ねんきん定期便などで将来受給できる年金額を把握している方は多いでしょう。しかし、その額を満額受給できるわけではありません。受給額によっては住民税が発生するほか、社会保険料などが年金から引かれる点に注意しておきましょう。

年金から引かれる税金や社会保険料の計算方法についてしっかりと理解し、手元に残る額はどれくらいなのかを把握しておくことは、老後を見据えた資金形成においても重要なポイントです。

所得税と住民税は異なる

原則として65歳になると受給できる年金ですが、年金で得られる収入は雑収入という扱いになります。そして受給している年金額に応じた公的年金控除が適用されて雑所得金額を算出し、そこから各種所得控除を差し引いた額に所得税および住民税が課税されます。

公的年金にも源泉徴収制度がある

現在、会社に勤めていて毎月給与を受け取る際、住民税や所得税などが源泉徴収されています。年末調整を行い、年明けに受け取る源泉徴収票で実際にどのくらいの額が徴収されているかを知ることができます。そして、この源泉徴収制度は、公的年金を受け取っている人にも適用されます。ただし、所得税率が給与所得の時とは異なる点に注意が必要です。

公的年金から引かれる所得税額の計算方法

公的年金から引かれる所得税額は、以下の計算式で求めることができます。

公的年金等の収入-公的年金控除額=雑所得金額
雑所得金額×5.105%(復興特別所得税含む)=所得税額