ENECHANGE、脱炭素化の世界的潮流が追い風 ネットワークを活かしたタイムマシン経営で日本市場を開拓

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2021年9月11日にログミーFinance主催で行われた、第24回 個人投資家向けIRセミナー Zoom ウェビナー 第5部・ENECHANGE株式会社の講演の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:ENECHANGE株式会社 代表取締役CEO 城口洋平 氏
元ファンドマネージャー/元ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏
フリーアナウンサー 八木ひとみ 氏

第24回 個人投資家向けIRセミナー

城口洋平氏(以下、城口):ENECHANGE株式会社代表取締役CEO城口と申します。よろしくお願いいたします。みなさま、今日は土曜日にもかかわらず、ご参加いただきましてありがとうございます。限られた時間ですが、せっかくみなさまに貴重なお時間をいただいているからこそ、あまり細かい数字の話ではなく、CEOとして考えていることをご説明できればと思っています。

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細かい数字の話は、別途当社のいろいろな開示資料で出しています。もし興味を持っていただいた方がいらっしゃいましたら、詳細は後ほど見ていただくという話の前提で、特にCEOとしてお伝えしたいことを凝縮して、お話ししようと思っています。

せっかくログミーさんの機会ということで、中段に本邦初公開ではないのですが、まさに今日初めて、私が外にお話しするような内容も盛り込んでいます。ぜひ、最後まで見ていただければ、もっと私たちのことに興味を持ってもらえるような時間になるのではないかと思っています。お楽しみください。

まず株価について、みなさまはいつ、私たちの株に興味を持っていただいたかわかりませんが、昨年の12月に上場しました。最初は調子がよかったのですが、そこからは波があり、ずっと下降曲線をたどってきてしまい、経営側の私どもは大変心苦しく、みなさまにすごく心配をおかけした時期ではありました。

幸い、第2四半期の決算説明以降、株価が反転したため、現在、高値水準まで戻ってきました。

現在の時価総額は、約400億円弱という規模になっています。そして、私たちが目指す、まさにエネルギーの未来を作っていくような事業、私たちの対になるような会社は、勝手ながらレノバ社であると思っています。

レノバ社は今、この大きなマクロトレンドの中で、時価総額4,000億円という水準を超えています。レノバ社が歩んできたような道のりを私たちも、ENECHANGEとして歩んでいかなければならないという目線感で取り組んでいます。

時価総額は200億円、300億円、400億円と、いずれにしても、誤差なくらい小さすぎると考えており、1日も早く1,000億円を超えてくるような、会社規模水準に上げていきたいと思っています。まだまだ上がるつもりでいるため、ぜひその点を今日のプレゼンを通じて、みなさまにお伝えできればと思っています。

会社概要

城口:それでは、カンパニーハイライトということで、簡単に会社のご説明をします。当社は2015年に設立したベンチャーであり、現在、社員は100人程度の会社です。

もともと、私がイギリスのケンブリッジで創業したこともあり、イギリスと日本に会社があります。現在、メインの拠点は日本で、いわゆる手と足は日本に置いているということです。しかし、目と耳はイギリスに置いて、取り組んでいます。

後ほどご説明しますが、世界視点で、世界基準で事業を行っていき、マーケットとしては日本に集中していくことが、私たちの基本的な戦略です。

脱炭素化推進は、当社事業において追い風

城口:まず、脱炭素の推進は、今私たちにとって大変力強い追い風です。スライドの左側にあるとおり、今後再エネがどんどん伸びていく状態になっています。再エネが増えていくことで、レノバ社の株が上がるのは間違いないと思います。これは、今実際に起きていることです。

一方で、みなさまに本当に注目していただかなければならないのは、スライドの右側にあります。再エネはまだまだ安い電源ではなく、再エネを増やすということは、要は補助金が増える、いわば税金が増えます。それによって、電気代が上がります。今からこれだけ再エネが増えてくれば、再エネを入れていくためのコストで、電気代が今よりも10パーセントから20パーセント必ず上がります。

エネルギー業界の「電化」により、電力市場は18兆円規模に拡大見込み

城口:そうすると、みなさまは「電気代が高いな」と思うため、電気を切り替えたいというニーズが増えます。さらに、それをもっと省エネにしていかなければならない、もっと蓄電池を活用していかなければならない、電気自動車を活用していかなければならないというニーズも増えていきます。

脱炭素の実現のためには、再エネが増えていきます。それと同じくらい私たちが取り組んでいる、電気消費側のイノベーションのニーズ、デマンドのニーズが増えてくるといった状況です。

「エネルギーテック」分野のカテゴリーリーダー

城口:スライド8ページにあるとおり、電気は巨大な成長産業です。今後、オール電化によって、ガス市場を取り込みます。さらに今日のメインの話ですが、今後電気自動車が増えていくことで、ガソリン市場を取り込んでいきます。今、13兆円という電気の市場が、今後40パーセント伸びると言われているくらい、電力市場は、巨大な成長産業です。

私たちはその巨大な成長産業である電力産業に対して、SaaSとしてテクノロジーを提供する企業です。私たちはエネルギーにおいて、業界特化型のSaaS企業であり、多くのエネルギー会社が変革していくために、必要なテクノロジーを提供していくことが、当社の役割になっています。

「エネルギーの4D」に特化したエネルギーSaaS事業

城口:SaaS事業として、取り組んでいくことは2つあります。まず、「エネルギーの4D」と記載していますが、「自由化・デジタル化・脱炭素化・分散化」という4つの「D」に、すべて取り組んでいきます。これにより、私たちはエネルギー業界において、独自のポジションを築いていきます。

そして、この4つの「D」をプラットフォーム事業とデータ事業の、2つの事業セグメントでくくっています。なぜプラットフォーム事業とデータ事業でくくっているのかと言いますと、成長の時間軸が異なるためです。プラットフォーム事業は、電力自由化の領域です。これは2016年の電力自由化に始まり、2020年に発送電の分離があり、ここで一連の制度改革は完了しています。

そのため現在、みなさまが自由に電気を切り替えることができる状態になっており、多くの会社がテレビCMを打ち出しているように、競争がどんどん過熱化しています。

制度改革にあわせた2段エンジンの成長戦略

城口:私たちとしては、今まさに事業を伸ばしていく局面だと思っており、売上高成長30パーセント以上を、毎年達成していくという目標を掲げています。

一方でデータ事業については、今日、後段のところでお話ししますが、「デジタル化・脱炭素化・分散化」と、いわゆるスマートメーターを活用したり、蓄電池を活用したり、電気自動車を活用する話になります。しかし、まだ電気自動車はそこまで走っていないため、これはもう2年から3年かかると見込んでいます。2024年くらいから、本格的に市場が立ち上がっていくと思っています。

一方で、アメリカやヨーロッパは、しっかり立ち上がっています。そのため、データ事業は海外より、3年から5年くらい遅れていますが、必ず2024年頃には立ち上がってきます。まずはそこに目がけて、現在は先行投資をしていく局面であると考えています。

2027年度の売上高100億円にむけて売上高成長を最優先

城口:この2つの成長エンジンを軸にして、私たちは現在、売上拡大フェーズにあると記載していますが、まずは売上高100億円を目指していきたいと思っています。2027年までに達成と掲げていますが、業績が好調に推移しているため、できれば1年でも2年でも前倒せるように進めていきたいと思っています。

現在は売上を最大化する局面で、逆に言いますと、利益はそこまで重視していません。むしろ、利益を出すことよりも、積極的に再投資して、売上成長を最大化させることを考えています。なぜなら、エネルギー業界は100年に1度の大変革の中心にありますが、当社はまだ設立6年目の会社だからです。

これだけ大きな機会でありながら、たった6年でNo.1企業というポジションになれているからこそ、もう5年、10年積極的に投資していきます。利益を出すフェーズになった時には、営業利益率30パーセントを目安として、利益を出していけると思っています。利益に関しては少々お待ちいただいて、まずは売上高をしっかりと見ていただきたいと思っています。

エネルギーの未来をつくる

城口:最後に、簡単な自己紹介になりますが、私は東日本大震災を機にエネルギーという問題に非常に興味を持ちました。これだけ大きく変革が期待されている分野、求められている分野にもかかわらず、電力会社は旧態依然とした体制です。東日本の対応を見ても、後手に回る、イノベーションとはかけ離れた産業であるということは、10年前に多くのみなさまも痛感されたと思います。

私はその問題に、人生をかけて取り組んでいきたいと思い、イギリスのケンブリッジ大学でエネルギー工学を専攻し、5年間研究生活を経た上で、本会社を創業しています。私はエネルギー分野をまさにライフワークとして、人生をかけて取り組んでいくつもりです。ぜひ、みなさまにも中期的な視点でお付き合いいただければ幸いです。

エグゼクティブ・サマリー

城口:あらためて、エグゼクティブ・サマリーとして、当社はなぜ強いのか、4点にまとめています。1つ目は、日本が世界最大のエネルギー自由化市場であることです。アメリカは州によって自由化が異なりますし、中国は自由化していません。

日本は世界最大の市場であるため、私たちは変によそ見をせず、日本を徹底的に掘り下げるスタンスで取り組んでいます。

2点目は、事業領域です。私たちはエネルギーテックという、すべての電力会社にSaaSサービスを提供する、唯一のテクノロジー企業です。

3つ目は、当社はSaaS会社であるため、ストック型の収益が主体ということです。売上成長も大変強く伸びており、まさに強いビジネスモデルとなっています。

最後は競争力です。脱炭素のエネルギー改革は世界で起こっており、アメリカ、欧州が先行しています。そこをしっかりと見て、日本にタイムマシン経営ができるような経営陣がそろっていることが、私たちの強みだと思っています。当社の事業に関して、簡単なビデオを用意しています。そちらをご覧ください。

城口:みなさま、ビデオを見ていただきありがとうございます。あらためて、事業の内容を簡単にご紹介できればと思います。1つ目は、プラットフォーム事業ですが、ご覧いただいたとおり、日本最大の電力・ガス切替プラットフォームを運営しています。

日本最大級の電力・ガス切替プラットフォーム

城口:家庭向けは「エネチェンジ」、法人向けは「エネチェンジBiz」というかたちで、日本中すべてのお客さまに対して、サービスを提供しています。電気を安くしたいというニーズがメインなのですが、最近は特に、法人のお客さまのグリーンな電気が欲しいというニーズが増えてきており、まだまだ伸びると考えています。

そして、肝心のビジネスモデルをあらためてご紹介します。こちらは、2つのモデルになっています。まず、お客さまであるユーザーが電気・ガスを切り替えていただいた時、電力会社より、一時報酬というかたちで報酬をいただきます。

電力会社ごとに、多少もらう値段が違うのですが、最近は電力競争の激化とともに、単価水準が切り上がっています。現時点で言いますと、昨年の倍水準である2倍以上くらいまで、もらえる金額が増えています。そのためARPUが上がり、価格が上がることにより、売上がすごく伸びています。

電気・ガス代従量課金のストック型収益

城口:収益の2つ目は、非常に重要となる「ストック型収益」です。電力契約やガス契約が続く限り、電気代やガス代の2パーセントを無期限にいただく収益構造になっています。一般家庭における電気代の年間平均が10万円である場合は2パーセント、つまり年間2,000円を受領する構造になっています。

仮に「エネチェンジ」を通じて100万人が電気を切り替えた場合、金額は年間で20億円となり、200万人では40億円という状況になります。私たちとしては、これがまさに利益の源泉となるため、私たちの中長期的な利益体質の強さを理解いただけるのではと思っています。

エネチェンジ限定キャッシュバック施策によるユーザーメリット

城口:なぜユーザーが「エネチェンジ」を使うのかについて、メリットをご説明します。「エネチェンジ」で電気を切り替えると、年間で1万円から3万円、経済的メリットを受けられます。これは、電力会社が「エネチェンジ」上でいろいろなキャッシュバックキャンペーンを実施するなど、プラットフォームが非常に強いからこそ実現できており、大変よいディールとなっています。

スライド左側に棒グラフで示していますが、例えば、大手ガス会社や大手通信会社においてオフラインによる電力切替を行っている人は、おおよそ2,000円から3,000円しか安くなっていません。しかし、「エネチェンジ」で行うと最大3万円程度の経済メリットを享受できます。

そうなると、当然ユーザーは「エネチェンジ」を使うと思います。それではなぜ「エネチェンジ」を使っている人がそれほど少ないのかと言いますと、私たちがまだ広告宣伝を行っておらず認知度が少ないためです。今後は広告宣伝を強化していくことで、「エネチェンジ」が伸びる余力が大きくあると思っています。

日本全体で新電力に切り替えた人はすでに3割となっていますが、新電力を契約中の方と「エネチェンジ」を使ってくださった方の割合は、1パーセントから2パーセントしかいません。シェアはしっかりと伸びてきていますが、今後どこまで伸びるのかについては、海外の需要を見ても、おそらく10パーセントから20パーセントまでは確実に伸びると思っています。

私たちは、売上規模を今の10倍に必ずできると信じて取り組んでいます。まずはこの部分を1つの目安として見込んでいただければ幸いです。

パートナー件数の増加によるオフラインチャネルの拡大

城口:私たちはオンラインだけでなく、オフラインの取組みにも強化しています。例えば、「引越し時に電気を切り替える」「銀行融資の相談時に電気を切り替える」「税理士、会計士からも経費削減のアドバイスをもらう」というかたちで、現在、日本中のトータル350社以上のパートナーと、パートナーシップを結んでいます。

この「350社」はまだまだ序の口であり、今後は1,000社、2,000社にしていく計画で進めています。オンラインでもオフラインでも、電気の切り替えは「エネチェンジ」となるように、今後、日本中で知名度をしっかりと上げていくことにより、まだまだ伸びると思っています。

イギリス事例:電力切替推定市場規模 300億円

城口:イギリス事例をご紹介します。イギリスは、日本と同じ島国で電力自由化も日本と同じ方法で行っており、マーケットにおいて最も参考になる国です。

イギリス最大手の会社は、電気の切り替えだけで売上が150億円くらいあります。切替シェア2位のMoneySuperMarket社は、2020年度の推定売上が77億円、営業利益率が推定30パーセント程度、切替における推定シェアは15.9パーセントとなっています。

まさにこれが、私たちが目指している規模感です。先ほどお伝えしたように、現在は1パーセントから2パーセントのシェアではありますが、最大手の会社のように27パーセント、2番手の会社のように16パーセントと、今の水準より10倍くらい伸びる可能性があると思っています。

そもそも、イギリスのエネルギーの市場規模は日本の半分に相当します。No.1プレイヤーである私たちは、イギリスの2倍となる市場規模があるにもかかわらず、どうして売上が50億円、100億円までいかないのか考えています。ですので、数年ほど期間をいただければこれくらいの規模までしっかり成長していけると確信しています。

電力・ガス会社向けクラウド型DXサービス

城口:データ事業についてです。現在、2つの主力商品「EMAP」「SMAP」というサービスを中心に事業を展開しています。すでに東京電力、東京ガスをはじめとした、日本中の50社に迫る数の電力会社に使っていただいているため、エネルギーのSaaS分野において、デファクトスタンダードと言える会社になっていると思います。

月額ライセンス料課金のストック型収益

城口:ビジネスモデルを簡単にご紹介すると、基本的にはSaaS企業ですので、ソフトウェアライセンス料として月額で報酬をいただいています。100人、1,000人、1万人と、実際に使うユーザー数に応じたライセンス収益になっているため、一番小さいところでは年間で数百万円、大きなところでは数千万円から億単位でいただいており、売上の大半を占めています。

その他、カスタマイズやコンサルティングなどの売上もありますが、今後はこの部分の売上をどんどん減らしていき、むしろライセンス収益を最大化させていくことが基本戦略となっています。

私たちの戦略として、電力自由化はあくまでもプラットフォーム事業で進めていますが、「EMAP」「SMAP」は基本的にはデジタル化に関連する領域になります。今後は脱炭素化や分散化の動きにより蓄電池や電気自動車が進むなど、このあたりの取組みを強化していくことで、今の「エネチェンジ」がもっと違うレベルに成長していくと思っています。

海外事例:2021年欧米で上場した(予定含む)エネルギーテック企業

城口:こちらのスライドは、土曜日にもかかわらずお時間を割いて参加いただいたみなさまのためだけに、初公開として準備しました。エネルギーテック領域において、「エネチェンジ」のデータ事業に該当する上場企業が、今世界でどんどん増えてきているという内容をまとめています。今年だけで約10社のIPOがアメリカのナスダック、ニューヨーク証券取引所で行われており、時価総額が軒並み1,000億円を超えています。

大きなところでは、チャージポイントという会社で7,600億円という会社も出てきています。まさにこれが「エネチェンジ」データ事業の可能性です。彼らは何を行っているのかと言いますと、基本的にはEV充電と蓄電池のマネジメントシステムなどの、いわゆるデジタル事業です。

このあたりの事業の可能性は非常に大きいため、私たちの「エネチェンジ」も、まずは「蓄電池」「デマンドマネジメント」「電気自動車関連」の事業に集中して取り組んでいきたいと考えています。海外において成功事例がどんどん出てきていますので、海外からのタイムマシン経営を基本戦略とする私たちにとっては、絶好のチャンスが訪れているとみています。

2022年春の「電力データ自由化」による電力データ活用新規サービス

城口:今後の大きなチャンスの1つとしては、まず2022年春に予定されている「電力データ自由化」です。スマートメーターはおそらくすべての家庭に、すでに設置されています。現在、電力データは電力会社しか使えないのですが、来年の春からAPIアクセスが開放され、「エネチェンジ」のようにだれでも使えるようになります。

例えば「冷蔵庫の家電メーカーやエアコンメーカー、空調メーカーが使いたい」といった話がいろいろと来ています。「エネチェンジ」では、電力データ自由化に向けて、水面下でさまざまな取組みを準備しているため、来年の春までにはいろいろな発表ができると思います。

これを見越した上で電力データが使えるようになると、デマンドレスポンスとして、つまり、エアコンを自動で制御したり、みなさまの冷蔵庫を30分間だけ切らせてもらったりするようなことが可能になり、世界ではどんどん始まっています。

米EV充電機器大手との提携によりEV市場に参入

城口:再生可能エネルギーである太陽光発電や風力発電は、どうしても発電量が変動しますので、デマンドをコントロールしなければなりません。コントロールするためにスマートメーターのデジタル技術と併せていくため、家電を制御していく可能性が高まります。アメリカの上場企業の中でもそのような取組みを行っている会社が多く、ここが非常に大きなチャンスです。

なによりも今世界で盛り上がっているのは、EV充電です。もちろんテスラのようなEVメーカー自体も盛り上がってはいるのですが、充電ステーションを管理する会社が世界で非常に伸びています。なぜ伸びているのかと言いますと、EVは巨大な蓄電池であるためです。

充電ステーションが1万ヶ所あり、そこに1万台のEVがつながっていた場合、原発何基分にも相当する蓄電池の力になります。この活用ができると、これから増える太陽光発電、風力発電の変動を吸収できる可能性があるということで、次世代のエネルギーインフラにおいてEV充電網が大変注目されています。しかし、ご存知のとおり、日本にはまだEVもなければEVの充電網もありません。

この分野は非常に大きなゴールドラッシュですので、当社はすでにアメリカNo.1の会社と組み、EV充電インフラ分野への参入を発表しています。「『エネチェンジ』はEVの銘柄にもなる」という考えのもと、EV充電でもNo.1のポジションを取りにいくつもりで取り組んでいます。

2021年度第2四半期: エグゼクティブ・サマリー

城口:2021年度第2四半期のエグゼクティブ・サマリーの数字について簡単にご説明します。今期の連結業績は2021年5月に上方修正を発表しており、売上高は23億円から26億円に修正しています。現在、前期比では51.8パーセント増と、大変強い数字を予想しています。

これに対して現在の進捗率は53.3パーセントと、昨年と比較しても大変順調に進んでいます。むしろ、さらに上方修正がもう一段階あるのではないかと期待していただけるほど、事業が順調に進んでいるとご理解いただければ幸いです。

当社は利益に関して黒字としか出していませんが、先ほどお伝えしたとおり、「利益は重視していない」ため、あくまでも売上高を重視しているとご理解いただければと思います。四半期べースでは、今年から特に売上高が強く伸びています。中でもプラットフォーム事業、電気の切り替え事業が売上の成長を牽引している状況ですので、期待できると思います。

エネルギーテック企業として高成長と企業統治を両立できる取締役チーム

城口:最後に経営陣についてです。冒頭でお伝えしましたが、時価総額4,000億円になっているレノバ社CFOの森暁彦氏をはじめ、私たちが蓄電池、EVにも参入していることから、その専門家でもあるシーメンス日本法人CEOであった藤田研一氏など、私たちが世界で勝負できる経営陣を揃えています。まさにここも当社の強みだと思っています。

質疑応答:今後の事業支援の展開イメージおよび出資について

坂本慎太郎氏(以下、坂本):8月、9月に参画するファンドを通じて出資を行っているのですが、このような事業を支援していくことを仮に続けていく場合、今後の展開イメージを教えてください。

また、参加者の有限責任についてLooopや北陸電力系の会社などがありますが、新しい案件として、他にも投資したい会社があるのかについても含めて教えていただきたいです。

城口:直近では、アメリカの会社の中でも2社に出資することを発表しています。そのうち1つは、有名なビル・ゲイツと共同出資するかたちになっており、もう1社に関してもアメリカの著名大手企業との共同出資となっています。

城口:スライド35ページに、なぜ私たちがそのようなことをしているのか記載しています。私たちは海外で最先端の企業に出資し、ファイナンシャルリターンを求めているわけではありません。出資することで独占として日本での事業権利を獲得し、最低でも優先契約を取りにいくことを狙っています。

私たちが出資している分野は、蓄電池、EV、スマートメーターであり、今後10年で絶対に伸びると確信しています。日本においても、大きな市場が必ずあるような分野に積極的に出資していくことを通じて、日本と海外との事業戦略の基盤を固めていくことが基本的な戦略になっています。

現在、出資者に関しては、私たちをはじめ、大和証券のグループ会社様、北陸電力様、Looop様、エンバイオ様という4社で行っています。その他にも、脱炭素の話を受けて多くの企業から「一緒に話をさせてほしい」という声を多くいただいているため、現在、そうしたファンドの拡張も検討している状況です。

質疑応答:電力データ自由化による需給調整市場の動きおよび成長スピードについて

坂本:2016年電力小売全面自由化に伴い、現在いろいろな施策やプラットフォームが整ってきたところだと思います。前回「データ事業は2024年で成長が加速する」という話をされましたが、来年の電力データ自由化による需給調整市場の動きについて、現状で遅れはないのかをお聞きしたいです。

また、日本は特にスマートメーターの設置が今年で90パーセントを超える予定になっており、御社の成長が実は早くなるのではないかと思いますが、このあたりはいかがでしょうか? 

城口:電力データの自由化はまさに、来年の大変重要なテーマです。電力データが自由化すると家電の制御などが容易なるため、デマンドレスポンスがもっと広がっていきます。

それも大事なことなのですが、デマンドレスポンスを収益化していくためには電力データの自由化だけではなく、2024年に始まる容量市場・需給調整市場という新しい市場が必要になります。裏を返せば、2024年まではそれほど収益化ができないため、どうしても先行投資の要素が強くなってしまいます。

たとえば、スライド35ページの中段にも記載しましたが、今年アメリカで上場したStem社という時価総額3,000億円超の企業があります。彼らはまさにデマンドレスポンスの会社で、蓄電池などをマネジメントし、それを容量市場・需給調整市場で収益化しています。

私たちも「彼らのような会社になりたい」「彼らの事業分野で日本のポジションを取りに行きたい」と思っており、それができる状況にあるとも思っています。しかし、市場自体が2024年までは開かないため、本格的に売上が加速していくまではどうしても時間がかかってしまうという現状です。

質疑応答:社外取締役を抱えるメリットについて

八木ひとみ氏(以下、八木):社外取締役の方が多いですが、そのことによって、近年大変重要視されているガバナンスの観点以外にもプラスに働いていることがあるのでしょうか?

城口:ガバナンスの観点は大前提なのですが、世界の企業の動向を把握して、それを日本に持ってきて日本でやり抜いていくためには、ある程度シニアのメンバーが必要だと思っています。

よい例で言いますと、レノバ社のCFOを務めた森暁彦氏のように、資本市場とのコミュニケーションに長けた方が入ってくださることで、資本市場にしっかり対応できるようになると思っています。また、シーメンスおよびシェルで重責を担った藤田研一氏や武田稔氏、吉原信一郎氏も東電とのジョイント・ベンチャーを行っているエプコ社の代表取締役CFOです。このようなシニアのメンバーが役員にいることで、海外企業および日本企業との提携もかなり効率よく進んでいると考えています。

質疑応答:Googleのアルゴリズムに対応したSEO対策について

坂本:Googleのアルゴリズムは頻繁に変わると思うのですが、御社が最重要と位置づけているキーワードで表示率1位を保っている秘訣があれば、話せる範囲で教えてください。

城口:「電気・切り替え」「電気代・節約」などのキーワードで検索すると、ENECHANGEがほとんどトップに出てきます。2番目にはカカクコムが出てきますが、カカクコムは私たちのパートナーであるため実質ENECHANGEです。そのため、弊社とカカクコムで電力切り替えについての検索のうち50パーセントを超えるシェアを占めています。

では、残りのシェアは誰が取っているのかと言いますと、東京電力や東京ガス、もしくは経済産業省や政府のページになります。つまり、「電気・比較」「電気代・切り替え」などのキーワードで検索したときに、ENECHANGEの競合的な立ち位置で出てくる比較サイトは基本的にはないという状態です。上位表示されるのはENECHANGEとカカクコムしかないと言えるくらい、すでに市場を独占できています。

2016年の電力自由化からほぼ独占状態になっており、私たちはこのポジションを5、6年の間、ずっとキープしています。なぜそれができているのかと言いますと、これこそ私たちの本業中の本業ですので、エンジニア工数も含めてかなり多くの投資をしていますし、私たちが日本の電力自由化を牽引してきたという自負もあります。おそらく、このような部分をGoogleから評価していただいたのだと思います。

Googleはさまざまなアルゴリズム変更を行いますが、私たちは過去一度たりとも順位を大きく失ったことはありません。そのため、Googleから見て、ENECHANGEは大変信頼できるウェブサイトだと言えると考えています。

質疑応答:デマンドレスポンス事業の参考となる海外事例と協業パートナーについて

坂本:会場からの質問です。「1点目は、デマンドレスポンスネットワークの拡大について、参考にしている海外事例があるのか、日本でも再現性があるのかについて教えてください。2点目が、デマンドレスポンスのネットワークは協業で広げていくのが基本なのでしょうか?」ということです。

城口:1点目については、スライド35ページに記載した会社が海外の参考事例です。デマンドレスポンスとは、「デマンドをマネジメントしましょう」「電気の需要をマネジメントしましょう」という話なのですが、マネジメントできる需要は大きく分けて3つしかありません。1つ目は家庭および法人のエアコン・冷蔵庫です。2つ目は蓄電池で、3つ目が電気自動車です。海外でも成功しているデマンドレスポンスはこの3つしかありません。そのため、これらをどれだけ束ねられるかが勝負になります。

そして、35ページに記載のとおり、Stem社は蓄電池を中心に束ねている会社で、その他がEV充電を中心に束ねている会社です。まさにこのあたりが参考事例だと思っていますし、詳細は言えないのですが、これらの会社のCEOレベルとすでにいろいろな交渉やコミュニケーションを行っています。

もしかしたら提携するかもしれませんし、場合によっては真似させてもらうかもしれません。組み方はいろいろあるのですが、幸い私は英語が得意で、お互い上場企業のCEO同士で対等に話せる関係ですので、彼らと水面下でさまざまな話をしています。

次に2点目の質問について、パートナーシップを中心に行っていくこともありうる状況で、パートナーシップの話も彼らと進めています。一方で、例えば、電気の切り替えについては、以前イギリスのUswitch社やMoneySuperMarket社と話をしたことがあります。しかし、彼らとのパートナーシップではなく、私たちは自前で事業を進める選択肢をとりました。

そのため、海外の企業とパートナーシップを結ばないと成功しないのかと言いますと、必ずしもそうではありません。むしろ自前のほうが自由度もあり、日本向けにローカライズできてよいことも多いと思っています。そのようなこともあり、必ずしもパートナーシップありきではないのですが、一番大事なのはやはり海外の企業としっかり話すことです。そのまま日本に生かせて、日本用に作り直していかなければいけないことを、CEOレベルできっちり把握することが大変重要です。私たちは、まさにそうした取り組みをしているということだけ、まずはご説明できればと思います。

質疑応答:Ambri社への投資のメリットと蓄電池市場の見通しについて

坂本:Ambri社について、事前質問と会場質問をあわせてお伺いします。1点目が「Ambri社への投資について、デマンドレスポンスネットワーク拡大に関わるものと理解しているのですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?」という質問です。

2点目が「Ambri社の蓄電池について、2023年に大量生産を開始するとのことですが、日本の制度改革スケジュールをふまえると遅いということは考えられますか?」という質問です。

城口:まず前提として、Ambri社は今あるリチウムイオン蓄電池のさらに次世代の蓄電池を作っている企業です。日本でポストリチウムと言いますと、トヨタが開発している全固体電池ばかりが注目されますが、ポストリチウムの技術はさまざまあります。

特にトヨタが開発している全固体電池は、安全性が高い・爆発しないといった特徴があり、基本的には自動車に最適なものです。しかし、再生可能エネルギーの視点で見ると、安全性はそこまで問題ではありません。それよりも、安くて巨大な蓄電池のほうが求められます。

そして、再生可能エネルギーに特化した新しい蓄電池を作っているのがAmbri社です。MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究から始まり、ビル・ゲイツ氏が100億円くらい出資しているような、まさに次世代の会社です。

この新しい蓄電池が大量生産できるようになると、今の蓄電池の半分以下の価格、おそらく3分の1くらいの価格のものが出てきます。こうなると、日本の蓄電池のエコシステムが大きく変わります。今はまだ蓄電池は高いため成り立たないですが、3分の1程度まで安くなり、さらに2024年から容量市場・需給調整市場の収益化のマーケットも沸いてくるとなると、それは大変大きなチャンスです。

そこで私たちは、日本においてAmbri社の蓄電池を最優先で活用できる立場で、蓄電池ネットワークを築いていきたいと思っています。今回、Ambri社には大きく3社が出資をしていますが、ビル・ゲイツ氏とインドのリライアンス社はインドのマーケットを取りにいっており、日本のマーケットをENECANGEが取りにいっています。Ambri社以外にも将来有望な会社はまだまだ候補にあるのですが、2024年からさらに盛り上がってくるはずの蓄電池・電気自動車市場に向けて先行投資している現状です。

坂本:たしかに蓄電池問題はずっと続きますね。国内では日本ガイシが先行しましたが、蓄電池ネットワークができると、太陽光発電などの再生エネルギーもかなり使えるようになりますし、夜間にリユースできるのもよいことだと思います。

城口:おっしゃるとおりです。海外ではそのあたりへ大量の資金が流入しているため、日本企業が勝ちきれない状況です。逆に、そこに日本人として投資の話も含めて切り込めているのは、僭越ながら私たちくらいだと思っています。海外の景気を軸に日本市場を攻めるのはENECHENGEにしかできないプレーですので、この大きなチャンスにしっかり注力していきます。

質疑応答:脱炭素化による追い風と事業の将来性について

八木:脱炭素化の流れによって、このような事業の追い風になっているというお話が先ほどもありました。御社はそのような状況を見越していろいろと準備してきたと思うのですが、体感では想像していたよりもどれくらい早くその未来が来ると考えていますか?

城口:それがまさにスライド35ページで言いたいことで、今回あえてみなさまに提供しました。アメリカにはCharge Point社をはじめ、弊社の創業以前から向こうの経営陣と関係性が続いている会社が多くあります。当時まだ駆け出しのベンチャーだった会社で、今でも売上高100億円もないような会社ばかりですが、それでも時価総額は数千億円規模です。ENECHANGEも市場から大変高い評価をいただいているものの、彼らのほうが私たちよりも10倍くらい期待値の高い時価総額になっています。

日本ではエネルギーテックの分野でENECHANGEしか上場していませんし、私たちの時価総額もせいぜい400億円いかないレベルです。特にアメリカの市場ではヨーロッパの会社もどんどん上場しており、アメリカ・ヨーロッパでは強い追い風が吹いていますが、日本では同程度の時価総額を持つ企業がレノバ社くらいしかありません。

つまり、レノバ社のような再生可能エネルギー事業の会社は、脱炭素化の流れによって今まさに強い追い風が来ています。しかし、その一歩先の、蓄電池やEV、エネルギーテックなどは日本ではまだ追い風が来ていません。そうは言いましても、アメリカではすでにこの分野でも追い風が来ているため、いつか日本にも追い風が来ると思って、時流を意識しながら会社経営をしていかなければいけないと日々考えています。

    

記事提供:ログミーファイナンス

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