『「普通の生活」東京の子育て世帯でいくら?⇒30代で月54万必要です。(労組団体試算)』…。12月半ば、こんな記事タイトルが目に止まりました。東京地方労働組合評議会の試算によれば、「東京在住・30代・子ども2人の4人世帯」の場合、「普通の生活」をするのにかかるのは月54万円とされています。

この月54万円という金額に、心がザワついた人もいるのではないでしょうか。30代でシングルマザーの筆者も、その中のひとり。この調査をもう少し詳しく読み解きながら、「普通って何」ということについて考えます。

月54万円の内訳は?

上記の試算は、「正社員の夫・扶養内で働く妻・公立小学校と私立幼稚園に通う子ども2人」の家族をモデルケースとして行われています。

練馬区の43㎡前後の賃貸に住み、ひと月の家賃は9万5千円、食費は約11万円(1人1食300円、飲み会は月1回で3500円)、行楽地へのお出かけは月1回8000円、教育費は約2万8000円…等々を積み上げると月に54万円、年間で約650万円が必要ということになります(税・社会保険料込み)。

なお、この記事の元となった「東京都最低生計費試算調査結果」を見ると、年収については2019年の厚生労働省『賃金構造基本統計調査』(東京都分)の平均をもとに、「30代夫:月収(所定内給与額)35万円、一時金(賞与その他特別給与額)105万円、年収525万円 」と計算されています。

月50万円を「普通」に感じる?

上記の記事に対し、SNSでは「高過ぎ」「どこの上級市民?」「実感に合ってる」「質素な試算」「子ども2人で43㎡前後は狭い」「普通って何?」など、さまざまな意見がみられました。