2. 余裕のある老後生活に必要な費用は?

一般的に、「余裕のある老後」資金とはどのくらいなのでしょう。生活保険文化センター「生活保障に関する調査」によると、趣味や旅行・子どもや孫への資金援助を含む「ゆとりある老後生活」に必要な資金は、月額平均36.1万円であるそうです。もちろん個々の生活水準にもよりますが、自身の生活支出と比べてどのようなイメージをもつでしょうか。

では次に、もうすぐ定年を迎える世帯がどのくらい支出をしているのかをみていきます。総務省統計局の「家計調査 貯蓄・負債編」から、50代世帯と比較した60代世帯の生活のリアルを探ってみましょう。

世帯主の年齢50-59歳/世帯主の年齢60-69歳 ※すべて平均額
【消費支出】50代世帯354,252円/60代世帯 292,533円
【食料費】81,051円/78,489円
【外食費】15,843円/10,804円
【被服及び履物】14,507円/9,512円
【保健医療】13,094円/15,110円
【教育費】24,713円/2,201円
【教養娯楽サービス】18,284円/17,246円

こちらを見ると、教育費などの負担がぐっと軽くなり、食料・外食・被服関係などの支出も60代になると落ち着くようです。同データの世帯人員数を比べても、50代世帯は3.16人、60代世帯は2.62人と、子どもの独立など家族構成の変化も影響していそうですね。パック旅行費などを含む教養娯楽サービスは大きな差がみられないところを見るに、娯楽の質は上がっているのではないでしょうか。一方、保健医療関係の支出は60代の方が高く、年齢によるリスクもうかがえる結果となっています。