東海旅客鉄道(以下、JR東海)は、2017年11月24日に、N700Sで採用予定の着雪防止対策の試行内容についての発表を行っている。

一部のN700系営業車を用いて着雪防止対策を試行

JR東海では、冬季期間、車体に付着した雪が塊となって線路に落下し、バラスト等を跳ね上げて車両等を破損させないよう、速度を落として運転する場合がある。

今年度は従来の対策に加え、一部のN700系営業車を用いて着雪防止対策を試行し、その対策をN700Sに反映させる計画。今回の試行では、その対策の最終仕様について検討を進める。

N700Sで採用予定の着雪防止対策とは

JR東海は、今回の発表の中で以下の2点を発表している。

ひとつは、台車付近における風の流れのシミュレーション結果をもとに、台車下部の開口面積 を最大限縮小するよう台車カバー形状を改良し、台車部へ流れ込む空気を抑えることで雪の舞い上がりによる着雪を低減させるという内容。

もう一点は、最も着雪が多いフサギ板をJR東海独自で開発した高出力で着脱可能な融雪ヒーター付フサギ板とし、フサギ板表面温度を融雪に効果的な温度に保つことで着雪量を低減させるという内容。

N700S営業車両は2020年度に投入予定

今回発表内容の対象車両は、N700系の3編成。台車カバー計上の改良、融雪ヒーター取付けともに特許を出願中とのこと。尚、N700S営業車両は平成32年度(2020年度)に投入予定となっている。

LIMO編集部