『老後の資金がありません!』――これは10月30日に全国公開になる映画の題名。「普通の主婦が今の日本が抱えるお金の問題に立ち向かう」コメディーだそうですが、娯楽作品にまで「老後資金」が登場するのは、それだけ人々の関心が高まっているからなのでしょう。

そんな中、メットライフ生命保険はこの9月に「老後を変える全国47都道府県大調査 2021版」の調査結果を発表。全国の20代~70代の男女1万4,100人を対象に、老後に対する意識や老後への備えなどについて聞いています。

その結果によると、自分の老後に不安を感じているのは全体の83.3%。年代別で最も高かった40代では9割が不安を感じると回答しています。今回の調査はコロナ禍2年目で実施された調査でもあるため、2020年の調査結果との比較も含めて詳しく見てみましょう。

不安のトップ3は「お金・健康・認知症」

まず具体的な老後の不安要因を見ると、全体のトップ3はお金(58.7%)、健康(54.6%)、認知症(52.1%)。中でもお金は2018年の調査開始から4年連続の第1位です。

年代別の結果では、特に30〜40代でお金に対する不安が高い傾向が見られる一方、60~70代では、健康、認知症、自身の介護、お金という順になっています(図表1参照)。

年齢が上がるにつれて、どうしても体の不調は増えるものです。年金に頼る老後の生活では、定期的な通院であっても医療費の負担感は大きいでしょう。健康を保つよう心がけることが、結果的にお金を減らさないことにつながるともいえます。

図表1:老後について心配・不安だと感じること

出所:「老後を変える全国47都道府県大調査 2021版」(メットライフ生命)をもとに編集部作成