中学受験といえば、名門大学に入学し、一流と言われる企業に就職するという目的で子供に頑張らせる親が多いのではないでしょうか。とはいえ、受験勉強は子供の時間と体力、そして気力を大きく奪います。

疲れ切った子供がふと「中学受験ってする意味あるの?」と言ったら、あなたはこれまでの経験から親としてどのように答えるでしょうか。

中学受験の恩恵を受けた人はどう考えるのか

都内で企業を経営するA氏。地方にある中高一貫の私立校へ受験を経て入学。中学生から親元を離れ、寮で6年間を過ごしました。その後は都内の私立大学を卒業し、日系金融機関、外資系金融機関に勤務した後に独立しています。

中学受験組で成功したと思われるA氏は、中学受験についてどのように思っているのでしょうか。

「中学受験をして良かったかどうかと聞かれれば、していない人生を歩んでいないので良かったとしか言えません。とはいえ、万々歳というわけでもありません。そのためにあきらめたことも多かったように思います」

中学受験のメリット

では、中学受験をして良かった点は何でしょうか。A氏はこう言います。

「中高一貫で、同級生と長ければ6年間も一緒に過ごすことになります。ある意味、親兄弟よりも密度の濃い生活を過ごすわけです。そういう環境で築いた関係というのは、その後お互いの境遇がどうなろうとも、ほとんど変わることがありません。久しぶりに会っても、『よう、元気か』という感じです。うれしい時には一緒に喜んでくれますし、困った時は助けてくれます」

仕事面から見た場合はどうでしょうか。