1. 加給年金とは

まず最初に、加給年金の支給要件と支給金額などについて解説します。

1.1 加給年金の支給要件

加給年金は、厚生年金や共済年金に20年以上加入した人に、原則65歳時点で一定要件を満たす配偶者や子どもがいる場合に支給されます。支給開始年齢は65歳からです。

配偶者の要件は次の通りです。

  • 加給年金の受給者に扶養(※)されていて年下である
  • 厚生年金や共済年金の加入期間が20年未満である

※配偶者の年収が850万円以下で同居している場合などが該当します。

年上の夫が長年会社勤めで、妻が専業主婦などで厚生年金の加入期間が短いケースなどが該当します。また、妻が会社員で夫が自営業などの場合は、妻に加給年金が支給されます。

子どもの要件は、加給年金の受給者が65歳時点で18歳到達年度の末日までであること、または20歳未満で所定の障害状態にあることです。

65歳時点で要件に該当する子どもがいることは稀であり、加給年金の多くは、要件を満たす配偶者がいることで支給されています。