「被保護実人員・保護の種類別扶助人員(1カ月平均)」出典:厚生労働省『生活保護の被保護者調査(平成30年度確定値)』

被保護実人員についても同じような推移といえそうですが、2013年度(平成25年度)からゆるやかな減少傾向は続いており、2018年度(平成30年度)の1カ月平均の被保護実人員は209万6,838人と、同2万7,793人の減少となっています。保護の種類をみると、「生活扶助」がもっとも多く、次いで「住宅扶助」、「医療扶助」となっています。2000年度(平成12年度)から増加傾向にある「介護扶助」の増加率は大きいですね。社会問題ともなっている介護問題、実態は想像以上に深刻なようです。

コロナ禍の生活保護受給者、増えているのか?減っているのか?

それでは『被保護者調査』の最新の調査結果をみてみます。まずは被保護世帯数です(グラフ参照)。

「被保護世帯数(各月間)と対前年同月伸び率」出典:厚生労働省『生活保護の被保護者調査(平成30年度確定値)』

被保護世帯数は163万5,356世帯となり、対前年同月比0.1%減(1,290世帯の減少)となりました。リーマン・ショック時(平成20年・2008年頃)はそもそも増加傾向にあったことも影響していると思いますが、一気に被保護世帯数は増加幅を上げていきました。一方でコロナ禍の影響はあまりないようにみえます。ただ、2020年の完全失業率は悪化しており、10月は215万人。同51万人(31.1%)増で、9カ月連続の増加です。とはいえ、コロナ禍の影響度合いは業種間で偏りがあったり、政府の支援制度などがあった影響でしょうか。リーマン・ショックほど急激に家計が悪化している世帯の増加というわけではないのかもしれません。

世帯類型別の世帯数をみてみると、55.5%を占めているのが高齢者世帯で、90万3,056世帯。同0.7%増と高齢者世帯の増加傾向は継続しています。そのうちの単身世帯は82万9,211世帯と、被保護の高齢者世帯の多くが単身であることが分ります。この被保護の高齢単身世帯は同1.1%増ともっとも増加率が高くなっています。

被保護実人員もみてみましょう。