「子を持って知る親の恩」ということわざがあります。「自分が子供を養育してみて、初めて親のありがたさが身にしみてわかる。」(※)という意味を表す言葉ですが、これと同じで、世の中には「その立場になってみてはじめてわかること」はたくさんあります。職場においても同様で、現在「上司」とよばれている立場の人の中には、「自分に部下がついて、はじめて上司の気持ちがわかった」という人も多いでしょう。

しかしその一方で、上司になった途端、自分本位になってしまう人も。今回は、ちょっと残念な上司のエピソードをいくつか紹介したいと思います。

なぜ、そんな嫌がらせを⁈ちょっと残念な上司たち

正社員とそうでない人を区別

「うちの会社は、部署によっては半数以上が、業務委託や派遣社員の人なのですが、なにかにつけて、『社員じゃないから』とか『あの人は派遣だから』という区別をしようとする上司がいます」と話すのは、某企業の事務部門に勤務するAさん。

「例えば、外部の人には遠慮してほしい会議があるときに、わざわざ『△△さんは社員じゃないから出席しなくていいからね。』と言うんです。そんなの、社員だけを名指しして、会議への出席を要請すればいいだけの話なのに。他にも、『来年いるかわからないから』という理由で、仕事を教えなかったり…。雇用の形態が違うだけで、ふだんは一緒に同じ仕事をしているのですから、わざわざ立場が違うということを、いちいち強調しなくても…とモヤっとします」

コロナ禍ならでは⁈ テレワークハラスメント

「テレワークになってから、やたらと報告を要求されるようになりました」とため息をつくのはIT企業に勤務するBさん。

「うちは比較的スムーズにテレワークに切り替わりました。個々の業務にも特に支障はなかったのですが、上司が『みんなの進捗がわかりにくくなった』と言い出し、確認したいことが出てくると、『あれ、どうなってる?』と、時間構わず電話やチャットをしてくるようになったんです」

「一番困ったのは、急な報告会議。『あと10分後ね』などと軽く言われるんですが、うちは、賃貸なのでテレワーク専用の部屋が取れず、会議となると事前に家族に部屋を開けてもらい、「静かにしててね」と根回ししておかないといけないんです。職場にいて、会議室に移動せよと言われたのとはわけがちがう。立場的に進捗をリアルタイムに把握しておきたいという気持ちはわかりますが、こちらの都合も少しは考えて欲しいです」

それも正しいのはわかるけど…。ロジハラ上司にうんざり

「何が何でも自分の意見が正しいと信じて疑わない上司に困ってます」と嘆くのは、営業部門で働くCさん。

「例えば営業のやり方。上司はお客さんに何度も電話して足を運んで…という昔ながらの営業が一番と信じて疑わない人なのですが、今のご時世で何度もお客様のもとに足を運ぶというのははばかられますよね」

「ですから、僕たちなりに、いろいろな営業方法を提案してみるんですが、上司は全く聞く耳持たずという感じで…。それどころか、自分が納得できない意見はとにかく論破。もう、みんな何を言っても聞いてくれないと諦めてますよ」