日本労働組合総連合会(=連合)は、2023年6月1日に「2023春季生活闘争 中間まとめ」を発表しました。
30年ぶりとなる水準の賃上げが実現し、2014年以降で最も高くなる見通しです。
では、賃上げの機運が高まっている中で、いま部長や課長といった「中間管理職」についている人は、どれほど給料をもらっているのでしょうか。
今回は、中間管理職の給与実態と、部長や課長クラスに昇進する40代から50代の賃金を、業界や企業規模別に解説します。
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役職別にみた給料
中間管理職の賃金実態について確認してみましょう。
厚生労働省は2023年3月17日に「令和4年賃金構造基本調査」を発表しました。
その結果、中間管理職の賃金平均は係長級で「36万9000円」課長級で「48万6900円」部長級で「58万6200円」となっています。
一概にはいえませんが、手取り月収は課長で35万円から40万円、部長は45万円から50万円に推移するとみられます。
昔は出世して管理職に昇格すれば、給料も上がって生活水準もより豊かになるイメージもあったでしょう。
しかし、中間管理職に昇格する年代の支出額と比べてみると、昇格したとしても生活に余裕があるとはいえない状況です。
総務省統計局が2023年2月7日に発表した「家計調査(家計収支編)」によると、45歳から54歳までの支出額は約34万円から約37万円でした。
特に課長級の手取り収入では、支出と同じ水準のため、家計のやり繰りも慎重にする必要があるといえるでしょう。
業界別にみた中間管理職の賃金実態は?
業界別で中間管理職の賃金実態を確認してみましょう。
課長職と部長職で最も賃金水準が高い業種は「金融業・保険業」となりました。
課長職では、次いで「電気・ガス・熱供給・水道業」「鉱業・採石業・砂利採取業」が続きます。
部長職で見ると、賃金の高い業種は「金融業・保険業」に次いで「電気・ガス・熱供給・水道業」「医療・福祉」が続きました。
一方で、課長職では「宿泊業・飲食サービス業」が、部長職では「生活関連サービス業・娯楽業」が最も低い結果となっています。
また、課長職と部長職の賃金の開きに最も差がある業種は「医療・福祉」でした。
以上から、同じ役職でも業種によって賃金に開きがあります。