12月に2022年(令和4年)度税制大綱の発表を控え、各方面で議論が大詰めとなっています。2022年度税制改正で注目されているのは、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の縮小です。

かねてより、金利負担より高い控除額となる「逆ざや」現象が見られていた住宅ローン控除。今回の改正で、控除率が引き下がるものと見られています。今回はこの議論の背景をおさらいしたうえで、今後の展望についても解説していきます。

住宅ローン控除の縮小が検討されている背景

現行制度では、住宅ローン控除による年間最大控除額は、年末時点の住宅ローン残高の「1%」です。しかし、近年では住宅ローンの変動金利が0.4%を下回る商品も出てきており、控除額が実際に支払った利息を上回る現象が見られていました。

年間20万円の利息を払っている人が年末に40万円控除される……このように、控除制度によって「もうかる」仕組みを是正するため、住宅ローン控除の縮小が検討されているのです。