2. 老後の生活を豊かにするための対策3選

前章でご紹介したのは、あくまでも現在の高齢者の平均収支であるため、実際には「我が家の場合」でシミュレーションしてみることが大切です。

試算してみた結果、収支が赤字になると気づく方もいるでしょう。

老後の生活を豊かにするためには、どのような対策を行えば良いのでしょうか。特に有効な対策を3つご紹介します。

2.1 厚生年金を増やす

公務員や会社員の人が厚生年金を増やすためには、収入を増やすか長く働く必要があります。

キャリアアップの転職や昇給が有効になりますし、専業主婦(夫)世帯の場合、共働きすることで世帯での厚生年金を増やすことができます。

また、定年後も継続的に働くことで、保険料を払う期間が長くなるため、受け取ることができる厚生年金の金額も大きくなります。

2.2 確定拠出年金を活用する

1階部分である国民年金や2階部分である厚生年金以外にも、自分で掛け金を拠出して年金を独自に増やすこともできます。

例えばiDeCoや企業型DCなどの確定拠出年金です。

確定拠出年金は将来の年金を増やすだけでなく、拠出した金額が全額所得控除の対象となるため、税制面でのメリットも大きい制度です。

年収や期間によってどの程度税制メリットが出るかは、iDeCoの公式ホームページで簡単に試算することができます。

出所:iDeCoサイト「かんたん税制優遇シミュレーション」

2.3 民間の個人年金保険を活用する

民間の生命保険会社で個人年金保険を活用するのも一つの選択肢となります。個人年金保険は大きく分けて3つの類型に分けることができます。

確定年金

個人年金保険の確定年金は、年金受取人の死亡有無に関わらず一定期間年金を受け取ることができる年金保険です。自分が死亡した後に配偶者などに年金を受け取ってもらいたい場合に有効な保険です。

有期年金

年金受取人が生存している場合に限り、一定期間年金を受け取ることができる年金保険です。

早期に死亡した場合、受取総額が保険料を下回る可能性がありますが、ご自身の年金に備えたい場合に有効な保険です。

終身年金

受取人が生存している限り、一生涯年金を受け取ることができる年金保険です。

有期年金と同じく早期に死亡した場合、受取総額が保険料を下回る可能性がありますが、長生きに備えたい場合に有効な保険です。