2021年11月27日にログミーFinance主催で行われた、第27回 個人投資家向けIRセミナー Zoom ウェビナー 第6部・株式会社ブロッコリーの講演の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:代表取締役社長 高橋善之 氏
元ファンドマネージャー/元ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏
タレント/ナレーター 飯村美樹 氏

会社概要(2021年8月末現在)

高橋善之氏(以下、高橋):本日はお忙しいところご参加いただきまして、誠にありがとうございます。株式会社ブロッコリー社長の高橋でございます。本日は限られたお時間ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

当社の会社概要です。当社は、1994年に設立し、現在進行期で28期目の会社です。コンテンツ(アニメ・ゲーム・音楽・映像・カードゲーム)の企画、制作と、キャラクター商品の企画、製作、販売を事業の柱としており、エンターテインメント事業を手掛けるメーカーとして、現在東証のジャスダックスタンダード市場に上場しています。

2021年8月末現在の社員数は120名、うち73名が女性社員で、女性向けコンテンツの企画、制作に強みを発揮できる環境となっています。

株主構成は、筆頭株主が先ほど登壇されたハピネットさま、第2位がアニメイトさま、第3位がブシロードさまです。各業界のリーディングカンパニーが名を連ねており、それぞれの会社と業務提携契約を結び、現在協業しています。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):ここでいきなり質問ですが、御社の創業者の木谷さまが代表取締役会長を務めているブシロードが、第3位の筆頭株主ということで資本業務提携を結んでいますが、どのようなシナジーが生まれているのでしょうか? ハピネットやアニメイトも含めて教えてください。

高橋:まず、ブシロードさまとは昨年の11月に資本業務提携を締結しました。もともと木谷さまが当社を立ち上げた経緯もあり、「2社共同でなにかしらコンテンツの開発や新製品、新しいサービスの企画から販売までを、広範囲で連携しないか?」とご提案いただき、私どももぜひご一緒したいということで現在に至っています。

主な取り組みとしては、当社のマスコットキャラクター「デ・ジ・キャラット」のリブート展開が現在進行しています。最近では、「デ・ジ・キャラット」を使った『令和のデ・ジ・キャラット』というミニアニメの制作が進行しています。

ハピネットさまとは、当社ゲームソフトの独占流通や、最近ではコンビニエンスストアでの商品展開を行いました。ハピネットさまは日本国内における圧倒的な流通シェアをお持ちですので、我々の商品企画・開発・製造の力と、お互いの強みを掛け合わせて、新たな顧客層や市場の開拓を進められればと思っています。

当社の企画商品はわりと年齢層が高い商材が多いものですので、つい先日も「ターゲットとしては、コンビニ流通の親和性が高いのではないか」とご提案しました。当社の商品企画力とハピネットさまの流通網が掛け合わさることによって、徐々に両社の事業拡大につながっていっています。

当社が小売業をメインにしていた時代があり、アニメイトさまはその頃から店頭での販売施策面で連携していただいています。現在では特に、当社製品の積極的なご導入や店頭展開、共同のイベント開催などに加え、製作委員会などへも参画いただいています。このようなかたちで大株主さまと協業しています。

ビジョン

高橋:当社のビジョンです。私どもブロッコリーは記載の企業理念、経営理念にもとづいて、持続的な成長のため、全社が一丸となって経営目標、将来ビジョンの実現に取り組み、そして、すべてのステークホルダーへの事業業績、将来ビジョンの説明責任を果たすため、中期経営計画を策定し取り組んでいます。

CSR

高橋:当社のCSRについてご説明します。当社では「全てのステークホルダーの満足度最大化を目指す」という経営理念のもとに、エンターテインメント企業としてお客さまに笑顔で楽しんでいただき、株主や取引先に信頼され、社員が個性を発揮し、いきいきと働くことができる場を作ることで、企業の社会的責任を果たしていきたいと考えています。

ESGに配慮した取り組みにおいても、この考えにもとづき、ステークホルダーのみなさまの満足度を基点として推進していきます。「お客様・社会」「株主・取引先」、そして「社員」の3方を対象とするマテリアリティを作成し、現在取り組みを進めています。

事業戦略

高橋:当社の事業戦略は、記載のとおり2つの要素を核としており、それぞれをエンジンに見立て、「ツインエンジン戦略」と呼んでいます。

1つ目のエンジンは、「自社内にて開発するコンテンツのヒット創出およびハイリターンの追求」です。収益の源泉となるコンテンツを自社内にて企画・開発し、その生み出したコンテンツをアニメ・ゲームソフト・音楽・トレーディングカードゲームなど、あらゆる事業領域に展開し、ハイリターンを追求することを主眼に置いています。

2つ目のエンジンは、「リアルグッズ製作での確実な収益確保」です。グッズにおいては自社開発コンテンツの製品化だけではなく、世の中にあるヒットコンテンツの製品化ライセンスの許諾を受けて、他社コンテンツまでも自社の収益化につなげていきます。

坂本:「ツインエンジン戦略」の2つの戦略を教えていただきましたが、過去に小売をされていたと思うのですが、今後はこのキャラクターグッズとコンテンツ作成に注力されるという方針なのでしょうか?

高橋:ご質問のとおり、当社では2011年まで小売業も営んでいました。当時、20店舗弱を展開していましたが、当時の状況や業績、経営方針なども含めて、2011年に株主であるアニメイトさまに小売事業を事業譲渡しています。

それ以降は新店舗を含め、出店は一切行っていません。我々は現状、自社コンテンツの開発と、これに関わる自社製品の商品展開やイベント、他社ライセンスの許諾を受けたグッズの製品展開というメーカー業を主力事業にしていく方針に切り替えています。

「うたの☆プリンスさまっ♪」①

高橋:当社の主なコンテンツをご紹介します。まずは、女性向けコンテンツ『うたの☆プリンスさまっ♪』です。こちらは2010年6月に発売したゲームソフトから、おかげさまで今年12年目を迎え、ロングヒットを続けているコンテンツです。

20代から30代の女性のユーザーが多く、たくさんのファンに支えられて、今日まで愛され続けています。2011年にはTVアニメの放送を開始し、2016年までに第4シーズンまで放映されるほどのヒットコンテンツとなりました。

直近では、2019年にシリーズ初となる劇場アニメ『劇場版うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』というタイトルの映画を公開しました。こちらはおかげさまで観客動員数118万人、興行収入は18億円以上を記録するヒット映画になりました。また来年2022年には、『劇場版うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE スターリッシュツアーズ』の公開も予定しています。ぜひ楽しみにしていただきたいと思います。

「うたの☆プリンスさまっ♪」②

高橋:ゲームソフトについては、PlayStation Portable用のソフトとして第1作目を発売してから、2021年11月現在、シリーズトータルで15作をリリースしています。直近では、Nintendo Switch用の移植版となるソフトを発売しました。

さらに、2017年8月にスマートフォン向けに配信を開始したKLabさまとの共同開発によるリズムアクションゲーム『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』は、全世界ダウンロード数が500万回以上を記録しており、国内リリースでも4周年を迎える大変人気のアプリとなっています。

「うたの☆プリンスさまっ♪」③

高橋:『うたの☆プリンスさまっ♪』は、その名のとおり、魅力的な音楽が根幹をなすコンテンツです。これまでに発売させていただいたCDは合計で100種以上で、オリコンの週間ランキングでは上位を獲得する商品も多数出ています。

また、自社内での企画・デザインによる、個性的で幅広いラインナップのグッズ製作を手掛けており、当社では物販や展示イベントを実施するための独自のノウハウも強みとして備えています。

「うたの☆プリンスさまっ♪」④

高橋:昨年6月24日に10周年を迎えた際、今年6月にかけて、CD・イベント・グッズの製作など、合わせて10個の記念となる施策を展開しました。

そのうちの1つとして、今年6月に開催した池袋サンシャインシティでのスペシャルイベント「UTA☆PRI EXPO-10th Anniversary-」は、おかげさまで大変多くのお客さまにご来場いただきました。

会場では限定グッズの販売や、10周年を振り返る展示、ミュージックビデオの上映など、10周年イベントならではの企画をたくさん用意し、ファンのみなさまに高い満足感を得ていただけたと感じています。

「ジャックジャンヌ」①

高橋:本年3月にNintendo Switch用ゲームソフトとして発売した『ジャックジャンヌ』です。この作品は、男性だけで構成された劇団「玉阪座(たまさかざ)」が有する「ユニヴェール歌劇学校」を舞台に、青春群像劇が描かれる「少年歌劇シミュレーションゲーム」です。

「ジャックジャンヌ」②

高橋:この作品には、展開が気になるストーリー構成、繊細で美しいイラスト、個性際立つキャラクターなど、多くの見どころがあります。発売時には『週刊ファミ通』さまの新作ゲームに関するクロスレビューコーナーで「プラチナ殿堂」入りするなど、大変高い評価をいただきました。メインターゲットは女性ですが、それ以外にも幅広い層に楽しんでいただける作品となっています。

「ジャックジャンヌ」③

高橋:本年3月の発売から9月でちょうど半年を迎え、ハーフアニバーサリー施策を展開しました。

同時に発売したCD『ジャックジャンヌ VOCAL COLLECTION』は、オリコンランキングにてアルバムはデイリー1位、同じくウィークリー6位となるなど、大変ご好評をいただくことができました。『ジャックジャンヌ』は、今後もグッズのラインナップなどを拡充し、さらなる成長に向けて、引き続き取り組んでいきます。

「Z/X(ゼクス)-Zillions of enemy X-」①

高橋:次に、男性向けコンテンツ『Z/X(ゼクス)-Zillions of enemy X-』をご紹介します。こちらは、2012年7月に当社オリジナルのトレーディングカードゲーム製品として展開を開始しました。

コンセプトは「エンジョイできるカードゲーム」で、カードゲームに慣れた20代から30代の男性ミドルユーザーを中心に人気となっている製品です。おかげさまで、発売以来10周年目に突入しました。

「Z/X(ゼクス)-Zillions of enemy X-」②

高橋:『Z/X-Zillions of enemy X-』は、トレーディングカードゲームに限らず、例えば、本作に登場するアイドルユニット「SHiFT(シフト)」や「iDA(イデア)」のステージイベント、自社運営によるスペシャルイベント「ゼクストリーム」のリアルおよびオンラインでの開催、また独自の販売システム「Z/Xカードガチャ」の創出、CD・コミカライズ・アニメ化・ゲームアプリの配信などマルチに展開してきました。

10年もの間、多くのカードユーザーのみなさまに支持されている本作を、今後もしっかりと盛り上げていきたいと思っています。

他社ライセンスグッズ

高橋:先ほどお話ししたコンテンツ以外にも、当社はグッズを展開しています。製品化のライセンス許諾を受けることで、他社IPのイラストを使用したグッズを製作し、卸売や通信販売、また当社の得意とするイベントによる物販などを積極的に展開しています。

これまで当社が培ってきた企画力、デザイン力を十分に活かし、高いクオリティと、豊富なバリエーションを有するグッズを製作して実績を積み上げてきました。その結果、近年では『呪術廻戦』などのヒットIPの製品化も数多く手がけるチャンスを得て、現在展開中です。

坂本:グッズについてご説明いただきましたが、御社の売上高のうちにグッズが占める割合はどのくらいあるのでしょうか? また、近年伸びているカテゴリーを教えてください。

高橋:まず売上に対するグッズの割合ですが、ここ数年、当社の売上は約60億円前後で推移しています。これに対し、グッズ販売の割合は60パーセント前後です。もう1点のご質問について、コンテンツごとの売上構成ですが、やはり主力は『うたの☆プリンスさまっ♪』で、全体の約50パーセント強です。

また、今年は新作コンテンツ『ジャックジャンヌ』があります。前年との比較はありませんが、上半期の売上から見ると『うたの☆プリンスさまっ♪』で50パーセント弱、『ジャックジャンヌ』と、先ほどご紹介した『Z/X-Zillions of enemy X-』がそれぞれ10パーセント台です。残りの約30パーセントは今お話しした、他社IPを使ったコンテンツの関連商品という割合になっています。

坂本:ありがとうございます。続いてコンテンツビジネスについて伺いたいと思います。コンテンツビジネスは長く続くものもありますが、短期間で消費されていくイメージが漠然とあります。

こうした中、御社は『うたの☆プリンスさまっ♪』や『Z/X-Zillions of enemy X-』など、およそ10年にわたり売れ続けているコンテンツを持っています。これはとても希少なことであり、御社の武器になっていると思います。なぜこれだけの長い期間、第一線で活躍し、支持されているのかについて教えてください。

高橋:私どもが大切にしていることは、ユーザーとの双方向コミュニケーションです。また、さまざまなかたちでの新しい情報やサービスを常に発信し続けるという思いを持っています。

そして、メーカーや社内の制作スタッフ全員が、各商品・イベント・グッズにおいてコンテンツに対するこだわりと妥協しない姿勢が非常に強いです。それがユーザーにもしっかり伝わっていると思います。

特に『うたの☆プリンスさまっ♪』『Z/X-Zillions of enemy X-』については、なにも発信しない年はなく、毎年常に新しいものをユーザーに届けています。そのようなところが伝わっていると思います。

さらにユーザー同士でコミュニケーションできる場となるイベントを開催し、それに伴いアニメやゲーム、CD、グッズ、カードゲームなど多くの企画を取り入れています。それらを商品化し、コンテンツに触れる機会をより多く作ることで、ユーザーのみなさまにコンテンツに対してより思い入れを持っていただきたいです。社員もこのような思いでコンテンツに関わっていると思います。

「常に飽きさせない」「なにか次も楽しいことがありそうだという期待感」「いつまでも楽しむことができるコンテンツ」ということをいかに伝えていくかを大切にしています。このことが、10年にわたる長い期間ユーザーに愛され、楽しんでいただいていることにつながっていると思っています。

飯村美樹氏(以下、飯村):ファンを喜ばせるのが上手だというイメージがあります。

高橋:制作現場を見ると、こだわりと「妥協しない」という本当に熱い思いが伝わってきます。

坂本:きめ細やかな対応をされているように見えます。また、イベントも数多く開催しています。これはファンならば参加したいと思います。

飯村:もし先に、公式側の元気が徐々になくなればファン側は寂しい思いを持ちますが、御社はそのようなことがなく、きちんと長く提供し続けてくれるため、ファンはついていくのだと思います。

高橋:はい、今後に期待していただきたいと思います。

2022年2月期 通期予想

高橋:2022年2月期の業績見通しについてご説明します。まず、当期第2四半期累計期間においては、売上高は32億1,100万円となり、前年同期比で7パーセント増を確保したものの、営業利益については前年同期比で大幅な減益となりました。

主な要因は、販売費及び一般管理費の増加になります。具体的には『うたの☆プリンスさまっ♪』の10周年イベントの企画内容の充実や新型コロナウイルス感染症の感染対策強化に対する費用、またそれに伴う運営費の増加が大きいです。また、先ほどご紹介した新作ゲームソフト発売に向けた販促費が増加したことも、大きな要因となっています。

下半期においては、グッズの重要な販売機会である各イベントおよびライブについて、オンラインではないリアルでの開催・公演実施などを想定しています。イベントの開催制限は徐々に緩和されているため、入場人数が増えたり、イベントそのものが開催できるようになったりと、状況は変わってきています。

しかし、緊急事態宣言解除後も新型コロナウイルス感染症の動向が不透明であるため、こちらに関しては、売上、利益および物販イベント向けの在庫の消化見込みなどをもう一度厳しく慎重に見直しています。その結果、通期業績は表のとおりの見込みになりました。

坂本:こちらの業績についての質問なのですが、『うたの☆プリンスさまっ♪』の10周年記念イベントは、盛大に開催されたと聞いています。一方、感染症対策の強化による入場者数制限のため、おそらくグッズの販売量が低下し、収支の合わないこともあったかもしれません。イベントは収支がオフセットするのを前提に開催したのではなく、「10周年だからしっかり開催しました」ということなのでしょうか?

また、下期の予想について「少し保守的ではないか?」と個人的には思っています。この下期の見通しは、先ほどのお話のとおり、これからまた新型コロナウイルス感染症が流行し、イベントの開催も縮小され、グッズが在庫として残るところまで想定した「保守的な予想」なのでしょうか? この2点をお伺いしたいと思います。

高橋:『うたの☆プリンスさまっ♪』の10周年記念イベントについては、10周年という大きな節目を迎えたことを踏まえた一大イベントと位置付けています。また『うたの☆プリンスさまっ♪』は、常々Evergreenコンテンツ化を方針に打ち出しており、その大きな機会であるという認識が社内でもありました。

先ほどお伝えしたとおり、ファンのみなさまに感謝を込め、心から楽しんでいただけるイベントにしたいという思いがあり、「このイベントならでは」という充実した企画は、相応の費用を投入してでも用意する必要があると判断しました。

その結果、おかげさまで入場チケットは完売し、限定商品も物販も大変好調でした。相応のコストはかけましたが、10周年という記念イベントに関しては、大成功であったと社内ではとらえています。

しかしながら、その後の7月から8月にかけた夏場の期間限定ショップが、ちょうど緊急事態宣言下での開催となってしまいました。

また、今年は10周年のイベント後、あまり期間を空けずに次のイベントに突入するスケジュールでした。毎年イベントではテーマを持って主力品を販売しますが、今年はその商品ラインナップへの影響も含め、実は夏のイベントは例年になく苦戦したところがあります。

今は緊急事態宣言が解除になっていますが、下期の動向は依然として先行きが不透明だという認識があります。そのため、当初想定した売上、利益、物販イベント向けの在庫の消化見込みについて慎重に見直しをかけた結果、通期の業績予想を修正すると発表しました。

坂本:今後コロナ禍が落ち着けば、もう少し業績は上向くのではないでしょうか?

高橋:先ほど申し上げたとおり、徐々にイベントも規模が大きくなっています。まさに本日11月27日と明日28日の2日間、埼玉県所沢市のメットライフドームで『うたの☆プリンスさまっ♪』のライブを開催している状況です。

株主還元 配当方針

高橋:株主還元のご説明です。当社の方針として、株主への利益還元は重要な経営課題の一つとして認識しています。

配当方針としては「安定的な配当額として1株あたり年間26円を下限として維持するとともに、業績に連動した配当を行う」と掲げています。2022年2月期の配当予定は、発表しているとおり26円としています。

質疑応答:業績に連動した配当について

坂本:「1株あたり年間26円を下限として維持するとともに、業績に連動した配当を行う」とのことですが、「業績に連動した配当」を検討される場合の配当性向について、イメージがあれば教えていただきたいと思います。

高橋:株主さまへの利益還元について、まずは安定的な配当を重視することが大前提の方針となります。業績連動部分に関しては、その事業年度の業績や配当性向、財務状況などを総合的に勘案し判断したいと思っています。

そのため、特に業績がよい時に配当性向の下限を設定することは、今はまだ考えていません。現在は業績を上げ、業績連動部分も届けられる足場をしっかりと作った上で実施したいというのが実態です。

株主還元 株主優待制度

高橋:株主優待について説明します。当社では日頃の株主のみなさまの温かな支援への感謝のしるしとして、株主優待制度を設けています。

スライド左上の表のとおり、所有株式数および2,000株以上所有の場合は保有年数を加味し、AからDの4つの種別に分け、最大4点の株主限定オリジナルグッズを進呈する制度となります。一例として、2021年2月期は先ほどご紹介した新タイトル『ジャックジャンヌ』のQUOカードと絵皿をご用意しました。

2022年2月期は、毎年優待品を楽しみに待っている株主のために、これから何を使った何のアイテムにしようかとまさに企画を練っている最中ですので、ご期待いただきたいと思います。

以上で、私からの当社についてのご説明を終わらせていただきます。これからも社員一同、全力で業務に取り組んでいきます。今後とも当社ブロッコリーを何卒よろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございました。

質疑応答:仮想空間の可能性について

飯村:面白いと思うのが、『うたの☆プリンスさまっ♪』のようなコンテンツは仮想空間とも非常に親和性が高いと思いますが、「メタバース」に参入しますでしょうか? 一緒に暮らせたら楽しいです。

坂本:最近「メタバース」という言葉が流行っていますし、そうだと思います。

高橋:やはり10年続いているため、それぞれのアイドルの世界観や存在感が、まさに大事になります。

「実際に存在しているかたちでのアイドルグループ」というところを一番に、さまざまな展開を検討し、引き続きしっかりと打ち出していきます。

質疑応答:新たなコンテンツの展開について

坂本:コンテンツ別の売上構成比を見ると、先ほどのご説明のとおり、依然『うたの☆プリンスさまっ♪』の占める割合が高いです。

他の自社IPについて、今後構成比を上げていく計画はありますか? 『ジャックジャンヌ』のイメージもあると思いますが、今後の展開とあわせて教えてください。

高橋:『うたの☆プリンスさまっ♪』『Z/X-Zillions of enemy X-』はおよそ10年にわたり続いているコンテンツになります。それが事業基盤としてしっかりと今後も継続していく上で、今回新たなコンテンツ『ジャックジャンヌ』を展開します。

それ以外にも、我々ブロッコリーが成長・発展していくために、新たなコンテンツの開発は大事なことだと思っています。そのための投資も含め積極的に行っていきますので、発表できるタイミングをお待ちください。みなさまに喜んでいただける内容になるように、日夜、開発サイドで頑張っています。

坂本:コンテンツを最初に立ち上げる時は、かなり時間が掛かったり、御社の中でプロジェクトチームがあったりするのですか?

高橋:企画というのは0から1を生み出すところがあります。「考えろ」というよりは、先代の社長も言っていましたが、「アイデアというのは、湧いて出てくるのを待つんだ」ということもあります。

実際それが煮詰まってよいものになれば、みなさまに喜んでいただけるビジネスになることもあります。社内で開発でき、企画が生まれる環境をしっかりと作りながら、担当の熱意と思いに今度は事業として応えていくかたちになっていければよいと思っています。

坂本:非常にクリエイティブな考えだと思います。

飯村:要所要所で愛情深さを感じます。

質疑応答:食品とのコラボについて

飯村:食品とのコラボも数多く行っていると聞いています。

高橋:提案いただきながら実現しないケースもありますが、数年に1回くらい企画をいただいています。特にコンビニでのキャンペーンや、自社イベントで食品を作りながらの商品販売を行ってきました。

その時も、特に『うたの☆プリンスさまっ♪』は、それぞれのアイドルに合わせた商品仕様をしっかり作りながら行ってきた状況です。

飯村:「CMに出てもらえませんか?」という、出演依頼が来るようなイメージでしょうか?

坂本:ある意味役者のようですね。

高橋:起用したいという依頼に対しては、ありがたく受け止めています。

質疑応答:女性社員の活躍について

坂本:『うたの☆プリンスさまっ♪』は女性がメインユーザーだと思いますが、制作スタッフも女性が多いのですか? 男女比率を教えてください。 

高橋:会社紹介でもお話ししましたが、120名のうち73名が女性社員です。『うたの☆プリンスさまっ♪』に関わるスタッフは圧倒的に女性が多い環境です。

坂本:今後そのような方が役員になられることもあり得ますか?

高橋:現在、執行役員になっている女性もいます。我々は今、グループ制・チーム制というピラミッドの組織になっていますが、マネージャー職を含めたグループマネージャー、チームマネージャーは女性も非常に活躍しています。

飯村:香水のアイデアなどは男性ではなかなか難しいと思います。

質疑応答:企画会議のスタイルについて

飯村:御社の商品には「欲しいものをわかってくれている感」があります。社内の会議は「新しいグッズを出しましょう」「このようにしていきましょう」など、どのようなスタイルで行っているのですか?

高橋:プロデューサーがいるため、イベントのテーマやコンセプト、メインで販売する商品について、けんけんがくがくの会議をしています。我々も入りづらいくらいの雰囲気で行っているように思います。

坂本:社長は社員にまかせて、出てくるものを待っているかたちですか?

高橋:そうだと思います。口を出さないほうが、たぶんよいものができると思っています。

飯村:会議の場にはいらっしゃるのですか?

高橋:企画会議には顔を出しません。生産数や数量決定などの時は少し出席します。

坂本:コストが回るかどうかは、社長の仕事ということだと思います。社内の雰囲気といったものがよくわかりました。

高橋社長からのご挨拶

飯村:ご覧になっている方にメッセージがありましたらお願いします。

高橋:みなさまには本当にいつも当社のコンテンツを愛していただきありがとうございます。

ブロッコリーという企業は、新たなコンテンツを創出しヒットさせることで、事業拡大や企業の成長・発展につなげていきたいという思いで、日夜、開発スタッフや営業スタッフ、コーポレートスタッフなどすべての社員が頑張っている会社です。引き続き、ご支援をよろしくお願いします。

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