ビックカメラ、成長領域の法人事業やECの売上増加も実店舗は都市部を中心に苦戦 単体では減収減益

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2021年4月16日に行われた、株式会社ビックカメラ2021年8月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社ビックカメラ 代表取締役社長 木村一義 氏

単体 決算概要

木村一義氏:ビックカメラの木村でございます。このような時期に、説明会にわざわざお足を運んでいただきまして、大変ありがとうございます。また、平素はいろんなかたちで応援いただいたり、ご支援いただいたりなんかしていることを重ねて御礼申し上げたいと思います。

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それでは、先ほどのコジマの決算内容もふまえて、ビックカメラの2021年8月期の第2四半期業績からご説明をさせていただきます。

まず、ビックカメラ単体の決算概要からご説明いたします。コジマに反しまして、売上高・各利益項目とも前年ならびに予想を下回る結果となっております。

単体 売上高①

売上高の販売チャネル別実績から見ていきますと、前年同期比240億円の減少となった売上高ですが、ビックカメラが成長領域と位置付ける法人事業が16億円の増加、ECが145億円の増加となっております。

一方、実店舗は401億円もの減少となりましたが、そのうちの半分はインバウンドであるものの、国内向けの売上につきましても、緊急事態宣言の再発出の影響もございまして、都市部を中心に苦戦をいたしました。

単体 粗利・販管費

売上高は大きく減収となりましたが、私が就任以来、特に強調してきた粗利益率の向上と販管費の削減、そしてこれらによる損益分岐点の引き下げには一定の成果があったと考えております。

卸売とコジマやソフマップからの役務提供の対価を除くベースの粗利益率は、PB商品や高付加価値商品の販売増などにより、前年同期に比べて0.4ポイント改善いたしました。

また、販管費におきましては固定費の削減に加え、ポイントや物流費等の抑制、さらに設備投資の厳選に努めた結果、損益分岐点は前年同期を136億円下回る結果となっております。

会社別業績

次に、ビックカメラとコジマ以外の主要各社の業績でございます。ソフマップは前年同期比で減収となりましたが、営業赤字から黒字に転じております。

収益性が低かったECの販売戦略を見直す一方、Eスポーツ関連商品の販売強化、またサポートや中古事業に注力をした結果、粗利益率が前年同期に比べ3.6ポイント改善してきております。

日本BS放送は売上が順調に推移したこと、また一部番組の制作の遅れと再編集番組の活用による売上原価の減少や、番組宣伝費用の効率使用により、前年同期比で減益予想だった営業利益は一転、増益となりました。

連結子会社のラネットは前年同期比で減収でございましたが、販売支援金の増加などによる粗利益率の改善、また販管費の抑制が進んだことで、前年同期比で減益を見込んでいた営業利益は増益での着地となりました。

連結 決算概要

以上の結果、上期の連結業績は売上高が前年同期を下回った一方、営業利益・経常利益および親会社株主に帰属する四半期純利益は、いずれも前年同期を上回り期初予想に対して倍増での着地となりました。

このほか、WILBYほか3社を重要性の観点から新たに連結、もしくは持分法適用の対象としております。

連結 貸借対照表

次は、連結の貸借対照表です。商品及び製品、いわゆる在庫ですが、前期より在庫適正化に向けたさまざまな取り組みを行っており、前年同期との比較では183億円の減少となっております。今後も在庫の適正化への取り組みを継続して行ってまいります。

連結 キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書です。営業キャッシュフローの前年同期との差につきましては、先ほどお話しした前期の大幅な在庫削減の影響が主なものです。

投資キャッシュフローの子会社株式の取得は、第2四半期においてラネットが株式の100パーセントを取得したアロージャパンに関するものでございます。財務キャッシュフローは借入金の増加が主な要因です。

連結 品目別売上高

品目別の売上高でございます。売上が厳しかったビックカメラにおいても、巣ごもりやテレワーク、オンライン授業といった消費者が求めるニーズに合致した商品は底堅い販売が続きました。

なお、当社の決算と同じ期間における国内の家電小売業界の売上は前年同期を約2パーセント上回っており、全国的に底堅い家電の需要が生じております。

商品別では当社グループと同様に、テレビや加湿器、空気清浄機が牽引した季節家電のほか、パソコン周辺機器やゲームの販売が伸びております。

月次売上高の推移(前年同月比POSベース)

月次売上高の推移ですが、これまでご説明してきたとおり、ビックカメラとコジマとで対照的な動きが続いております。

連結 業績予想

続きまして、今期2021年8月期の業績予想につきましてご説明いたします。連結の業績予想でございます。上期や足元をふまえ、通期の業績予想を修正いたしました。下期だけを見れば、売上・利益ともに下方修正となっておりますが、これはビックカメラ単体の下方修正によるものでございます。

単体 業績予想

単体の業績予想です。単体の修正予想は、期初予想に比べて売上高が350億円の下方修正、利益はいずれも下方修正となっております。これは足元の弱さに加えて、今期中の新型コロナウイルス感染症の収束は依然として大きく見込めません。よって、都心部の厳しさを見込んでいることによるものでございます。

単体 売上高②

四半期の販売チャネル別売上増減でございます。下期におきましては、実店舗の回復を中心に増収に転じる予想となっております。特に前年、緊急事態宣言で店舗休業などの影響が大きかった第3四半期は、売上が大きく伸びるものと見込んでおります。しかし、2年前のコロナ以前の水準を上回るには至らないと考えています。

店舗展開(下期の出店)

店舗展開でございます。3月5日、新幹線の開通以降にぎわいが増す熊本駅前に、ビックカメラ アミュプラザくまもと店を開店いたしました。地域密着を掲げる同店は、コンパクトながら非家電商品の品揃えを絞り込むことで、ニーズが高い家電製品の品揃えを充実させており、お客さまにとって使い勝手のいい店舗になったと考えております。

連結 設備投資・減価償却

設備投資ですが、投資対効果を見極め、不要不急で目的の希薄な投資の中止や先送りにより、今期の設備投資額は期初に比べて25億円少ない170億円に計画を修正しております。また、減価償却費も期初計画から減少する見込みでございます。

配当金

配当金です。当社は業績に応じた適正な利益配当の実施を利益配分の基本方針としております。2021年8月期の中間配当は1株あたり5円に決定いたしました。なお、期末配当は1株あたり10円を予想しております。

販売力:店舗力の強化

続きまして、成長戦略です。小売業の競争力の源泉は、お客さま目線に立った商品を提供する商品力、そしてお客さまにとっての価値を訴求する販売力だと考えております。

本日はまず、販売力の取り組みとして、店舗および成長領域と位置付けるECと法人について、そして商品力の取り組みとして、PB商品およびリカーリングサービスについてご説明をさせていただきます。

まず、販売力の強化の一環として店舗力の強化に取り組んでおります。現在ビックカメラの店舗では、お客さまの購買代理人としてお客さま目線でわかりやすくて買いやすい売場づくり、そして製品やサービスを利用する立場に立った接客力の強化に取り組んでおります。

売場づくりでは、現在のお客さまニーズをふまえ、商品の分類や括りの見直しを行い、短い時間で欲しい商品が見つけられる商品展開への変更を進めております。また、適切な動線を確保することによる買い物がしやすい環境の形成や、需要をふまえた売場の商品構成変更も同時に進めております。

店舗力の強化のために、女性による提案の場の拡大も積極的に進めております。お客さまの購買代理人として暮らしのお役に立てるよう、女性目線での売場づくりや販促企画立案、販売員育成など店舗における女性活躍推進をさらに図るべく、「B-Lifeデザイン室」を本年2月に新設し、活動を開始しております。

販売力:EC

次に、ECです。今上期のグループのEC売上高は前期比124.7パーセントと、引き続き大きな伸びで推移いたしました。また、ビックカメラの単体のECにつきましては、問題であった収益体質の強化に本格的に取り組んでおります。

粗利益率の向上や経費のコントロール、また投資の厳選などに努め、正確な収益の見える化を進めており、収益力向上の効果も出始めております。

足元の取り組みとしては、商品情報の充実や検索性の向上、購買動線の整備を進め、原点である、より使いやすいECサイトを追求しております。また、実店舗を持つ家電専門店の優位性を生かし、スピードや安心感が求められる設置や工事の対応上限を拡大し、白物家電の販売を今以上に伸ばしていく計画でございます。

販売力:法人事業

次に、法人事業です。成長領域と位置付ける法人事業は、毎年2桁成長が続いており、今期の売上高は当社グループで300億円に迫ると予想しております。

ビックカメラの法人事業は、主要都市に設けております法人事業所と法人専用ECで事業を推進してまいりましたが、このたび全エリアの店舗で地域密着の法人営業を開始することといたしました。

店舗近隣の法人ニーズを把握した専任者が店の外に飛び出し、攻めの訪問提案を行うというもので、地域の法人さまのお困りごとに対応してまいります。

商品力:PB商品

続きまして、小売業の競争力のもう1つの源泉でございます商品力についてです。当社グループでは、まだまだナショナルブランドの商品が中心であり、商品力で競争できる商品を持つこと、すなわち、お客さま目線に立ったPB商品、独自性商品の開発が喫緊の課題となっていることから、今期、PBの専任組織として商品開発部を立ち上げました。商品開発部では、現在当社グループのPB商品の中でも、独自性が高いオリジナルブランド商品の開発を強力に進めているところでございます。

将来的には、製造から小売までを行うSPAも見据えながら、消費者ニーズを捉えた競争力を持つ商品の開発を加速してまいります。なお、PB売上に占めるオリジナルブランド商品の割合は、今期10パーセント程度を見込んでおりますが、4年後には30パーセントを超える水準にまでもっていきたいと考えております。

商品力:リカーリングサービス

次に、リカーリングサービスです。国内の家電小売市場は成長が頭打ちとなっており、長期的に見れば人口の減少等、楽観できない状況にあると考えております。

そうした中、収益を今後も高めていくには販売して終わりではなく、販売した後もお客さまとつながることができるビジネスモデルの確立が必要だと考え、リカーリングサービスの開発に力を入れてまいります。

リカーリングサービスとしては、これまでもソフマップにおけるデジタル製品のサービスサポートや、修理・買取のサービスなどをすでに行っておりますが、来年には天然水の宅配事業を開始することとなりました。

山梨県の富士吉田市で採水工場を稼働させ、当社グループの販売チャネルを生かした契約受付や物流の活用を進めて、稼働開始から5年での黒字化を目指す計画としております。おいしく安全な水の提供で、お客さまの暮らしのお役に立ちたいと考えるこの事業では、地域とも連携して運営をしていく予定でございます。

サステナビリティ経営の加速

最後になりますが、サステナビリティ推進室を4月1日に新設し、ビックカメラの「お客様の購買代理人として、くらしにお役に立つくらし応援企業であること」というパーパスを制定をいたしました。

パーパス/企業理念/企業ミッション/企業コミットメント/行動理念

すでに、これまでにも企業理念・企業ミッション・コミットメントおよび行動理念を制定して経営戦略の根幹としてきていますが、近年、ESG・SDGsに代表されるように、企業は社会の公器として事業の成長、すなわち経済的価値に加えて、社会的課題のソリューション、社会的価値を同一軸で追求することで持続的に成長させることが不可逆のトレンドになってきていると考えています。

当社を取り巻く事業環境の変化と企業が評価される軸や尺度の変化に、同時に機敏に革新的に立ち向かっていかなければなりません。

そこで予測の難しい、激しい変化の時代に、いつの時代でも社会から必要とされるビックカメラを存在意義とし、パーパス、なぜ存在するのかを制定し、どんな時代もぶれることなく、パーパスに沿って進化し続けることがガバナンスの肝だと考えています。

以上をもちまして、私からのご説明を終了させていただきます。ご清聴、ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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