みんなが「コロナ禍で買ったもの」

1位:保健医療用品・器具

同22.7%増の3,129円となっています。マスクや消毒液などの消耗品の購入金額が高いのは、withコロナ生活では自然なことかもしれませんね。この傾向は今後も続いていくでしょう。

2位:たばこ

増税前の駆け込み需要でしょうか。同18.4%増の1,303円となっています。2020年は常に増加傾向にありますので、増税前の影響は長く続いているともいえます。一方でコロナ禍で外出が減り、嗜好品の消費が喚起されている側面もありそうです。

3位:麺類(食料)

食料は同0.8%減の7万7,035円と微減。パンは同2.4%減の2,525円となっていますが、麺類は同15.1%増の1,657円と増加傾向にあります。この他にも、肉類は同12.0%増の7,901円、卵は同10.2%増の816円と「子どもたちのお腹を膨らませる食品」への支出が増えている印象です。外食費が減っているので、その分自炊のためのお金が支出されるのは当然の結果といえるでしょう。

麺類が多く購入されているとのこと、簡単に食卓に出せて子どもに人気の食品です。お父さん・お母さんの苦労があらわれているのかもしれません。

この他には、家飲み増加の影響でしょうか、酒類が同12.0%増の3,982円と支出増となっています。また、教科書・学習参考教材が同10.5%増の118円。といっても数百円ですね。ただ一方で教養娯楽サービスの「月謝類」は同17.6%減の2,458円となっています。自宅で学習している子どもが多かったり、COVID-19の影響で習い事が思うようにできていない場合も多くあるのかもしれません。

実収入は増えているけれど…

実収入は4~6月期から増えていますが、支出は極力抑えている印象を受けました。こづかいは同17.6%減の7,767円、仕送り金は同6.2%減の4,452円と、こづかい制の家庭の夫婦や子どもへの支出が絞られているのかもしれません。それと同時に、「お金を使いたくても使えない」状況もあるのでしょう。Go Toトラベル・イート事業が今後の消費にどう影響するのか、注目です。

参考

内閣府「2020年7-9月期・1次速報(2020年11月16日)」
総務省統計局「家計調査報告 令和2年(2020年)7~9月期平均(2020年11月6日公表)」

尾藤 ちよ子