さいごに

退職金制度がない会社は、全体的にみると少数派だといえます。とはいえ、実情は「企業差」によるところもあるでしょう。

今回は触れませんでしたが、退職金の給付額は「勤続年数の長さ」や「企業規模」の影響も強く受ける傾向があります。

経験やスキルを武器に企業を渡り歩く人、そして、即戦力を求めて経験者採用に注力する企業が増えるこんにち。終身雇用・年功序列の制度のもとで機能してきた従来の退職金制度は、働き手・企業双方にとってメリットが低くなっていくことが考えられそうです。

企業の中には、退職金制度そのものの見直しを進め、企業型確定拠出年金を導入する動きも出ています。

キャリアプランは十人十色。一つの会社で定年まで勤め上げる場合も、すでに転職を経験・計画している場合も、退職金に過剰な期待をすることは避けたほうがよいかもしれませんね。

お勤め先の退職金のしくみは、できるだけ早い段階で把握しておかれることをおすすめします。

「退職金の制度はあるのか」「どのくらい受け取れそうか」という情報は、老後のマネープランを立てる上で欠かせないものだからです。

リタイヤ直前に「こんなはずじゃなかった!」と慌てないためにも、ぜひ、今のうちに確認をしておきましょう。

「人生100年時代」はすぐそこまで来ています。

私たち現役世代のセカンドライフは、思いのほかに長いものとなる可能性がありそうですね。ゆとりある老後を、元気に過ごしていくために、「お金の不安」は少しでも減らしていきたいものです。

「老後に向けたマネープランって、どう立てていけばいいの?」
「今のわが家の貯蓄状況で大丈夫?」

そんな疑問や不安は、「お金のプロ」にぶつけてみることをおすすめします。経験豊かなアドバイザーの力を借りながら、ご自身に最適な「お金の守り方・増やし方」が見つかるきっかけがつかめるかもしれません。

参考資料

平成30年就労条件総合調査」について

調査対象:日本標準産業分類(平成25年10月改定)に基づく16大産業(製造業や情報通信業、金融業など)に該当する産業で、常用労働者30人以上を雇用する民営企業(医療法人、社会福祉法人、各種協同組合等の会社組織以外の法人を含む)となっており、ここからさらに、産業、企業規模別に層化して無作為に抽出した企業が調査対象。

調査客体数:6405 有効回答数:4127 有効回答率:64.4%