大企業に勤める新卒者が抱いた不安・辞めた理由

一流企業を飛び出した人たち。働いていたときに感じた不安の内容を聞かせてもらいました。

成長できないかも…

大手IT企業で働いていたAさんは、会社の同僚や先輩、上司の姿を見ていて不安になったといいます。

「中途採用で入社。大手有名企業だから社員は本当に有能で、刺激的な毎日が送れると思っていました。しかし、実際はそうではなく、デキる人たちはほんの一握り。その人たちにぶら下がって生きているだけの人が9割で刺激がなかった」

Aさんは転職しても同じ思いを経験。「大企業は数が多いぶん仕事ができない人も多い。そういう人たちに飲み込まれて生きていくことになりそうで怖かった」といいます。現在は外資系のIT企業に転職して張りのある仕事をしているそうです。

ポストが空きそうにない

「誰でも受け入れる、仕事をしない人、成果があがらない人を放っておける大企業特有の寛容さで、ポストが全く空かない。次のステージに進めない」と語るのは大手電機メーカーで勤務していたBさんです。

上司から、ずっと「次は上の役職にあげてやる」と言われ続けていたものの、3年目に「ポストに空きが見つからないからだめだった」と言われて転職を決意。転職先ではチームマネージャーとして活躍しています。

自分の能力への不安

大手外資系金融に勤めていたDさん。「会社の看板を背負っているから自分は稼げているのではないか、もし放り出されたら自分は稼ぐ術や力があるのだろうかとキャリアを積むほど不安になっていった」と話します。

現在、Dさんは独立して金融関係の仕事をしています。学生相手に金融や経済の基礎知識を教えたり、本を書いたり、セミナー講師をしたりと毎日大忙しの様子。「金融のことを叩きこんでくれた会社には本当に感謝している」と語る姿が印象的でした。

まとめ

ことさら青く見える大企業の芝生。でも大企業だからこそ経験する不安や不満もあるようですね。厳しい就職活動を勝ち抜いて就職した先が、学生時代に描いていた理想とかけ離れていた……。そんな事情が、若者の離職を後押ししているのかもしれません。

企業規模や知名度ではなく、自分がどのような働き方をしたいのか、自分のキャリアをどのように築いていきたいかを考えることが大事なだといえます。自分の軸を持って就職・転職先を選んでいきたいですね。

参考資料

尾藤 ちよ子