2. 老齢年金を受け取ると生活保護はどうなる?
老齢年金と生活保護は同時に受け取ることができます。
ただし、老齢年金も保護費を計算するときの収入に含まれるため、最低生活費と年金額、年金以外の収入によっては生活保護が受けられないケースもあります。
東京都区部で生活扶助を受ける高齢者単身世帯と高齢者夫婦世帯について、老齢年金を5万円受け取ると生活保護が受け取れるかどうかを見てみましょう。
年金以外に収入はないものとしてシミュレーションします。
2.1 高齢者単身世帯(扶助額基準額7万7980円)
高齢者の年金額が月5万円ならば、保護費は次の通りです。
・保護費=7万7980円-5万円=2万7980円
上記のケースでは月5万円の年金を受け取っても生活保護は受けられます。ただし、年金と生活保護の合計金額は7万7980円で、年金のない人の保護費と同額です。
2.2 高齢者夫婦世帯(扶助額基準額12万1480円)
高齢者夫婦それぞれが月5万円の年金を受け取る場合、保護費は次の通りです。保護費は世帯単位で計算します。
・保護費=12万1480円-10万円=2万1480円
夫婦それぞれが5万円の年金を受け取っても生活保護は受けられますが、年金を受けていなくても総受取額は変わりません。
生活保護を受け取っている人に老齢年金の受給権が発生した場合、年金を受け取っても総受取額が変わらなくても老齢年金の受給手続きは必要です。
所定の年金を受け取った上で、最低生活費に満たない額を保護費として受け取ることになります。