「年金生活」と聞くと、どのようなイメージを持たれるでしょうか。

今のシニアの年金額は高いと聞いたことがある方は、「悠々自適に生活している」というイメージを持つかもしれません。

「自分たちが退職する頃には年金がもらえるかわからない」という危機感から、今の年金受給者を羨む声があがることもありますね。

それでは実際、今の年金生活者はどれくらいの年金を受給しているのでしょうか。最新のデータからその支給実態を探ってみたいと思います。

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1. 「国民年金」の支給実態とは

まずは「国民年金」の支給実態を見ていきます。

そもそも国民年金とは、日本に住む20~60歳未満のすべての人が加入する年金です。

日本の年金制度は図の通り「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造となっています。

出所:日本年金機構

このうち1階の「国民年金」にしか加入していない人は、自営業者や無職、専業主婦(主夫)などです。早速受給額を見ていきましょう。

1.1 国民年金の平均月額

〈全体〉平均年金月額:5万6252円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万9040円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4112円

1.2 国民年金月額階級別の老齢年金受給者数

出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

  • 1万円未満:7万4554人
  • 1万円以上~2万円未満:29万3600人
  • 2万円以上~3万円未満:92万8755人
  • 3万円以上~4万円未満:284万2021人
  • 4万円以上~5万円未満:466万3638人
  • 5万円以上~6万円未満:776万979人
  • 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
  • 7万円以上~:188万2274人

平均は5万6252円で、ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」です。

これだけを見ると、とても「優雅な老後生活」とは言えない金額に思えますよね。

自営業者などはこのように年金が少ないため、長く働き続けたり多くの貯蓄を用意したりする方が多いです。