「離婚」、考えたことはありますか?

厚生労働省の「令和元年(2019年)人口動態統計(確定数)の概況」によると、2019年の離婚件数は20万8,469組で、離婚率(人口千対)は1.69となっています。2018年は20万8,333組で離婚率は1.68となっているので、上昇しています。

ここからは、現在シングルマザーとして出版社に勤務するYさんに、「離婚の準備」についてうかがいます。10歳の子どもを育てるシングルマザーです。子どもが3歳の頃に離婚したといいます。その当時Yさんは専業主婦で子育てに専念していましたが、夫婦関係が破綻している家庭環境に絶望していたようです。

妊娠中に夫がうつ病に!

「子どもを妊娠中に夫がうつ病を患いました。しばらく休職して復帰の道を模索していましたが、職場の人間関係に悩んでいた夫は退職を選びました。『部署移動は難しい』と人事から回答があったからです。それから経済的に困窮する日々が続きました」

病気の夫に頼れないYさんは、1人で産み育て、保育園の空きを待ちながら就職活動を続けたといいます。

「やはり0歳児を抱えた就活は辛く苦しいものでした。就活しながらも、在宅ワークで家計のお金を増やそうとしましたが、その収入は2桁に届かず、貯金を取り崩す日々。どんどん減る貯金に気持ちだけが焦っていきました」

夫の薬代もばかになりません。国民年金保険料の免除や公的住宅への申請など、できることはして節約に取り組み、とにかく就職先を探す日々を送ったそうです。

「必死でした。毎日毎日、家事・育児・就活・アルバイト…。夫の通院への付き添いもあります。そうした日々を送るのに精一杯で、いつしか夫との会話がなくなっていたのです」

毎日必死に生きている中で、夫婦関係が完全に冷え切ってしまったとYさんはいいます。いつしか離婚を考えるようになったようです。