銀行員が語る「失敗する経営者」 夢ばかり見て、足元が見えなかった人

新しい年になり、今年1年の目標を立てた方もいらっしゃるのではないでしょうか。目標や夢を持つのは素晴らしいことですが、それがかえって仇になる場合もあるようです。

私が銀行に入社してまだ間もない頃、先輩からの教訓に「前と上ばかり見ている人は、足元を見ないので転ぶ」というものがありました。これまで銀行員という仕事を通して、それこそ数え切れないくらいさまざまな人を見てきましたが、どうやらこれは本当のことのようです。今回は、そんな教訓めいたお話です。

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銀行員が出会った「前と上しか見ていない人」

これは、地方の観光地に赴任していたときのお話です。古くからの温泉地で、周りは和風旅館ばかりだったその場所で、エスニック調のペンションを経営している方がいました。この方をAさんとしましょう。

Aさんは、学生時代に旅行した東南アジアが気に入り、気候が似ていると感じたその地にペンションを建てたそうです。

私が担当となり、挨拶のために初めてペンションを訪れた時のことでした。挨拶をして、お互いの自己紹介など会話が進みましたが、何となく違和感を覚えました。とはいえ、こちらも仕事で来ているので、なるべく気にしないよう相手の話に集中しましたが、その違和感は最後まで残ったままでした。

初対面で感じた違和感とは

その場を辞し、銀行の営業車でひと息ついた時に、やっと私はその違和感の正体に気が付きました。

Aさんは私と会話している時に、私の目を見て話されましたが、どこか「心ここにあらず」といった様子だったのです。この場で全てを悟ったわけではないのですが、何年も銀行員をやっていると、Aさんは目の前にいる私を見ながら、話を聞いていなかったということは直感としてわかります。

そしてこの違和感は、それから先のAさんとのやり取りで確信に変わっていきました。

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執筆者

勤続30年の現役銀行員。金融ライター。
銀行員として数え切れないほどのお客様と会い、相談に乗り、一緒に悩んだ経験では誰にも負けない自信があります。
取り組んでいく記事も、そんな一介の銀行員目線で書いています。