年収400万円の人の満足度はどれくらいか

世帯年収と家計と資産の満足度の相関係数は0.21と正の相関となっており、基本的には所得上昇とともに満足度は上がるのですが、世帯年収「3,000万~5,000万円未満」以降の生活満足度は下がっています(グラフ参照)。

出典:内閣府「満足度・生活の質に関する調査」に関する第4次報告書をもとに筆者作成

(ダッシュボードでは、所得税・住民税等を支払った後に世帯の手元に残る可処分所得を指標として採用しています。)

もっとも満足度が低いのは、世帯年収「100万~300万円未満」。これ以降は満足度が上昇傾向にあるので、基本的には年収が上がれば上がるほど満足度も上がっていると指摘できますね。

平均年収の400万円台の満足度は4.44点。5点を超えるのは世帯年収「700万~1,000万円未満」からで、ピークは世帯年収「3,000万~5,000万円未満」となっています。

それ以降の満足度は、前述のとおり下がっています。世帯年収「700万~1,000万円未満」の満足度よりも世帯年収「1億円以上」の満足度の方が低いというのは、意外でもあります。満足度が下がる年収5,000万円以上となると、会社役員や経営者など、ストレス過多な仕事の人が多いのかもしれません。

収入と資産の満足度の傾向

世帯金融資産残高別の家計と資産の満足度をみると、世帯年収と同じように、金融資産の増加とともに満足度が上昇しています。世帯の金融資産が「100万円未満」は3.64点と低いですが、「1,000万~2,000万円未満」は5.42点と、世帯金融資産残高上昇とともに満足度も上がっています。

世帯年収では「3,000万~5,000万円未満」がピークとなっていましたが、金融資産では「1億~3億円未満」がピークで6.88点、世帯金融資産残高「3億円以上」になると5.97点で下がっています。年収ほどではないですが、金融資産についても、ある一定のところまでいくと満足度は頭打ちになるといえます。

まとめにかえて

総合主観満足度をみると、世帯年収「2,000万~3,000万円」で頭打ち、世帯金融資産残高は「5,000万~1億円」で上昇傾向は緩やかになっています。ただこの年収や資産を築くのは、ほとんどの人にとって難しいです。まずは収入や資産を少しずつでも増やしていこう、その気持ちが生活の満足度を上げてくれるのは間違いないといえそうです。

参考資料

尾藤 ちよ子