プレミア投資法人、10月期はコロナ影響を受けながらも増益を達成 来期は後年度負担軽減に努める

2020年12月16日に行われた、プレミア投資法人2020年10月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:プレミア・リート・アドバイザーズ株式会社 代表取締役社長 小杉知義 氏

2020年10月期決算説明会

小杉知義氏:みなさま、こんにちは。プレミア・リート・アドバイザーズ社長の小杉でございます。これから、プレミア投資法人の2020年10月期の決算概要についてご説明をさせていただきます。

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今回の決算発表につきましても、社会情勢に鑑み、リモート形式での開催とさせていただきました。前期発表に続きまして、今回もご不便をおかけいたしますが、どうかご理解・ご協力のほど、お願いいたします。

また、先日、みなさまにお知らせしましたとおり、運用会社でありますプレミア・リート・アドバイザーズ株式会社は、来年4月よりNTT都市開発投資顧問株式会社として新たなスタートをする予定です。

プレミアを名乗ります運用会社からご説明をさせていただくのは今回が最後となりますので、これまでの35回の決算発表にお付き合いをいただきましたみなさま方に深く感謝しつつ、最後の36回目もしっかりと務めさせていただきたいと思います。どうか、よろしくお願いいたします。

それでははじめに、この10月末、第36期の実績、また、今回も後発事象として物件の入替取引がございますので、その部分にも触れながら、これまでの成果概要をお話しさせていただきます。

決算サマリー

資料2ページをご覧ください。本日のご説明は、このサマリーページを中心に適宜項目ごとに後ろのページをご参照いただきながら進めてまいります。

1番上の囲みに、今回決算のポイントを示しましたが、第36期についてはコロナウイルス感染症拡大の影響を受けながらも、結果としては順調に増益を達成することができました。結論からのご説明で恐縮ではございますが、最初の分配金の項目にございますように、今期分配金は前期実績を51円上回る2,923円となります。

また、来期37期につきましては、のちほど外部成長のところでご説明いたしますが、入替取引の結果、売却益が発生する見通しでございますので、今期実績を967円上回ります3,890円となる予想です。

第37期・第38期業績予想の概要

資料の4ページをご覧いただけますでしょうか。1番下の段、1口当たり分配金について、左から今期の実績、37期予想、38期予想の順に記載しております。今期の分配金にも、「大手町グランキューブ」との入替で売却いたしました「アーバンネット市ヶ谷ビル」の売却益分が145円含まれておりますが、37期については、のちほど触れます「アーバンネット麹町ビル」の売却益相当が1,458円含まれております。

中央は不動産賃貸事業損益の増減の内訳の表ですが、オフィス・レジの修繕費が、それぞれ前期比1億9,800万円、3,100万円増加する見込みをお示ししております。

37期につきましては、可能な範囲で修繕の前倒しを行い、後年度負担の軽減を図ることで安定配当に努める計画です。ただ、売却益の規模が約19億円と大きくなることから、分配金のレベルについて少々大きな一次変動が出る見通しです。

外部成長の項目でご説明いたしますが、今回の取引については中長期的にも、投資主のみなさまの利益向上に適うものと考えておりますので、ご理解のほどお願いいたします。

それでは、2ページのサマリーへお戻りください。ここから今期の運用状況をご説明するにあたりましては、まず新型コロナウイルス感染症拡大のマイナス影響からお話しをしたいと思います。

直接的な影響は、テナントのご事情を斟酌した賃料減免ということになりますが、当法人のポートフォリオのメインであるオフィス・住居のテナントについては正式な減免要請はなく、実際の減免措置も発生しておりません。

一方、前回決算でもお話ししましたとおり、経営状況が急速に悪化したお店などもございまして、36期に実績として減免措置を実施しております。ただ、商業の比率は、賃料ベースで全体の約5パーセント程度ですので、影響はほとんどないとご理解ください。

ご参考までに数字で申し上げますと、36期の減免額の実額は2,400万円です。前回ご説明では今期4,000万円程度と予想しておりましたので、実際の影響はそれより少なかったのですが、賃料としては、トータルの5パーセント程度を減免したことになります。ただ、このマイナス影響も37期以降はほとんど残らないものと見通しております。

本質的な意味でのコロナ影響、つまり景況感の悪化やリモートワーク等働き方改革の進展、あるいは都心部の人口動態の変化といった感染症拡大の2次的、マクロ的な影響は、当法人の業績の中では稼働率の変化、そして契約更新や入替時の賃料増減として表れることになります。

ですので、ここからは内部成長への影響として、コロナウイルスの影響をお話しさせていただきたいと思います。内部成長の項目をご覧ください。お示ししておりますとおり、今期全体の期中平均稼働率は前期とほぼ変わらず、97.1パーセントの高い水準を維持しております。

ただ、内訳を見ますと、オフィスについてはわずかに上昇いたしましたが、レジデンスは95パーセントと、前期比マイナス2.3パーセントとなっています。

第37期・第38期 業績予想の前提(稼働率)

5ページのグラフをご覧いただけますでしょうか。これが稼働率推移の折れ線グラフで、オレンジの折れ線がレジデンスの稼働率の動きになります。10月までの36期実績を見ますと、今期5月以降、毎月のレジデンス稼働がじわじわと低下してきたのがおわかりいただけると思います。

これは、人の移動自体に制約がかかった緊急事態宣言の影響、あるいは在宅勤務機会の増加に合わせた住宅ニーズの変化といった背景から、一部の相対的に条件の悪い物件のリーシングが進まず、空室期間の長期化が見られたためです。

ただ、この夏以降、市場実勢に対応し、募集条件の柔軟化を行うなど、きめ細かな対策を実施した結果、10月には稼働率上昇に転じております。

レジデンス賃料改定動向(入替時)

ここで、14ページまで飛んでいただけますでしょうか。こちらがレジデンスの入居者、入替時の賃料増減の状況になります。当36期も引き続き増賃で入替のできた物件での賃料増加率は9.6パーセント達成しており、ニーズの高い物件の好調は続いております。

ただし、右の棒グラフにありますように、34期・35期には、ほぼすべてが増賃入替だったのに対しまして、36期にはこれまでわずかだった減賃での入替のケースが全体の22パーセントとなり、傾向に変化があるのがご理解いただけるものと思います。

また5ページへ戻っていただいてもよろしいでしょうか。37期中に個別物件の事情として2つ、現在サービスアパートメントとして運用している物件でサブリース契約が終了することとなり、1月には一時的に92パーセント弱まで落ち込む見通しです。

ただ、後継のリーシングについて、グループ、NTTのグループ内外での社宅利用など一定の目処は立ちつつあり、募集条件を柔軟に設定することで、3ヶ月程度のダウンタイムでほぼ現在のレベルまで回復するものと考えております。

このように、レジデンスについてはコロナ以前の97パーセントというような稼働水準に比べれば厳しい状況は継続いたしますが、おおむねボトム水準として現状を認識しておりますので、安定運営に向け、引き続き努力していきたいと考えております。

オフィス入・退去面積と稼働率

次にオフィスの内部成長でございますが、次の6ページから8ページをご覧いただきながら、ご説明させていただきます。まず、6ページの左のグラフでお示ししましたとおり、36期はオフィスについて入居・退去とも非常に少ない状況でございました。

オフィス賃料改定動向(入替時)

したがいまして、7ページの左のグラフにありますように、入替時の賃料の増減もほとんどございませんでした。オフィスにつきましては、当法人テナントの3分の1を占めますNTTグループ各社の様子を見ましても、もともと検討されていた移転計画が延期になるなど、みなさま総じて動きづらい雰囲気であったということかと考えております。ただ、入替はなくとも契約更改はスケジュールどおり行なってまいります。

オフィス賃料改定動向(契約更新時)

8ページをご覧ください。左グラフの更改時の賃料ですが、ご覧のとおり大幅な賃上げとなりました。前回決算でもご説明しておりますが、もともと36期は比較的大口テナントの契約更改が予定されており、そのうち約70パーセントがアンダーレントの状況でございました。

コロナ禍での更改・交渉ということになりましたので、「この状況で値上げの話をもってくること自体がおかしいだろう」という厳しい反応を示されるテナントも多く、大変ではございましたが、賃貸市況全体が堅調なことなどを客観的に粘り強くご説明し、ご理解をいただけたものと思います。

オフィステナントの状況

ここで、11ページまで飛んでいただけますでしょうか。ここにございます私どもの大口テナント10社のうちでは、今回5番目・7番目・8番目の3つのテナントと増賃の更改をいただいたということでございます。

このように、今期のオフィスの契約は感染症拡大の逆風の中でも、交渉に困難はありましたが、結果として、ほぼ従来の見通しどおりに着実な成果を上げられたものと考えております。

オフィス賃料分析(首都圏)

9ページをご覧ください。いわゆる賃料ギャップについては、左上の棒グラフのとおり、周辺相場の上昇が一段落した中で、契約単価はしっかりキャッチアップできましたので、下の折れ線グラフのとおり、数期ぶりにマイナスのギャップ幅が縮小する結果となっております。

オフィス契約更新スケジュール(首都圏)

次の10ページをご覧ください。現在進行中の37期についても更改予定の契約の45パーセント程度はアンダーレントとなっております。現在も厳しい折衝を続けておりますが、なんとかご理解をいただき、さらにキャッチアップできるよう努めていきたいと考えております。

ここで、もう一度8ページに戻っていただけますでしょうか。この特別に大きく見える増額幅には個別の理由もありますので、少し補足をさせてください。

「五反田NNビル」に入居中の、先ほどご紹介した大口8番目のテナントであるNTTデータビジネスシステムズですが、同社の10月の契約更新が通常とは異なる契約であったということでございます。

これも公表させていただきましたので、すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、同社は来年3月末で退去をされる予定でございます。今回は退去を前提とした半年間の定期契約であり、市場動向も不透明な状況下で更新をさせていただいたという特殊な事情でしたので、月額の賃料ベースでは大幅な増額となったものとご理解ください。

後継テナントについては鋭意活動中ですが、先ほど触れましたとおり、NTTグループ内でも全体的に移転計画はスローであり、現時点では後継テナント決定に至っておりません。

ここで、5ページへ戻っていただけますでしょうか。青色のオフィスの折れ線グラフを右側の予想期間のほうへ伸ばして見ていただきますと、来年4月には稼働が落ち込む予想としており、その主な要因がこの「五反田NNビル」の退去となっております。

同時にもう1つ、比較的規模の大きい退去が上野の物件で予定されておりますので、予想にはこのような稼働の一時的低下を折り込んでおります。

ちなみに、前回予想で本37期いっぱいは半年間空きになると見込んでおりました渋谷の物件、IT系企業の退去がございましたが、その物件につきましては、幸い今期中の一部埋め戻しが決まっております。

今回の予想では、申し上げました2つの物件とも3ヶ月程度のダウンタイムを想定しておりますが、少しでも影響を軽減すべく、引き続きグループ向けも含めて、スポンサーの協力も得ながらリーシング活動の強化に励む所存です。

2ページのサマリーへお戻りください。以上が、内部成長についての概況です。まとめますと、10月までの36期については、コロナ影響を受けつつも稼働・賃料動向ともおおむね計画どおりに推移した。

一方で、現37期、さらに38期についてはアンダーレント契約のキャッチアップ期待もあり、安定的収入の維持は可能と見込んでおりますが、特にオフィス稼働については後継テナントの早期確保が喫緊の課題であり、いっそうのリーシング強化に取り組むということかと考えております。

外部成長の状況(物件入替)

それでは、次に外部成長のご説明です。資料の16ページ、17ページで物件のご紹介をさせていただいておりますので、ご覧ください。

今回取得いたします「品川シーズンテラス」は、東京品川エリアに所在しますNTTグループのアセットを代表するSクラスビルです。品川港南エリアは「品川TWINS」をはじめ、NTTグループ不動産の集積する戦略エリアでございます。JR新駅の開業やリニア建設など、その将来性への期待は極めて大きいといえます。

NTT都市開発をスポンサーとする当投資法人が、NTTグループのまちづくり戦略のコアとなるアセットをそのポートに組み込むことは、名実ともにNTTグループのリートとしての位置付けをいっそう明確にするものと考えてございます。

また、同ビルは最先端の環境性能を持つ都市型複合ビルであることから、サステナビリティの重視に対します市場からのご期待に、当投資法人のポート特性を向けていく大きな原動力にもなると思います。

なお、GRESB(グレスビー)の格付けは、現在、当法人は4(フォー)スターとなっておりますので、最上位5スターを目指して今後も取り組んでいく考えです。

なお、今回入替で「アーバンネット麹町ビル」を売却いたします。同ビルはNTT民営化直後、NTT都市開発がはじめて手がけた、我々にとっては記念碑的な物件でございますが、築33年を超え、再開発を見通した対応が検討されてきたものです。

現時点での売却、保有期間の関係で売却益留保ができない点は不都合ではありますが、NTTグループの期間物件取得のチャンスを生かす、このメリットは投資主のみなさまの観点からもデメリットを大きく上回ると判断しております。

財務状況

19ページの財務状況のご説明をさせていただきます。今回のディール、市場環境さえ許せば、エクイティ調達も視野に入れるべき事案と認識しておりますが、残念ながら、当法人の現在の市場評価からはみなさまのご理解をいただく環境にはないと判断しております。

今回のディールも、物件入替との差分、ネットの必要資金90億円ほどでございますが、新規の借入でまかなっております。36期にもデット調達を30億円ほどいたしておりますので、右側のグラフのとおり、LTVは36期末で45.3パーセント、シーズンテラス取得後には47.2パーセントに上昇する見込みです。

LTVの水準について、中長期的には45パーセント程度が望ましいと考えておりますが、当面50パーセントまでのレンジでコントロールしていく方針でございます。

なお、左のグラフのとおり、平均金利は36期末で0.6パーセントですが、今期調達により、さらに0.5パーセント台に低下する予定です。また、36期末で3.7年になりました平均残存年数も、今回リファイナンスも含め、もう少し長期化を図る予定でございます。

以上が決算、今期決算の概要についての私からのご説明ということになります。最後になりますが、今期は運用会社に動きがございまして、スポンサーシップの面で影響があるものと思いますので、その点を1番下、組織再編ということで少しお話をさせていただきます。

NTT都市開発のスポンサーシップ強化(PRA完全子会社化)

最後に24ページをご覧いただけますでしょうか。運用会社プレミア・リート・アドバイザーズは、この10月にNTT都市開発株式会社の完全子会社となりました。さらに来年4月には、同じくNTT都市開発傘下で、不動産ファンドの運営事業を行いますNTT都市開発投資顧問株式会社と合併を行うことを先日発表させていただいた次第です。

合併後の新会社は、双方の権利・義務を忠実に引き継ぎまして、代表も私が務めさせていただく予定であり、経営や体制に大きな変更はございません。また、新会社では公募リートである当法人とともに、私募リート、私募ファンドの運営も行いますので、特にスポンサーからの物件取得などについて利益相反のないよう、相応の仕組みを整える予定です。

NTT都市開発グループの不動産ファンドに関する機能が集約され、物件取得の機会も増大するということで、よりいっそう投資主のみなさまの利益最大化を進めていけるものと確信いたしておりますので、どうか引き続きよろしくお願いいたします。

コロナウイルス感染症拡大をめぐっては、年末年始、Go To事業が一時停止されるなど日本経済は依然、大変厳しい状況にあります。プレミア投資法人は、NTTグループのリートとして今後もグループ戦略に沿い、着実に成長していく考えですので、どうかみなさまからの引き続きのご理解・ご支援をたまわりますよう、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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