バイデン政権になっても米中対立が続く中、新型コロナウイルスの感染拡大や香港国家安全維持法なども影響し、英国やフランス、ドイツといった欧州主要国と中国との関係も冷え込んでいる。

中国対抗姿勢に転じる欧州、特に目立つ英国

これまで中国と英国やドイツなどは経済分野を軸に接近していたが、欧州はバイデン政権と足並みを揃えて中国に対抗していく姿勢に転じている。

貿易摩擦はトランプ前政権の米中関係の中で深刻となったが、今後は欧州やオーストラリア、インドなどを巻き込んだより広い範囲で貿易摩擦が生じる可能性もある。

特に、英国は中国と距離を置く方向に舵を切っている。

今年のG7先進国首脳会合(サミット)の議長国である英国は去年12月、韓国・オーストラリア・インドを招待し、計10カ国で会談を行う計画を明らかにしている。

また、ドミニク・ラーブ外相は去年7月、新疆ウイグル自治区でおぞましい人権侵害が起きているとして、中国を非難するとともに関係者への制裁措置の可能性もちらつかせた。

また、トラス国際貿易相は1月、日本やオーストラリア、シンガポールなど11カ国が加盟する環太平洋連携協定(TPP)へ近く正式に加盟する方針を明らかにした。

域外国がTPPへの加盟手続きを行うのは英国が初めてだが、EUから離脱した英国は新たな経済パートナーや枠組みを模索している。