年収1200万円で生活が苦しい理由

これまでの解説から、年収1200万円の人の実態は以下のとおりです。

  • 手取り金額は月々約53万円
  • 月々の消費支出は約41万円
  • 貯蓄のない世帯が全体の約1割

高年収と思われている年収1200万円の人から、生活が苦しいという声が発せられる理由について、以下に解説します。

税金負担が大きい

日本で導入されている累進課税制度は、年収が高ければ高いほど税率が上がります。年収1200万円の税率は33%で、控除額は153万6000円であるため、所得税だけで年間約120万円の負担となります。

また、納税者本人の年収が1000万円を超えると、配偶者が専業主婦であっても配偶者控除を受けることができません。

支出が多い

年収が高いと、生活水準も高くなってしまうのが実態です。決して贅沢をしているわけではなくても、マイホームや車のローンなどの支出負担は、平均年収の世帯と同様に家計を圧迫します。

また、子どもの教育費も大きな負担となります。子どもを学力の高い学校に進学させたい、私立の学校に通わせたいなどの意向があれば、その分教育費にかかる支出は大きくなります。

手当や控除が受けられない

年収1200万円あると各種手当や控除などが受けられなくなる点も、生活が苦しいと感じる要因となります。

受けられなくなる手当や控除には、以下のようなものがあります。

  • 配偶者控除、配偶者特別控除
  • 住宅ローン控除(床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満)
  • 高額療養費制度
  • 児童手当