ドトール・日レスホールディングス、株価が年初来高値を更新
デフレの申し子、ドトールの復活?

ドトール・日レスホールディングス、第2四半期決算発表後に株価が急騰
ドトール・日レスホールディングス(3087)の株価が堅調です。
過去1年間の株価の推移を、サンマルクカフェを運営するサンマルクホールディングス(3395)および最近上場を果たしたコメダホールディングス(3543)と比べてみましょう。
ご覧のように、ドトール・日レスホールディングスの株価だけがこの数日で急騰しています。同社は10月14日引け後に第2四半期決算を発表しました。10月14日の引け値は1,908円でしたが、決算を受けて10月17日、18日と連騰し、18日は2,115円まで上昇、年初来高値を更新しています。
続きを読む株価上昇の背景はこの第2四半期決算にあるようです。少し詳しく見てみましょう。星乃珈琲店の躍進か、ドトールコーヒーの活性化か、何が要因なのでしょうか。
第2四半期決算は利益実績が計画を超過
株価上昇の第一の背景は、第2四半期累計の利益額が会社の計画を上回って対前年同期比増益になったことでしょう。
実績を見ると対前年同期比で売上高が+1%増、営業利益が同+14%増、経常利益が同+12%増になりました。売上高こそ会社の計画を下回りましたが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は計画をしっかり上回っています。
計画を上回って二けた増益という実績が株式市場に好感されたことは間違いありません。
通期増配を発表
それだけではありません。期初の計画では通期一株あたり28円とされていた配当を、30円に引き上げることになりました。増配は先行きの業績に対する経営者の自信を反映すると一般に言われます。増益プラス増配が株価の急騰につながっているのです。
増益の牽引役はドトール? それとも日レス?
では、増益を牽引したのはドトールでしょうか。あるいは星乃珈琲店を積極展開している日レスでしょうか。皆さんの予想はいかがですか?
部門別のデータをひも解くと、ドトールは微増益であり、増益の牽引役は日レスであることがわかります。これまで急展開してきた星乃珈琲店の店舗増効果が売上に現れ、かつ経費がしっかり抑制できていることが日レスの増益の要因です。
白ドトールが増えてほしい
いかがでしょうか。最近の消費マインドの悪化でドトールが健闘しているのかと筆者は考えていましたので、この結果は意外でした。
実は、ドトールコーヒーショップやエクセシオール カフェなどを合わせたドトールコーヒーの総店舗数(含むFC)は2016年8月末現在で1,340店舗になっており、わずかではありますが減少傾向です。
一方、洋麺屋 五右衛門や星乃珈琲店を擁する日本レストランシステムは総店舗数が546店舗で増加傾向にあります。ただし、日本レストランシステムの総店舗数を牽引してきた星乃珈琲店はここにきて出店が減速しています。
ちなみに、同社は第2四半期が好調だったにもかかわらず、通期の計画を据え置きました、売上高が対前年同期比+3%増、経常利益が同+11%増という内容です。
株価は好業績と増配を好感して急騰していますが、やはり次のステップとして売上高の成長を見たいと思います。筆者の自宅の近辺には古いドトールしかなく、星乃珈琲店もありません。ぜひ開店してほしいのは落ち着く「白ドトール」です。
出店にアクセルがかかり、売上が伸びていく局面を楽しみに待ちたいと思います。