は機械の前に1人ずつ人が立っていたのですが、今は機械が4・5台あっても、1人で全部できる仕組みにしています。

また、臨床的な価値という点で、新しい検査ができています。今までわからなかったことがわかるようになったり、大変な検査が今は簡単にできるようになったりしています。

このように今、医療技術等が非常に進んできました。これからもますます進んでいくだろうと思っています。

それから、ITを活用した先進的なサービス。私どもの機械はすべてネットワークにつながっており、遠くからリモートでサービスできる仕組みも持っています。

お客さまに使いやすいユーザビリティも大事にしながら、基本的な製品性能も上げ、お客さまの期待・要望を汲んだ製品開発によって、経済的・臨床的な付加価値を提供できます。

これは私どもが、研究開発から生産・販売サービスまで、すべてを自分たちでやっていることから生まれる価値です。

グローバル展開 ポイント③

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3つめ(のポイント)が、グローバル展開です。世界190ヶ国以上に製品・サービスを提供しています。主なところでは、ヨーロッパ、アメリカ、当然日本を含むアジアで直接販売サービスを行っています。

中国などは少し違いがあるので、地域によっては代理店を使うことがありますが、基本的にはお客さまと直結する体制です。また、お客さまもそれを望んでいます。

我々のお客さまというのは、直接的には病院の医師や検査技師など専門家が中心です。そういう人たちと直接的にお話をすることによって、「こうしてほしい」「これがわからない」といったニーズをとってきて、それを製品に反映しています。このグローバルな販売ネットワークは、我々の大きな強みです。

私どもは、世界中の病院に製品を届けることができる仕組みをもっています。これは、非常に強いところだと思っています。当然ながら、サービスもすべて自分たちでやっています。

(スライドの左下を指して)ここに売上構成が出ております。一番大きいのはヨーロッパで、それから中国、米州、日本、アジア・パシフィックです。これは為替によって少し変わりますが、ほぼ、このようなかたちで展開しています。

シスメックスの売上構成とシェア

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シスメックスの売上構成とシェアです。

ヘマトロジーは、血球計数という白血球・赤血球の数を数えるところからスタートして、今は血液の分析をしています。その分野では我々はグローバルでナンバーワンで、約50パーセントぐらいのマーケットシェアを持っています。

それから、血液凝固の分野です。これは、血栓ができやすい・血が固まりやすいということで、とくに循環器系では非常に大事です。人によって(血液の性質が)違うのです。

そのため、どのぐらい薬を投与したらいいかなどを決めていく、重要な検査です。これはドイツのシーメンスという会社とアライアンスのもとに、グローバルナンバーワンです。

それから尿沈渣の分野も、我々の売上の約8割が、グローバルシェアナンバーワンとなっています。

そういう意味では、高い競争力を持っています。

外部環境

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今後の成長戦略です。

外部環境です。1つは、健康寿命の延伸です。先進国はとくに高齢化ということで、日本が一番高齢化が進んでいますが、いかに元気で長生きするか。

元気で長生きをするのは、みんなの希望・目標です。そのために我々は何ができるのか、ということです。(病気が)早くわかって、早く治すのが一番いいわけで、そういう意味では、検査や健康診断は非常に大事な要素です。

もう一方では、新興国や発展途上国で人口が今増加しています。日本は人口減少社会ですが、地球規模では今人口が増えていっているのです。70億人を超えています。

発展途上国などには、既存の医療があります。例えば、薬草(を使う伝統医療)だとか、中国でいうと漢方医などです。

ずっと培われてきたその医療が今、西洋医療に変わりつつあります。経済成長が積み重なると、我々が受けている西洋医療に変わります。それは、人口が多いところでは、爆発的に検査の数が増えてくるということです。

もう1つは、グローバルな多様性です。女性もずいぶん活躍していますし、いろいろな多様性が大事だと(考えています)。

それから技術については、IoT、AIや人工知能、ビッグデータの解析などの(進展がある)もう一方で、ロボット技術もずいぶん進化いたしました。

シスメックスは、川崎重工業株式会社さんと一緒に、「株式会社メディカロイド」という会社を作って、手術用ロボットを開発しています。これからはだんだん、そのような時代になっていくということです。

それから、我々のメイン(の事業領域)であるヘルスケアについてです。1つはゲノム技術です。いわゆる「遺伝子」の配列が2003年にすべて読まれた」というのを、お聞きになった方もいると思います。今はDNAを調べるといった話が頻繁に出ますが、このゲノムがわかったことによって、世の中と医療が大きく変わり、個別化医療などが出てきます。

それから、山中伸弥先生のiPS細胞に象徴される、再生医療です。ポートアイランドでも「アイセンター」という施設ができまして、高橋政代先生が加齢黄斑変性(の研究)を4、5例しています。iPS細胞によって、それを治療するという動きが、具体的なかたちでできている状況です。

企業理念、長期ビジョン

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私たちシスメックスは、先ほど企業理念「Sysmex Way」の長期のビジョンとして、「特徴のあるグローバルなヘルスケアテスティング企業」になろうという目標を持っています。

今もそうですが、グローバルナンバーワンになる、それからアジアのIVD(体外診断)市場における、リーディングカンパニーになるといったことがあります。

もう一方では、新たな医療である個別化医療の先進的なグローバルプレーヤーになるということや、価値を生み出す会社といった、いろいろな長期目標を持って進んでいます。

中期経営計画の概要

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中期経営計画の概要です。

これは去年(2017年)の5月に発表したものです。2020年には、売上高が3,500億円、営業利益が720億円、ROEが20パーセント以上、営業キャッシュ・フローが550億円以上、フリー・キャッシュ・フローが300億円。

このような目標を立てました。これは、去年の4月からスタートした、我々の3年間の中期経営計画です。

スタートのところは、去年の2017年3月期の売上が約2,500億円ですから、3年間で1,000億円増やそうという計画です。

かなりチャレンジのような計画ですが、着実に成し遂げていきたいと考えています。

このなかで私どもは(ビジネスを)2つのカテゴリー(に分けました)。

1つ(のカテゴリー)は、コアビジネスです。今まで我々がやってきた、血球計数や尿、免疫、凝固などです。

病院での検査は、どんどん広がりが出てきています。発展途上国や新興国に西洋医療が入ってくる中で、広がりが出てきています。また、マラリアや結核、インフルエンザなどの感染症も、発展途上国で随分流行しており、その検査の収益力をどう強化するか。より価値の高いものを生んで、お客さまに提供し、リターンをいただくということがあります。

もう1つ(のカテゴリー)は、成長への投資で、シスメックスのネクストコアビジネスです。

1つは「FCM」です。Flow cytometryメーターと言い、我々は血液などをやっていますが、流れているものをどういうかたちの中で、どういうものをきちっと見出していけるかということに使う、機械と試薬です。

それから「ライフサイエンス」は、ゲノムです。遺伝子の解析などにより、いろいろなことがわかるようになってきています。

最近、そのようなTV番組も随分あります。私もお正月に、人体についての「NHK スペシャル」のような番組を見ました。そのような番組を観ると、いかに医療が変わってきているか、よくわかると思います。

また、昔は治らなかった不治の病が治るという状況が、今はできています。新しい技術によって、そういうことがわかるようになっています。

も、今は臓器別に「肺がん」「胃がん」「大腸がん」と言いますが、実は遺伝子のどこがおかしくなっているかによって変わってきます。ですから、抗がん剤等も、(遺伝子の)どこがおかしいか(という判断)によって使います。

例えば、肺がんの薬が大腸がんに使えることも、その逆もあります。臓器別から、遺伝子の変異別に(投薬の判断基準が)変わりつつあるのです。

いずれにしても、そういう中で我々は、ものづくり・ITの基盤、人材の変革を推進していこうと(考えています)。それによって、目標を達成していこうと動いているところです。

さらなる成長に向けて -販売・サービス網の強化-

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さらなる成長に向けて、販売・サービスのネットワークを強化しています。去年は台湾の代理店を買収して、直接販売することになりました。

トルコやガーナでも、直接的な販売をすることになりました。インドもこれから大きく変わってきます。

コロンビアなど、世界各地での拠点整備にも努めています。できるだけ直接販売サービス体制を強化していこうと考え、動いているところです。

さらなる成長に向けて -診断技術の進化への貢献-

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それから、さらなる成長に向けた「診断技術の進化への貢献」です。

例えば、我々の血液の中には、実はいろんなものが流れてます。白血球や赤血球といった細胞が、当然、流れています。それから、血漿(けっしょう)とタンパク質があります。

タンパク質では、非常に大事な免疫の検査が可能です。がんマーカーになったりというようなものです。

それからもう1つ、いちばん小さい単位では遺伝子です。私どもシスメックスは、細胞とタンパク質と遺伝子という、3つのプラットフォームを持っています。それを分析する機械と試薬を持っているのです。それをさらに高度化し、より細かいことがわかるようになるように、研究開発をしています。

したがって、シスメックスは遺伝子にも非常に強いですし、細胞の変化がどうなっているか……例えば、血液中のがん細胞をどういうふうに捉えるかといったことにも、チャレンジをしています。

いずれにしても、金銭的・身体的に患者さんの負担をいかに軽減できるかという検査技術です。

検査で(病気が)より早く・詳しくわかることによって、例えば、医療コストを下げられたり、「この薬はこの人には効くけど、この人には効かない」ということを見つけて、効く人にだけ薬を与えられたりします。

そういうことが、これから実現します。

今までは、(一般的に効果のある薬が5種類ある場合)ずっと5つの薬を飲まなければならなかったところ、これからは「あなたに効く薬はこれ、あなたはこれですよ」と、(人によって投薬する薬の種類が)違うという可能性があるわけです。

そうすると、薬剤費をずっと抑えることができます。医療経済的に言うと、非常に意味のあることです。そんなことにも、技術的にチャレンジしています。

ですから例えば、がんの診断は、従来は腫瘍組織の検査で針を刺して組織を取ったり、手術のときに(組織を)取ったりしていたものを、血液を取るだけでいろいろなことがわかるようにしようと(チャレンジしています)。そうすると患者さんの負担は非常に少ないですし、コストも安くできます。

そこを目指して研究開発をして、患者さんにとって価値の高い検査の実現を目指しています。

さらなる成長に向けて -多様な人材の融合-

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さらなる成長に向けては、いろいろ人たちの融合も大事です。

我々(の社員)には、グローバルにいろいろな人たちがいます。人種が違いますし、宗教も違います。

私どもの社員の半分以上の、8,000名のうち約5,000名が外国人で、非日本人です。新入社員の約2割が非日本人で、バックグラウンドがそれぞれ違います。

シスメックスは、機械と試薬を作って、さらにソフトウェアを作り、そしてサービスのサポートをやっているような会社です。

さらに、学術的にいろいろな専門性ある人が集まっている会社で、工学部の土木・建築(専攻)以外の人は、みんないるんじゃないかと思います。

そのぐらい多様な人たちが研究開発をしたり、融合したりしながら、こういう改革の促進をしています。

それからもう1つ、他の会社とのアライアンスや協業、いわゆるオープンイノベーションをやっています。

2018年3月期 連結 通期業績予想 (2017年11月修正)

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2018年3月期の業績予想です。

目標売上高は2,800億円、営業利益は580億円、純利益は415億円です。

想定為替レートは、通期ではドルが110円・ユーロが128円です。今、若干、円安にきておりますので、状況としては悪くないと思っています。

そんな状況で、業績予想を(2017年)11月に修正しました。

株価推移(上場〜2017年末)

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株価と配当政策です。株価は上場以来、おかげさまで非常に良いかたちで上がってきました。

「上場来最高値が2017年12月26日」と書いていますが、直近はもう少し上がっています。今(2018年1月9日時点)は、9,300円ぐらいです。

いずれにしても、おかげさまで着実に株価が上がってきています。

最初(1995年から数年間)はフラットになっていて、株価が上がってないように見えますが、今まで分割を3回して株式数が8倍になっている状況で、このような展開になっています。

配当政策と配当予想

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配当政策と配当予想です。シスメックスは、安定的な高成長を維持するための積極的な投資と、収益性の向上にともなう株主への利益還元を、適正なバランスで行います。

基本的には安定的な配当に配慮しつつ、業績に裏打ちした成果の配分を行います。配当性向は、30パーセントを目処にしています。

現在、16期連続で増配中です。確実に収益を上げて、それを株主のみなさまに確実にお返しするというかたちです。

もう一方では、将来の成長に対して、我々がどう投資をしていけるかということが非常に大事です。これについても、力を尽くしてやっていきたいと考えています。

神戸の企業として

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最後に、私どもは神戸で生まれ育った企業として、神戸に対して、いろんな貢献をしていけるかと(思います)。

シスメックスがここまで成長できたのも、地元からいろんな意味で助けていただいたり、ご協力いただいたり(ということがあります)。また従業員は、神戸および兵庫県出身が多いんですけども、今はだいぶ変わってまいりました。

そんなこともあり、神戸マラソンは(開催の)最初から、ゼッケンスポンサーをしています。

それから、神戸ルミナリエです。

さらにシスメックスの女子陸上競技部があります。今は引退しましたが、野口みずきさんが所属していたチームです。最近は少し成績が良くないですが、駅伝に出てきています。

それから直近では、フィギュアスケートです。三原舞依さんと坂本花織さんという二人(がシスメックスに所属しています)。三原さんが須磨区、坂本さんが中央区の出身です。

今度、坂本花織さんが平昌オリンピックに日本代表として出場することになりました。みなさん、ぜひ応援をお願いしたいと思います。

やはり地元の人たちを、我々がどういうかたちでサポートできるかということも、シスメックスの大事な使命・役割ではないかと考えています。

地元の街・神戸とともに、我々も引き続き発展していきたいと思っています。

以上で、私のプレゼンテーションを終わります。ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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