年収1,200万円の家庭の教育費は?

先ほどの結果を見て、「わが家が高収入だったら、もっと子どもにお金をかけてあげられたのに…」と感じた人もいるのでは。やはり年収が多いほど、子どもに多くのお金をかけている世帯が多いのでしょうか。ではここで、先ほどのデータをもとに、「親の年間収入1,200万円以上世帯」の学習費総額もみてみましょう。

小学校

公立…54万3,000円
私立…181万円

中学校

公立…69万7,000円
私立…154万5,000円

高等学校

公立…68万2,000円
私立…141万円

どの項目においても、学習費総額は年間収入「400万~599万円」の世帯を大きく上回っています。なかでも大きく差が開いたのは私立の高校に通うケースで、その差は約58万円でした。

「老後」と「教育費」、どちらが重要?

多くの家庭では、子育てがひと段落した後に老後生活が控えています。そのため、日ごろから教育費を捻出しつつ、自分自身の老後資金も用意しておかなければなりません。

では、子を持つ親たちは、「教育費」と「老後の備え」をそれぞれどのように捉えているのでしょうか。ソニー生命保険(株)が実施した「子どもの教育資金に関する調査」における「老後の備えより子どもの教育費にお金を回したい」という問いに対する結果は、以下のようになっています。

(対象期間:2021年1月18~20日の3日間、対象者:大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女、有効回答数:1,000サンプル)

老後の備えより子どもの教育費にお金を回したい

  • 非常にあてはまる…7.6%
  • ややあてはまる…53.6%
  • あまりあてはまらない…35.1%
  • 全くあてはまらない…3.7%

「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」を合わせた割合は、約6割という結果に。「自分の老後より教育費に重きを置きたい」と考えている人の多さがうかがえます。

まとめ

子どものために…という想いから、「教育費にはできる限りのお金をかけたい」と考えるのは当然のことかもしれません。しかし、教育費は「課金ゲームのようにかけただけ元がとれる」というものではないのも現実です。

ついつい優先してしまいがちな、子どもの教育費。しかし、老後資金などの存在も忘れてはなりません。ご家庭の経済状況を踏まえながら、無理のないお金の計画を立てておきたいですね。

参考資料

尾藤 ちよ子